道教委が全道代表高校長研 地域とともにある学校を 主権者教育の推進要請―北村局長
(道・道教委 2017-10-11付)

道教委全代表高校長研北村局長
北村学校教育局長は、本道高校教育の充実・発展のため理解と協力を求めた

 道教委は六日、道庁別館で二十九年度第三回全道代表高校長研究協議会を開いた。開会式では、北村善春学校教育局長があいさつ。選挙に関するリーフレットを新たに作成・配布することを明らかにし、その活用などを通じて「生徒が政治参加の重要性や選挙の意義について、より理解を深め、有権者としての権利をしっかりと行使できるよう、生徒への指導や保護者などへの啓発に取り組む」ことを求めた。さらに「新たな時代の学校づくりに向け、将来ビジョンをもって、地域の声などを適切に把握し、学校経営に的確に反映させる〝地域とともにある学校づくり〟を推進する学校経営に努める」ことを呼びかけた。

 本道の高校教育にかかわる教育行政上の課題などについて研究協議を行い、本道の高校教育における学校運営全般の改善・充実に資するために開いたもの。

 道高校長協会の本部役員・部会長、各管内の代表高校長合わせて二十八人が出席した。

 開会式後、各課等の担当者が教育行政上の諸課題について説明。また、福利課の元田夏紀主幹を講師に、講演・研究協議「気がつけば変わるのか?~行動変容について考える」を行った。

 開会式における北村学校教育局長のあいさつ概要はつぎのとおり。

          ◇          ◇          ◇

 本日まで開催されている道議会では、高校教育や生徒指導などにかかわり、高校における通級による指導やキャリア教育、主権者教育、国際理解教育、産業教育、高校入学者選抜、修学旅行の在り方、いじめ防止基本方針の改訂、不登校児童生徒への対応、北朝鮮のミサイル発射への対応などについて、各会派から多くの質問があり、次期学習指導要領の改訂や社会の動向などを踏まえ、高校教育に対する関心の高まりがみられている。

 この機会に、高校教育を取り巻く諸課題のうち、二点について話させていただく。

 一点目は「主権者教育」について。

 政治的教養を育む教育の充実に向けては、日ごろから、各学校で創意工夫して取り組んでいただいているものと理解している。

 このたび、衆議院選挙が行われることから、道教委では、道選挙管理委員会と連携して、選挙に関する情報収集の方法や、期日前投票や不在者投票などの選挙のルールなどを記載したリーフレットを新たに作成・配布する予定なので、各学校においては、本リーフレットも活用するなどして、生徒が政治参加の重要性や選挙の意義について、より理解を深め、有権者としての権利をしっかりと行使できるよう、生徒への指導や保護者などへの啓発に取り組んでいただくようお願いする。

 二点目は「高校教育改革への対応」について。

 現在、国においては、次期学習指導要領の改訂に向けた準備が大詰めを迎え、高大接続改革については「高校生のための学びの基礎診断」や「大学入学共通テスト」の実施方針が示され、三十二年度から実施の方向で進められている「大学入学共通テスト」については、本年十一月にプレテストが行われ、その結果をもとに、作問などの検証を行うこととなっている。

 このように、高校教育を取り巻く改革の状況を常に把握していただくことはもとより、高大接続改革の本質は、単なる接続の問題ではなく、高校教育の質の向上・確保であることから、生徒に身に付けようとする資質・能力やその方策などを具体化するとともに、三十年度に入学する生徒は「大学入学共通テスト」の最初の受験生になることも想定されることから、次年度入学生の教育課程を各学校で早急に編成し、学校説明会や中学生体験入学などのあらゆる機会に、その趣旨などを明確に示す必要がある。

 併せて、在校生の学びについても、生徒が将来生きていく社会の変化などを意識し、一層の充実に向けて取り組んでいただくことが重要であると考えている。

 校長の皆さんにおいては、新たな時代の学校づくりに向け、将来ビジョンをもって、広域な北海道に道立高校などが設置されている地域の声などを適切に把握し、学校経営に的確に反映させる「地域とともにある学校づくり」を推進する学校経営に努めていただくよう期待している。

 道教委では、今後とも、道高校長協会と緊密な連携を図りながら、本道の高校教育の充実・発展のために力を尽くしていく考えであるので、引き続き、理解と協力をお願い申し上げる。

(道・道教委 2017-10-11付)

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