道教委が業務改善加速事業研修会―文科省委託事業 意識改革とセットで 文科省・梅﨑参事官補佐講演
(道・道教委 2017-11-30付)

学校における業務改善研修会
梅﨑参事官補佐は、国の動向にふれながら業務改善の在り方について説明した

 【旭川発】道教委は二十七日、東神楽町総合福祉会館で文部科学省委託事業「学校現場における業務改善加速事業」の一環として、学校における業務改善研修会を開いた。事業モデル地域の教委職員や指定校教職員、上川管内市町村教委職員および教職員など五十九人が参加。国の動向を踏まえた業務改善にかかわる講演やモデル地域担当者による実践発表などを通して、事業のより一層の充実と推進に向けて研鑚を積んだ。

 この事業は、学校現場における業務改善に集中的に取り組む自治体をモデル地域に指定し、時間外勤務の削減などの成果を全国に発信していくことを目的に実践研究を行うもの。道内では、当別町、東神楽町、留萌市、根室市がモデル地域に指定され、共同利用型校務支援システムを活用した業務改善の在り方や意識改革などに向けた研究を進めている。

 開会式のあと、文部科学省初等中等教育局参事官(学校運営支援担当)付・梅﨑聖参事官補佐(校務改善専門官併任)が「学校における働き方改革の推進」と題して講演。国の動向にふれ、グローバル化や知識基盤社会における小学校英語や地域住民の期待に応えるため、土曜授業や通学路の安全確保、保護者対応など、「現在の学校における学校や教員の仕事は拡大し多様化している」ことを指摘した。総業務量や残業時間が増加傾向にある一方で、研修や授業準備の時間が減少しているため、教育の質の低下が懸念されていることについて話した。

 その上で、文科省の取組として、本年度、教員の働き方改革を図って学校現場における業務改善を加速するプロジェクトを展開するほか、部活動指導員の制度化や仮称「運動部活動に関する総合的なガイドライン」を策定し部活動の適正化を図るなど、教員の担うべき業務に専念できる環境の確保や学校の指導体制の整備などを検討していることを紹介した。

 梅﨑参事官補佐は「学校が本来あるべき役割を果たすためには、現状を解決していかなければならない」と強調し、働き方改革や業務改善、チーム学校を推進していくことを強調。業務改善の取組を組織で進めていくポイントとして、①業務改善と意識改革をセットで考える②できることを着実にする③学校や教職員の業務範囲以外であることを明確にする―ことを挙げた。また、自分自身で進めていくためには「決まった時間の中で何ができるのか考える」「仕事の精選と優先順位を付ける」ことなどを求めた。

 その上で「教職員の笑顔が子どもたちの笑顔につながる。どんな学校をつくり上げたいか考えて、皆さん自身の覚悟と一歩前に踏み出す勇気を」と呼びかけた。

 続いて、東神楽町教委の石山輝教育推進課長補佐が「学校における業務改善の取組について」と題して事例発表。文科省委託事業「チーム学校の実現に向けた業務改善等の推進事業」の成果と課題を報告したほか、本年度から委託を受けた学校現場における業務改善加速事業について経過報告した。

 この事業においては、業務改善の取組として、来年度から現在二十五回の職員会議を十三回程度にするよう見直すほか、町内に各学校の情報共有や予算編成・執行、備品管理などの業務を担う「共同学校事務室」の設置、東聖小学校に校務支援システムを本格導入するなどの考えを示した。

 石山課長補佐は「町に住むすべての子どもたちと先生のために〝何ができるか〟を考えながら、学校とさらなる連携を深めていく」と決意を述べた。

 このあと、㈱EDUCOM営業部の木下雄一郎営業一課長補佐が校務支援システムの概要やシステムの活用法、学校現場で実証されている効果などについて事例を紹介し、解説した。 

(道・道教委 2017-11-30付)

その他の記事( 道・道教委)

道教委の「北海道150年」関連事業 教育の歴史テーマに資料発行 映像資料活用した移動上映会など

 道教委は、来年の「北海道百五十年」に向け、関連事業を計画している。「北海道」命名百五十年を迎えるのに当たって、道教委所管の関連事業を学校教育、生涯学習・社会教育、文化芸術の分野別に計画。北...

(2017-12-01)  全て読む

文科省・つながる食育推進事業 正しい生活習慣の確立を 静岡産業大・小澤副学長が講演―七重小で開催

つながる食育事業講演会  【函館発】文部科学省委託「つながる食育推進事業」・二十九年度七飯町PTA連合会研究大会・学校給食普及充実事業講演会が十一月十二日、七飯町立七重小学校で開かれた。道教委と七飯町P連の主催で、...

(2017-12-01)  全て読む

顔描かれた石製品出土 木古内町幸連五遺跡調査で―道埋蔵文化財センター発表

 道埋蔵文化財センターは十一月二十九日、木古内町幸連五遺跡の発掘調査で出土した「黒色顔料で人の顔が描かれた石製品」の概要を発表した。縄文時代の石製品で、黒色顔料を用いて人の顔が描かれているも...

(2017-12-01)  全て読む

道教育推進会議高校専門部会 今後のCS実践に期待 高校づくり指針素案で協議

道教育推進会議高校専門部会  第八回道教育推進会議高校専門部会が二十八日、道庁別館で開かれた。「これからの高校づくりに関する指針」素案に対する「意見を聞く会」やパブリックコメントの意見をもとに協議。参加した委員からは、...

(2017-11-30)  全て読む

道いじめ防止基本方針改定素案―道教委 内容を明確化・具体化 学校や教職員の責務など

 道教委は「道いじめ防止基本方針」改定素案を取りまとめた。いじめが解消した状態を定義付け、判断基準を明確にしたほか、いじめを認知した場合の学校の責務として、加害児童生徒に「いじめの非に気づか...

(2017-11-30)  全て読む

31年3月まで臨時休館延長 石綿除去で道立図書館

 道立図書館は、臨時休館を延長する。十月十八日に一般資料閲覧室のアスベストを含む天井材の一部に剥離を発見。施設利用者や職員の安全を考慮して、全面的なアスベスト除去工事を実施する。休館は、工事...

(2017-11-30)  全て読む

第4次読書活動推進計画素案―道教委 新たな目標指標を追加 学校図書館の図書標準達成など

 道教委は、道子どもの読書活動推進計画(第四次計画)素案を取りまとめた。計画期間は三十年度から三十四年度までの五年間。活動推進のための方策として「家庭・地域・学校等を通じた社会全体での子ども...

(2017-11-29)  全て読む

本道の「教員育成指標」案 段階別に必要な能力提示 年内めど決定へ―道教委

 道教委は、北海道における「教員育成指標」案を取りまとめた。校種や職種に共通の基本的指標「教員育成指標スタンダード」と、四つの校種別、二つの職種別の指標を作成。指標は、横軸に養成など四段階の...

(2017-11-29)  全て読む

本道一体で取組推進 柴田教育長コメント

 道教委の柴田達夫教育長は二十七日、『二十九年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書』公表に当たり、つぎのとおりコメントを発表した。           ◇          ◇   ...

(2017-11-28)  全て読む

29年度全国学力調査の成果・課題 小中教育の円滑な接続を 改善に向けた取組など提起―道教委

 道教委がまとめた『二十九年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書』では、調査結果の分析・検証を踏まえ、本道の成果と課題、改善の方向性を提起した。各種会議を合同で開き、育成すべき資質・能...

(2017-11-28)  全て読む