道いじめ防止基本方針改定素案―道教委 内容を明確化・具体化 学校や教職員の責務など(道・道教委 2017-11-30付)
道教委は「道いじめ防止基本方針」改定素案を取りまとめた。いじめが解消した状態を定義付け、判断基準を明確にしたほか、いじめを認知した場合の学校の責務として、加害児童生徒に「いじめの非に気づかせ、いじめを受けた児童生徒への謝罪の気持ちを醸成させる」ことを追加。教職員の責務では、いじめを発見または相談を受けた場合、速やかに学校いじめ対策組織に報告、記録して組織的な対応につなげることとするなど、基本方針の全体を見直し、内容を明確化・具体化した。年度内に改定する。
二十六年施行の「道いじめの防止等に関する条例」で、条例施行から三年を目途に必要な措置を講じることが定められていることから、改定するもの。十月に開いた二十九年度「どさんこ☆子ども全道サミット」をはじめ、道(地域)いじめ問題対策連絡協議会、道いじめ問題審議会における意見を反映させた。
追加・修正した主な内容をみると、いじめの定義にかかわり、けんかやふざけ合いであっても、背景にある事情を調査し、児童生徒の被害性に着目して、いじめに該当するか否かを判断することを追加。ささいにみえる行為でも「表には現れにくい心理的な被害を見逃さない姿勢で対応する」こととした。
項目として「いじめの解消」を追加。いじめが解消している状態とは「いじめにかかる行為がやんでいる」「被害児童生徒が心身の苦痛を感じていない」ことであると定義付け、判断基準を明確にした。解消している状態に至っても、再発の可能性やいじめを受けたことによる心理的な影響を踏まえ、被害児童生徒と加害児童生徒を日常的に注意深く観察する必要があるとした。
学校の責務では、いじめを認知した場合、加害児童生徒に対し「いじめの非に気づかせ、いじめを受けた児童生徒への謝罪の気持ちを醸成させる」ことを追記。
教職員の責務では、いじめを発見または相談を受けた場合、速やかに学校いじめ対策組織に報告、記録して組織的な対応につなげること、対策組織で情報を共有し、組織的な対応方針のもと、被害児童生徒を徹底して守り通すことなどを付け加えた。
道の責務では、道立学校に対し、いじめを訴えやすいようなアンケート調査を工夫・改善することや、調査実施後に関係児童生徒に対する個人面談を必ず実施することなどを指導するとした。
また、市町村で地方いじめ防止基本方針が策定されていない場合、その理由を把握し、策定の必要性を説明して、理解を促すことや、必要な支援を行い、策定を促進すると、対応内容を明確化した。
学校いじめ防止基本方針については、策定の意義や中核的な内容を明確化。内容として、学校いじめ防止プログラムや早期発見・事案対処マニュアルの策定、加害児童生徒が抱える問題を解決するための具体的な対応方針などを盛り込んだ。
また、取組目標の設定と学校評価における達成状況の評価を行うとした。
さらに、策定や見直しの際に児童生徒の意見を取り入れ、より分かりやすい方針となるよう努めること、方針の内容を児童生徒や保護者、関係機関などに説明することなども明記した。
今後、パブリックコメントや道議会での議論などを踏まえ、年度内に改定する。
(道・道教委 2017-11-30付)
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