道教委の「北海道150年」関連事業 教育の歴史テーマに資料発行 映像資料活用した移動上映会など(道・道教委 2017-12-01付)
道教委は、来年の「北海道百五十年」に向け、関連事業を計画している。「北海道」命名百五十年を迎えるのに当たって、道教委所管の関連事業を学校教育、生涯学習・社会教育、文化芸術の分野別に計画。北海道の教育の歴史を分かりやすく伝える資料『未来へ伝えよう!北海道教育の歩み』の発行、デジタル映像資料を活用した移動上映会の実施、道内美術館などのネットワーク化を進める「アートギャラリー北海道」の展開に伴う特別展の開催などを予定している。
来年は「北海道」命名百五十年を迎える節目の年。道は、道民・企業・団体などが一体となって次代の北海道づくりを継承する「北海道百五十年事業」として、様々な事業を計画している。
道教委も「次代を担う子どもたちが先人の歴史を振り返り、その偉業に感謝しながら、これからの本道の発展を支える人材として成長していくことは重要」との考えから、事業の趣旨を踏まえた関連事業を計画。
ことしを準備・周知・プレ開催期間と位置付け、三十年に道教委所管の関連事業を①学校教育②生涯学習・社会教育③文化芸術―の分野で実施する。
①では、北海道の教育の歴史を子どもや道民に分かりやすく伝える資料『未来へ伝えよう!北海道教育の歩み』を来年三月に発行するほか、北海道版道徳教材『きた ものがたり』中学校版と教師用指導資料の作成と活用促進などに取り組む。
②では、本年度の新規事業「ふるさと映像資料等活用促進事業」で制作したデジタル映像資料を各学校の教育活動、図書館・公民館の生涯学習講座などで活用。実施希望市町村を募り、戦後開拓の様子や一九六〇年代の様子を記録したDVDを上映する移動上映会も計画している。
このほか、道立図書館北方資料室の音源資料を使って北海道の歴史をたどる道民カレッジ連携講座、北海道百五十年にまつわる講演会、子どもの暮らしや遊びで北海道史をたどる資料展示の実施を予定している。
③では、道内美術館などのネットワーク化を進める「アートギャラリー北海道」を展開。
道立近代美術館では、来年一月以降に開催する常設展と特別展展覧会に「北海道百五十年事業」の冠を付すことを予定している。道立帯広美術館では、北海道博物館、三重県総合博物館と共同し、松浦武四郎に関連した特別展を実施するなど、様々な特別展やコンサートの実施を検討している。
道教委は、十一月二十九日付で北海道百五十年を踏まえた関連事業の実施等について、各教育局長、所管機関長、市町村立学校長に対して通知。事業の趣旨に沿った取組を積極的に展開するよう理解と協力を求めた。
今後、実施時期や内容に関する詳細な検討を行い、新たな取組を盛り込んでいく予定。
◆「北海道150年」関連事業―道教委計画分
道教委が計画している「北海道百五十年」関連の主な予定事業はつぎのとおり(①概要②実施予定時期③場所)。
▼学校教育
▽北海道版道徳教材作成事業=①二十九年五月に「北海道」の名付け親である松浦武四郎など、本道にゆかりのある十六人の人物を題材とした北海道版道徳教材『きた ものがたり』(小学校高学年用)を作成し、Web上で公開する。道徳の授業や「北海道みんなの日」に関連した教育活動への活用を促進する。さらに、今後、同教材を道内の図書館などへ配布し、地域や家庭における活用を促進。中学校版『きた ものがたり』および教師用指導資料を作成し、同様に活用促進を図る②二十八~三十年
▽『未来へ伝えよう!北海道教育の歩み』の発行=①北海道の教育の歴史を子どもたちをはじめ、広く道民に分かりやすく伝える②三十年三月
▼生涯学習・社会教育
▽連続講座「映像によみがえる北海道」(道民カレッジ連携講座)=①ふるさと映像資料等活用促進事業で作成したデジタル映像を使用し、北海道の近現代史を映像で振り返る講座を実施②十一月~三十年二月③道立教育研究所
▽北海道百五十年記念・移動上映会=①実施希望市町村を募り、北海道の戦後開拓の様子や該当市町村の一九六〇年代の様子を記録したDVD(ふるさと映像資料)を上映②三十年六~九月③市立小樽図書館ほか
▽資料展示「北海道の百五十年をふりかえる」=①道立図書館北方資料室所蔵資料で、北海道命名から現在までの百五十年の歴史をたどる展示を実施②三十年七~八月ころ③調整中
▽北海道百五十年記念・コンサート「“音”でたどる北海道の歴史」(道民カレッジ連携講座)=①道立図書館北方資料室所蔵のレコードや録音テープ、歴史的音源(国立国会図書館)などを活用し、音源資料で北海道の歴史をたどる講座を実施②三十年九月ころ③道立教育研究所
▽資料展示「子どもたちの北海道~明治から平成まで~」=①子どもの暮らしや遊びでたどる北海道史について、子どもたちにも分かりやすく紹介する展示を実施②三十年十一~十二月ころ③調整中
▽北海道百五十年記念・資料で語る北海道の歴史講演会=①北海道史の専門家、または各界の著名人を講師に招き、北海道百五十年にまつわる講演を実施②三十年十一月ころ③道立教育研究所
▽地域の「よさ」(歴史・文化・食・自然環境など)を学ぶ事業(未定)=①道立青少年体験活動支援施設ネイパル六施設において、地域の「よさ」(歴史・文化・食・自然環境)を学ぶ事業を実施②検討中③ネイパル六施設
▼文化芸術
▽近美コレクション(常設展)=①三十年一月以降に開催する展覧会において、「北海道百五十年事業」の冠を付す②三十年一~十二月③道立近代美術館
▽近美特別展=①三十年一月以降に開催する展覧会において「北海道百五十年事業」の冠を付す②三十年一~十二月③道立近代美術館
▽三岸好太郎美術館音楽祭=①三岸好太郎の代表作(オーケストラ)にちなんでプロの音楽家によるコンサート、音楽家を目指す若手によるミニ・リサイタルを実施②三十年③道立三岸好太郎美術館
▽三岸好太郎美術館展覧会=①若くして才能を発揮した三岸好太郎にちなんで、北海道の若手美術家を紹介する展覧会を実施②三十年二~四月③道立三岸好太郎美術館
▽旭川美術館特別展=①松浦武四郎ゆかりの地・音威子府村に関連させ、同館で所蔵している木の造形コレクションおよびほかの美術館などから作品を借用した展覧会を開催②三十年十一月十四日~三十一年一月十四日③道立旭川美術館
▽函館美術館特別展=①同館が所蔵する道南の美術コレクションや、地元自治体、民間、個人が所蔵する優れた文化財を展示②三十年四~六月③道立函館美術館
▽特別展「松浦武四郎」=①北海道博物館、三重県総合博物館との共同企画として開催②三十年十二月十五日~三十一年二月十一日③道立帯広美術館
(道・道教委 2017-12-01付)
その他の記事( 道・道教委)
次期学習指導要領の趣旨理解 道高校教育課程研究協議会―道教委
道教委は四日から二日間、札幌市内の道第二水産ビルで道高校教育課程研究協議会を開いた。公・私立高校の校長、副校長、教頭、教諭約百六十人が参加。説明や分科会協議を通して、次期高校学習指導要領の...(2017-12-06) 全て読む
石狩局が保護者向け学習会開く ネットから子ども守ろう トラブル事例で対策学ぶ
石狩教育局は十一月三十日、札幌市立新陽小学校で子どもたちをネットトラブルから守るための保護者向け学習会を開いた。保護者八人が参加。ネットトラブルに関する説明と交流を通して、スマートフォンや...(2017-12-06) 全て読む
道小・中教育課程編成協議会―道教委 授業改善に向け研鑚積む 教科部会ごとに演習・協議
道教委は十一月三十日から二日間、札幌市内の道自治労会館などを会場に道小・中学校教育課程編成協議会(Eブロック)を開いた。初日の全体会では、教育の動向や学力向上などに関して説明。二日目は「生...(2017-12-04) 全て読む
道の「北海道150年事業」計画 8月5日に札幌で記念式典 7~8月に「150年ウィーク」
道は「北海道百五十年事業」事業計画原案を取りまとめた。来年八月五日、札幌市内の道立総合体育センターで記念式典を挙行するほか、七月十四日~八月二十八日を「百五十年ウィーク」と定め、道内各地の...(2017-12-04) 全て読む
道教委 道中学校教育課程編成協議会 説明・演習・協議通じ研鑚 新学習指導要領の理解深化
道教委は十一月二十七日から二日間、札幌市内の道第二水産ビルで道中学校教育課程編成協議会を開いた。石狩・空知・後志管内の中学校教諭約百三十人が参加。説明や演習、協議を通して、新学習指導要領の...(2017-12-04) 全て読む
文科省・つながる食育推進事業 正しい生活習慣の確立を 静岡産業大・小澤副学長が講演―七重小で開催
【函館発】文部科学省委託「つながる食育推進事業」・二十九年度七飯町PTA連合会研究大会・学校給食普及充実事業講演会が十一月十二日、七飯町立七重小学校で開かれた。道教委と七飯町P連の主催で、...(2017-12-01) 全て読む
顔描かれた石製品出土 木古内町幸連五遺跡調査で―道埋蔵文化財センター発表
道埋蔵文化財センターは十一月二十九日、木古内町幸連五遺跡の発掘調査で出土した「黒色顔料で人の顔が描かれた石製品」の概要を発表した。縄文時代の石製品で、黒色顔料を用いて人の顔が描かれているも...(2017-12-01) 全て読む
道教育推進会議高校専門部会 今後のCS実践に期待 高校づくり指針素案で協議
第八回道教育推進会議高校専門部会が二十八日、道庁別館で開かれた。「これからの高校づくりに関する指針」素案に対する「意見を聞く会」やパブリックコメントの意見をもとに協議。参加した委員からは、...(2017-11-30) 全て読む
道いじめ防止基本方針改定素案―道教委 内容を明確化・具体化 学校や教職員の責務など
道教委は「道いじめ防止基本方針」改定素案を取りまとめた。いじめが解消した状態を定義付け、判断基準を明確にしたほか、いじめを認知した場合の学校の責務として、加害児童生徒に「いじめの非に気づか...(2017-11-30) 全て読む
道教委が業務改善加速事業研修会―文科省委託事業 意識改革とセットで 文科省・梅﨑参事官補佐講演
【旭川発】道教委は二十七日、東神楽町総合福祉会館で文部科学省委託事業「学校現場における業務改善加速事業」の一環として、学校における業務改善研修会を開いた。事業モデル地域の教委職員や指定校教...(2017-11-30) 全て読む