北翔養護が特別優秀賞を受賞 29年度省エネ・新エネ大賞 教職員考案の省エネ手法に高い評価(学校 2018-02-14付)
矢田教頭(右)が表彰状と記念品を受け取った
札幌市立北翔養護学校(佐藤昌弘校長)は、二十九年度北国の省エネ・新エネ大賞の特別優秀賞を受賞した。児童生徒の生活環境維持と省エネに取り組んだことが評価されたもの。表彰状を受け取った矢田春義教頭は「多くの方の協力で受賞することができた」と感謝していた。
表彰は、北海道における省エネルギー・新エネルギーに関する開発、有効利用および普及に関し、著しい成果および功績があるなど、他の模範となる人を表彰し、エネルギーの高度利用の促進および技術の向上ならびに地域の振興を図ることが目的。道経済産業局などが主催となっている。
重度重複障がいがある児童生徒が通う同校では、安全確保や生活環境面での配慮のため、冷房やロードヒーティングなどの使用によるエネルギー使用量(環境負荷)が多くなりがちとなっていた。このため、教職員一丸となって生活環境を維持しながらもエネルギー使用量を削減することに取り組み、生活環境維持と省エネの両立を実現。設備投資によらず、札幌市教委との連携のほか、教職員自ら省エネ手法を考えて実践したことが評価され、特別優秀賞を受賞することとなった。
七日、京王プラザホテル札幌で行われた表彰式では道経済産業局の児嶋秀平局長があいさつ。表彰の趣旨を説明したほか、同校の取組について「カーテンの開け閉めなど地道な活動や、床暖房に冷水を回すことで夏場の冷房エネルギーの削減を図るといった創意工夫を積み重ねている点は、家庭や他の事業所にも大いに参考になる」とたたえた。
続いて、児嶋局長から矢田教頭に表彰状と記念品が授与された。特別優秀賞について矢田教頭は、教員一人ひとりの取組の積み重ねのほか、市教委担当者のアドバイスなどにふれ「多くの方の協力で受賞することができた」と感謝した。
表彰式のあとに行われた省エネシンポジウムでは、同校の阿部優教諭と神彩子教諭が「子どもの健康を守るエネルギー削減プロジェクト」について説明した。重度重複障がいがある児童生徒の安全確保などがあるため、エアコンや床暖房、温水プールなどの使用による環境負荷が高いことを説明。子どもの安全と笑顔を守りながら、ガス使用量の削減に取り組んだことを紹介した。
窓・カーテンの有効活用や床冷房、雪かき、ボイラーの間引き運転によってガス使用量を毎年三割以上削減したことを報告。午前七時に体育館の窓を開けて冷風を取り入れることで温度を下げ、エアコンの使用時間を短縮したことや、市教委関係者のアドバイスから、床暖房のパイプに水を入れて床冷房とすることで温度を下げ、ガスの使用量を削減したことを紹介した。
また、ボイラー二台を一日フル稼働させていたことから、三年間にわたってボイラー稼働時間とプールの水温などを記録。検証の結果、ボイラーの稼働時間を一日当たり十二時間削減できたことを報告。これらの取組によって、三年間で一千三十七万円のガス使用金額を節約できたことを説明した。
まとめとして、床冷房という新しい発想について、他職種との連携の重要性を強調。ボイラーの取組については、日々の業務を振り返り、見直す勇気の必要性を挙げた。
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阿部教諭と神教諭が同校の取組について説明した
(学校 2018-02-14付)
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