釧路総振局・道教大釧路が覚書締結　地域防災力向上目指す　連携し防災教育を普及・啓発

（学校 2018-03-06付）

覚書を交わした築地原局長（左）と玉井キャンパス長

　【釧路発】釧路総合振興局と道教育大学釧路校は、防災教育の普及・啓発に関する覚書を締結した。防災分野における地域防災力の向上と防災教育の発展に寄与する人材育成を目的としており、平常時における防災教育に関する覚書の締結は、北海道では初めて。釧路校の学生が卒業後、沿岸部の学校など赴任先で地域の防災力を高めることを目指す。一日に道教育大釧路校で調印式を行い、玉井康之キャンパス長は、認定資格を受けた学生が子どもの命を守る担い手として活躍するよう期待した。

　地域の存在を危うくする甚大な災害が起きた際、教職員には子どもの命を守り、避難所を効率的に設置し、早期に学校を再開することが求められる。

　釧路校の学生が卒業後、へき地や沿岸部の学校へ赴任することが想定されることから、学生のうちに防災教育の意識向上が必要と考え覚書を締結した。

　覚書では、持続可能な社会の実現を目指し、防災分野における地域防災力の向上と防災教育の発展に寄与する人材を育てることを目的に掲げている。

　具体的には、道が認定している北海道版の避難所運営ゲーム（Ｄо はぐ）を普及する「Ｄо はぐマスター認定講座」、災害図上訓練（ＤＩＧ)の普及などを行う「地域防災マスター認定研修会」を三・四年生向けに年一回程度大学で開く。ことしすでにＤо はぐマスター認定講座を受けた約四十人の学生が認定される見込み。

　今後、学生が学校や地域のイベントでＤо はぐなどを活用して地域防災力の向上を推進するほか、災害時のボランティア活動も展開。また、大学で行う教員免許更新講習でも防災教育に関する講座を開く。

　一日に道教育大釧路校で行われた調印式では、釧路校の玉井キャンパス長と釧路総合振興局の築地原康志局長が覚書を交わした。

　玉井キャンパス長は「災害時に子どもたちが住民を支え、自分から行動できるような予防教育が大切」と述べ、平時における防災教育の必要性を強調。認定資格を受けた学生が赴任先で子どもの命を守る担い手として活躍するよう期待を込めた。

　築地原局長は釧路沖で大地震が起こる可能性が高いことが示されたことについてふれ「地震・津波から避難する際や、避難所運営の初動では自助・共助が重要」と災害時における教職員や児童生徒の果たす役割の大きさを指摘。北海道初の覚書締結をきっかけに防災意識の向上が北海道全体に広がるよう期待した。

(学校 2018-03-06付)