全道大会の成果など共有　道エネルギー環境教育研が研修会

（関係団体 2018-02-22付）

大会報告のほか、実践発表や講演も行われた

　道エネルギー環境教育研究委員会（榎並典昭委員長）は十七日、ホテルライフォート札幌で全体研修会を開いた。二十九年十一月に札幌市内で開かれた第七回道エネルギー環境教育研究大会札幌大会の研究授業や分科会の成果、大会終了後の実践内容などを共有した。

　約四十人が参加した全体研修会では、開会に当たって、榎並委員長があいさつ。近年、エネルギーをめぐる状況が変わってきていることにふれ「将来ある子どもたちがこれから生きていくために必要な知恵や知識、考え方を授業の中で伝えていくことが必要」と指摘。「これからの未来を考えながら、技術の進歩だけではなく、それに伴って必要なものは何なのか、どのように生きていかなければならないのかを考えていくことが本研究委員会の趣旨ともつながっていく」と述べた。

　森山正樹研究部長が第七回全道大会について報告。エネルギー環境教育の定義（目標）として「人間生活を支えるエネルギーの学習を通じて、それにかかわる環境について学ぶ」、指導上の視点として「具体的な事実」「現象にふれる」「かかわりに気づく」を挙げた。その上で「エネルギー環境教育の定義に基づいた系統的な学習の中で指導上の三つの視点を重視し、子どもたち自らの学びを位置付けた授業展開を構築することによって感性が磨かれ、エネルギー問題・環境問題を自分事としてとらえ、その解決のために自ら意志を決定し、足もとから行動できる児童生徒が育成される」との仮説のもと、研究実践を進めたことを説明した。

　また、小学校二本、中学校四本の研究授業、分科会の内容を報告。「定義、指導上の視点、研究仮説を強く意識した授業づくりができていた」などの成果を挙げた。

　続いて、大会の授業者三人が大会終了後の実践を報告。「子どもたちが一つの単元で身に付けたものの見方や考え方を、ほかの単元や教科でも生かしていくことが大事。学んだことが世の中とどのようにつながっているのかを考えさせたい」などと述べた。

　そのあと、北海道大学の杉山憲一郎名誉教授が「粘土の機能と環境教育」をテーマに実践発表。また、北海道大学の太田幸雄名誉教授が「地球温暖化のメカニズムとエネルギー環境教育」と題して講演した。

(関係団体 2018-02-22付)