働き方改革へ指導力発揮を 道中理事研で古谷会長あいさつ
(関係団体 2018-02-21付)

 十六日に開かれた道中学校長会の二十九年度第六回理事研修会における古谷雅幸会長のあいさつ概要はつぎのとおり。

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 「つなぎあい 前に進む 道中」をキャッチフレーズとして活動を推進してきた本年度の道中も、本日の理事研修会で、二十九年度の活動のほとんどを締めくくることとなった。創立七十周年という節目の年を、副会長や地区理事の皆さん、そして事務局に携わってくださった校長とともに前に進むことができことに、まずもって感謝申し上げる。

 私自身、本年度は会長という立場で、後志地区、石狩地区の教育経営研修会、道東六地区の五ブロック研修会、空知・胆振・日高地区の四ブロック研修会に参加させていただいた。それぞれの地区が抱えている課題に真摯に向き合っている多くの校長と交流させていただいたが、私は「オール北海道」という言葉の意味を再認識させられた思いでいた。校長という職責を担っている者同士が「つながっている」という実感をもつこと。そのことが、組織にとってどれほど大きいものなのかということを、あらためて感じた。

 さて、本年度を振り返ると、真っ先に思い出されるのが「道中学校長会創立七十周年記念第五十九回道中学校長会研究大会石狩・千歳大会」である。全道各地から三百三十人に及ぶ会員が参加し、記念式典など特別なものもあったが、大変充実した大会だった。大会成功のために尽力いただいた石狩管内小中学校長会の校長ならびに関係者の皆さんに、あらためて感謝申し上げる。

 冒頭でふれたが、八月一日の上川地区・小樽地区からスタートした地区別教育経営研究会についても、校長の職能向上に資する充実した研究会となった。尽力いただいた経営部の皆さんと各地区関係者の皆さんにお礼申し上げるとともに、今後もより充実した研究会になるよう願う。

 それでは、教育情勢に関して少しだけふれさせていただく。昨年十月、「その先の道を切り拓く北海道人」と示された「新しい北海道総合教育大綱」が発表された。それを受ける形で「新しい北海道教育推進計画」など、様々な教育施策の計画立案がなされ、本年度中にそのほとんどが明らかになってくる。

 また、今月十四日には高校の学習指導要領が公表された。高大接続改革をスタートにして改訂されてきた新学習指導要領も、これで一段落になることと思う。四月からは、中学校でも移行措置が始まり、いよいよ本格的に「学びに向かう力、人間性」を涵養しつつ、「主体的・対話的で深い学び」を通した授業改善をもとに、社会に開かれた教育課程実現のためのカリキュラム・マネジメントに取り組まなければならない。それぞれの教育局、市町村教委からも多くの資料が提示されているとは思うが、校長会の中でもしっかりと交流し合い、滞りなく進めていきたい。

 先月開催された全日中第三回理事会のあとに開催された情報交換会の場で、あいさつに立った文部科学省初等中等教育局の高橋局長は「指導要領の告示も終わり、文部科学省は学校の働き方改革に本腰を入れていく」と話していた。皆さんもご存じと思うが、道教委は、学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」を、もう間もなく正式に公表する予定である。昨日、私は第四回時間外勤務等縮減推進会議で、このアクション・プランに関して議論する場に参加させていただいた。「道内のすべての学校が働き方改革を進めるため、道教委が策定し、市町村教委の取組を促すもの」という性格付けをした、このアクション・プランでは、三十二年度までの三年間、「一週間当たりの勤務時間が六十時間を超える教員を全校種でゼロにする」という当面の目標を設定している。

 この目標を達成するために四点の指標として、①部活動休養日を完全に実施(年間七十三日)している部活動の割合を一〇〇%にする②変形労働時間制を活用している学校の割合を一〇〇%にする③定時退勤日を月二回以上実施している学校の割合を一〇〇%にする④学校閉庁日を年九日以上実施している学校の割合を一〇〇%にする―を示している。

 これら四つの指標も、三十二年度までの三年間のものではあるが、私たち校長にとっては、学校改善の大きな指標として新年度の経営案にしっかりと示しながら、教員の意識改革も進めていかなければならない。例えば、できるだけ早く退勤することは学校の電気料金を削減することにつながり、その経費を校舎改築等の本当に必要な経費として運用することも可能になるなど、働き方改革がもたらすメリットも示しながら、リーダーシップを発揮することも必要になると思っている。

 本日はこのあと、本年度の活動の総括と新年度の運営方針など審議していただく。副会長の皆さんには副会長研修会から、また理事の皆さんには専門部研修会に引き続きの理事研修会となるが、「オール北海道」をより強く意識しながら、新年度につながる理事研修会になることを願っている。

(関係団体 2018-02-21付)

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