人格の完成目指す学校へ 信岡中央執行委員長あいさつ
(関係団体 2018-03-12付)

北教組臨時大会・信岡委員長あいさつ
信岡中央執行委員長は教職員の超勤解消、組織力強化拡大を呼びかけた

 北教組の第百二十九回臨時大会における信岡聡中央執行委員長のあいさつの概要はつぎのとおり。

          ◇          ◇          ◇

 北教組は、昨年六月の定期大会以降、今日まで学習指導要領の改訂、賃金抑制や査定・評価など、教育内容へ詳細に介入し、管理統制と差別・分断を図り、超勤・多忙化を加速させる攻撃に対し、組織一丸となってたたかってきた。

 このたたかいの中で、北教組の組織力を内外に示し、今後のたたかいへの足がかりとすることができたことは大きな成果と言える。全道の組合員・退職者の皆さんの奮闘にあらためて感謝申し上げる。

 安倍首相はことしを「憲法改正に向けた国民的議論を一層深める年」として「九条への自衛隊加憲」をはじめ参議院選の合区解消や教育の無償化、緊急事態条項創設などの改憲発議をことし中に進めようと、与党での取りまとめを急いでいる。

 北朝鮮の危機をあおり、明文改憲へと突き進み、軍事大国化を目指す動きは戦争への道を突き進むものと言わざるを得ない。安倍政治にストップをかけ、国民の側に立つ政治を取り戻さなければならない。

 こうした動きと一体に、学習指導要領が改訂され、点数学力と国家道徳を徹底する政策が強化されようとしている。その前倒しによる教育課程の一層の過密化、多忙化とともに、四月からは小学校で「特別の教科 道徳」が導入され、国に都合のよい価値観を植え付け、評価によって子どもの内面に踏み込むことが危惧される。

 政府主導の政策は、子どもたちを追い詰め、いじめ・不登校が過去最多となる状況が示すように、苦悩を一層深刻化させている。今、私たちは、子どもたちの叫びにどう向き合うかが問われている。

 私たちはこれまで、多様な考えをもつ子ども一人ひとりの存在を認め、寄り添い、今を生きることが将来の生き方につながり、学ぶことと生きることのかかわりを、日常のふれ合いの中で培ってきた。あらためて、憲法や子どもの権利条約の理念に基づく、人権や民主主義を根付かせる教育を強化し、自らが主権者であることを自覚し、社会を変えていくという意思が生み出される「人格の完成」を目指す学校づくりを進めていこうではないか。

 そのため、学校改革・教育課程自主編成推進委員会の本報告、自主編成講座などを活用し、全道すべての分会で組織的に学び、学ぶ喜びと希望を育む、創造力溢れる実践を進めていくことが必要である。

 先月、北教組の国際交流で各支部の代表とともに、オーストリアの教職員組合や義務教育学校を訪問した。教職員の勤務は週四十時間、そのうち二十二時間は授業など学校での勤務で、残りの十八時間は授業準備や研修など自宅での勤務も認められ、個々の自主性・主体性など裁量が大きく保障されていた。

 あらためて、参加者一同、あるべき勤務や教育条件を目指す決意を新たにした次第である。

 北教組は一月の道教委交渉で、やむを得ず行っている超勤解消に向け、現場実態に基づき「割り振り変更の要領」の対象を「道立校の入試選抜」「PTA」にかかわる業務に拡大させ、「割り振りの決定」を実質的に「前日」まで短縮させる、制度改善を勝ち取ることができた。

 一方で、道教委が策定した「アクション・プラン案」は「長期休業中の学校閉庁日」「部活動休業日」などが盛り込まれたものの、国追随で具体性がなく、実効性あるものとなっていない。引き続き交渉を強化し、現場の要求に沿うものとさせていかなければならない。

 また、定数改善と併せ、教職員の自発的な勤務に頼り、無制限・無定量な働き方を合法化している給特法をはじめとした法制度の見直しが最大の課題である。六月の中教審最終報告に向け、院内外の取組を強化していく必要がある。

 年度代わりに向け、私たちは第一に、憲法改悪を断じて許さず、憲法を守り生かすため、道民運動を強化すること、第二に、超勤解消に向け、給特法見直し・定数改善など抜本的な勤務・教育条件改善を実現すること、第三に、改訂学習指導要領に対峙し、子どもたちの人権を守り、主権者を育む実践を強化すること、第四に、こうした取組を組織強化拡大につなげ、未組織者の全員加入を実現することを重点に運動を進めることが重要である。

 最後に、私たちは安倍政権が「九条改憲」に突き進む中で、「教え子を再び戦場に送るな!」の決意を新たに、憲法に保障された平和の意味を問い直し、断じて戦争を許さず、平和憲法を守る運動を進める一年としなければならない。

(関係団体 2018-03-12付)

その他の記事( 関係団体)

奥村会長(静内中)を再任 日高地区校長会が定期総会 学校の組織化目指し研修充実

日高地区校長会総会  【浦河発】日高地区校長会は三月上旬、新ひだか町内のホテルローレルで三十年度定期総会を開いた。管内の小・中学校長約四十人が出席。「日高管内の教育課題の解明・解消と職能向上を目指し、積極的に提...

(2018-03-20)  全て読む

札幌市中学校長会が記念誌発行 中学校教育70年の節目に

 札幌市中学校長会(土佐林仁会長)は、『札幌市中学校教育七十年』記念誌を発行した。  中学校教育七十年の節目に当たって、六十年の記念誌以降の同会の活動内容と、教育内容の変遷をまとめたもの。...

(2018-03-15)  全て読む

初等教育研究会札幌市算数支部 研究大会で授業公開、協議など 今後の学び考える機会に

初等教育研究会研究大会  初等教育研究会札幌市(算数)支部(松村聡支部長)は十日、札幌市立北九条小学校で第十七回研究大会を開いた。道内の教職員のほか、道外の関係者など約二百十人が参加。大会テーマ「新指導要領で授業の...

(2018-03-15)  全て読む

道P連が広報紙コンクール表彰式 3PTAに大賞の栄誉 全道150点から18点入賞

道P連広報誌コン  道PTA連合会(青田基会長)は九日、ホテルポールスター札幌で第三十五回全道PTA広報紙コンクール表彰式を挙行した。札幌市を除く道内の小・中学校から約百五十点の応募があり、十八点が入賞。大賞...

(2018-03-13)  全て読む

北教組2018年度「たたかいの具体的な進め方」

 北教組第百二十九回臨時大会で決定した「たたかいの具体的な進め方」の概要はつぎのとおり。 【憲法の改悪に反対し、違憲の「戦争法」・改悪教育基本法の撤廃を基本に「教育基本法を元に戻す」運動を...

(2018-03-12)  全て読む

北教組が第129回臨時大会開く 教育格差是正など決意 信岡委員長を再選

北教組臨時大会  北教組は六日、札幌市内の道教育会館で第百二十九回臨時大会を開いた。教育の国家統制への反対、教育格差是正、教職員の超勤・多忙化の解消などを盛り込んだ「当面闘争推進ならびにスローガン」を決定。...

(2018-03-12)  全て読む

札幌市小学校長会が3月総会開く 新会長に鈴木校長(東苗穂)選出 30年度活動の重点を確認

札幌市小学校長会総会・研修会  札幌市小学校長会は八日、ホテルライフォート札幌で三月総会・研修会を開いた。「学校経営の充実」など三十年度の活動の重点を示したほか、共同研究主題「未来を創造する札幌人を育成する豊かで確かな小...

(2018-03-12)  全て読む

第36回道高校数学コンテスト 最優秀賞に山本さん(釧路湖陵高) 表彰式挙行、生徒との懇談も―道算数数学教育会高校部会

 道算数数学教育会高校部会(部会長・嶋岡裕泰札幌稲雲高校長)は三日、札幌静修高校で第三十六回道高校数学コンテスト表彰式を行った。最優秀賞に当たる道教育長賞は、釧路湖陵高校二年の山本佳和さんが...

(2018-03-12)  全て読む

川村委員長を再任 道教組の新年度役員決まる

 道教組第三十一回定期大会では役員選挙を行い、川村安浩執行委員長を再任した。  新年度役員はつぎのとおり。     =敬称略= ▽執行委員長=川村安浩(空知教組) ▽執行副委員長=新保...

(2018-03-09)  全て読む

指導要領乗り越え取組を 道教組・川村委員長あいさつ概要

道教組定期大会川村委員長  道教組第三十一回定期大会における川村安浩執行委員長のあいさつ概要はつぎのとおり。           ◇          ◇          ◇  道教組の定期大会は、毎年三月十一...

(2018-03-09)  全て読む