北教組2018年度「たたかいの具体的な進め方」
(関係団体 2018-03-12付)

 北教組第百二十九回臨時大会で決定した「たたかいの具体的な進め方」の概要はつぎのとおり。

【憲法の改悪に反対し、違憲の「戦争法」・改悪教育基本法の撤廃を基本に「教育基本法を元に戻す」運動を進め、平和・民主・人権・共生・地球環境・自治の教育確立のため「みんなで平和憲法を守り、教育を創る道民運動」を展開するとともに、「学習指導要領」と対決し、自主教研運動をさらに強化するたたかい】

▼「みんなで平和憲法を守り、教育を創る道民運動」を「教育を語る全道二五〇万人対話運動」を基本に、引き続き、全道一斉に取り組む。憲法の改悪に反対し、違憲の「戦争法」・改悪教育基本法の撤廃を基本に「教育関連法」・具体化阻止、改悪教育委員会制度反対、道教委「これからの高校づくりに関する指針(素案)」「公立高校配置計画」等の撤回・再考、義務教育費国庫負担制度改悪阻止に向け、議会意見書採択・地域署名活動・全道・地域集会・中央行動など組織の総力を挙げてたたかう

▽市町村・中学校区・学校区単位の地域対話集会・学習会、お茶懇など「教育を語る会」の開催や学年・学級懇談会、家庭訪問などの機会を活用し、保護者・住民に理解と協力を求め、「子どもの権利条約」「女性差別撤廃条約」「国連障害者の権利条約」の具体化に向け、「学校を変える運動」を強化する

▽「登校拒否・不登校」「いじめ」などに対する取組は、管理主義や体罰を排し、「子どもの権利条約が息づく学校づくり」など、「学校を変える運動」と一体的に強化する。また、文部科学省・道教委による「いじめ」等を口実にした「いじめ防止対策推進法」「条例」に反対し、管理強化や人権侵害などを許さず、「子ども条例」制定など、子どもの権利を保障する社会・教育の実現に向けて道民運動と一体的に進める

▽「日の丸・君が代」強制反対の取組は、地域住民会議、連合、平和運動フォーラムなどと連携を図り地教委・校長に対する要請行動を強化する。また、地域社会において強制を許さない体制づくりを図るため、他労組の組合員との連携を強める中で、地域・保護者との連帯をさらに強化して取り組む

▽教科書採択については、文科省による検定制度に反対し、二〇一八年度中学校「特別の教科 道徳」教科書採択に向けて学習を深め、北政連議員をはじめとする組織推薦議員や連合・平和運動フォーラムなど民主的諸団体と連携して民主的採択を目指す

▽道教委「これからの高校づくりに関する指針(素案)」「公立高校配置計画」等の撤回・再考を求めるとともに、高校入試制度の廃止を基本に、入試選抜制度の改善など、豊かな教育を保障する高校教育改革を目指す全道統一の取組を強化する

▽連合・平和運動フォーラム・道民連合・母女の会などと連携し、「学習指導要領」「日の丸・君が代」強制、「全国学力調査」「教育委員会制度改悪」に反対するなど、憲法・「四七教育基本法」・「子どもの権利条約」の理念に基づく民主教育の実現を目指したたたかいを進める

▼中教審・教課審・教養審・保体審や「教育再生実行本部・会議」など民主教育を否定する「教育改革」に対して、職場討議資料を参考に組織的に批判・検討を行い、差別・選別を徹底する攻撃や教育の国家統制・民営化を許さない取組を強める

▽「特別の教科 道徳」に対抗するため、『学校改革・教育課程自主編成推進委員会 本報告』等を活用し問題点の学習を深め、道徳教育については、全領域を通して人権教育を進めるとともに、「子どもの権利条約」が息づく学校の実現に向け取り組む。また、「道徳教育推進教師」の設置に反対し、実態化を阻止する取組を進める

▽「教員免許更新制」に反対し、凍結・撤廃を基本に、当面、対象者の負担増や失効・失職など不利益とならないよう取組を強化する。また、「免許法」の「見直し」に反対し、問題点を明らかにするとともに、日教組に文科省交渉を強化するよう求め、日政連議員と連携し、院内外の取組を強化する

▽早期の差別・選別、受験競争の低年齢化につながる文科省「小中一貫教育」や義務教育の根幹を覆す「学区の自由化」、学校間競争によって格差を生み出す「学校選択制」の導入に反対する

▽文科省「全国学力調査」、道教委「道高校学習状況等調査」、市町村「学力調査」に反対し、実施中止を基本に、一方的な実施とさせないよう取組を強化する。また、文科省・道教委・市町村教委による「調査結果」の一方的な分析・検証や「学校名を明らかにした結果公表」、点数偏重・競争主義に基づく「学力向上策」、教育課程の内容・方法に不当に介入する「改善」指導等に反対する

▽道教委「ほっかいどう学力向上推進事業」「子どもの生活習慣づくり推進事業」などの「点数学力」偏重の事業に反対し、中止を基本に、受けない・参加しない取組を強化する

▽道教委「学力向上策」による教育内容の介入や「習熟度・能力別学習」「補習」などの押し付けに反対する

▽文科省「体力・運動能力等調査」に反対し、教育課程の変更や、「調査」の分析や検証等に基づく「体力向上策」の強制等を許さず、一方的な実施をさせない取組を強化する。また、日教組に対して文科省交渉を強化するよう求める

▼「学習指導要領」に反対するとともに、新年度に向け、職場教研体制を確立し、私たちが目指す完全学校五日制の確立に向けた教育課程の自主編成を推進する

▼男女平等教育を強化する

▼反核・平和・国際連帯の教育を強化する

▼「日の丸・君が代」の強制に反対するたたかいを強化する

▽卒・入学式の「日の丸・君が代」強制に対しては、教育の自由と子どもや教職員の人権を守るため、「共通理解のもと実施する」などとしたこれまでの道教委の見解や判決・裁決を活用して各級段階の交渉を強化し、日常の職場闘争と一体的に、①保護者や地域住民、労組や学者との連携を強化する②「子どもの権利条約」が息づく学校づくりとともに、子どもを主人公とする卒業式・入学式づくりを進める③不当な調査や職務命令を許さない―ことを重点に「三ない」を唯一の対抗戦術とせず、通年闘争としてたたかう

▼全組織を挙げ第六十七次教研の総括運動を積極的に進め、その成果をすべての職場に還流する。これに基づき第六十八次教研運動に向けての推進体制を確立する

▼各種官制研修には基本的に反対する。また、「自主・民主・公開」の三原則等を勝ち取った段階で批判参加とし、自主的創造的研修の場となるように取り組む

▼「初任者研修」の制度撤廃を目指し、実態化を許さないたたかいを強化する

▼「中堅教諭等資質向上研修」の制度撤廃を目指し、実態化を許さないたたかいを強化する

▼指導主事の学校訪問は、「学習指導要領」の定着・教育内容への介入をねらうものであることから、「呼ばない、呼ばせない」学校体制を確立する

▼しょうがいのある子どもの学習権の完全保障を目指し、文科省「特別支援教育」に反対し、共生・共学の立場で地域や保護者と連帯した運動を進める

▼保護者・子どもの教育要求に基づき、高校入試制度撤廃を基本に豊かな教育を保障する高校教育改革を目指し、運動を強力に展開する

▼「情報化」問題については、教研の成果を活用し、すべての教職員で十分議論し、コンピューターの一方的導入や集中管理に反対する

▼「子どもの権利条約」の理念に基づく人権教育を進めるとともに、アイヌなどの先住民族の人権を確立する教育とアイヌ新法や「アイヌ民族を先住民族とすることを求める国会決議」の趣旨を定着させる取組を進める。在日朝鮮人・中国人および外国人やその子どもたちの人権、教育、進路を保障する取組を強化する

▼保体審や道学校保健会事業について批判学習を進め、「学校保健の管理体制強化」「画一的な健康・体力づくり」などに反対し、「子どもの命と健康」を守るため、全教職員で進める学校保健を確立する

【組織強化・拡大、「主幹教諭」および主任制度撤廃・手当阻止、民主的人事交流実現のたたかい】

▼新採用者をはじめ未組織者の早期加入を目指し、「一千人組織拡大」運動を中心に、組織の強化・拡大の取組を進める

▽二〇一八年度の組織強化・拡大の取組は、三~五月を「第一期組織拡大総行動期間」とし「一千人組織拡大」を目標に組織拡大センターや各支部・専門部との連携など組織拡大体制を強化して、新採用をはじめ未組織者の早期全員加入の実現に取り組む。また、この取組と一体的に、教職員共済の加入促進を図る

▽分会会議の定例開催を目指し、権力の攻撃を許さない、たたかう分会体制を確立する

▽学校事務職員の全校配置を要求するとともに「学校事務の共同実施・センター化」「事務長設置」「道立学校運営支援室」「新たなミッションを担う事務職員」は差別・分断、合理化・統制を狙うものであることから、組織的に学習を行い、反対の取組を強化する

▽北教労協(道私教協・札幌市高教・北教組)を中心とする教育共闘の拡大前進に向けた取組を強化する

▽「全教」「北学労」「全日教連」などによる北教組の団結を破壊する動きに対しては、北教組運動の歴史や成果を明らかにし、これを阻止する

▼「一〇・三確認」破棄の実態化を許さず、主任制度撤廃・手当阻止と自律的・民主的職場づくりのたたかいを進める

▽新年度に向けて、主任制反対闘争の意義と「一〇・三確認」破棄の不当性、五戦術を基本とする職場闘争と単層構造による自律的・民主的職場づくりの重要性などについて学習し、主任制度の実態化を阻止するためたたかう意思統一を行うとともに、自律的・民主的職場づくりをねばり強く推進する

▽主任制度撤廃・手当を阻止するため、主任命課拒否・返上、請求権放棄、精査交渉、主任手当返還、現金返還行動の五戦術を基本に取り組み、制度の撤廃を目指すたたかいを組織の総力を挙げて推進する

▽自律的・民主的職場体制の確立に向け、職員会議の最高決議機関化、主任などを機能させない学校運営組織・業務分担(主任の呼称廃止・記述削除、一人一係、月当番交代制、一方的人事配置の廃止、係相互間・学年相互間の連絡・協力体制の確立など)を実現し、運営委員会(企画委員会)や主任会議の廃止などを中心課題として職場づくりに取り組む

▽子どもを取り巻く厳しい状況を克服するため「主任手当の社会的還元」として、①給付型奨学金②被災地支援等③子どもと保護者のための電話教育相談室―の三事業を行い、主任制度の問題点と制度撤廃の必要性について広く道民に訴える。また、引き続き「主任手当活用検討委員会」において事業について検証し、充実・見直しに向けて取り組む

▽主任制度の定着と実態化をねらう文科省の中央での研修会については、不参加・非協力体制を確立する。また「学運研」については基本的に中止を求める。道教委が確認を反故にし「新任教務主任研」として強行する場合は、組織の総力を挙げこれを阻止する

▽「保健主事制度」撤廃を目指すとともに、保健主事の任命枠を養護教員にも拡大する学校管理規則の「改正」に反対し、保健主事制度の実態化を阻止するため、保健主事を「受けない」取組を強化する。また、手当支給阻止の取組を継続する。養護教員への「兼職発令」は「させない・求めない」、「保健の授業」は「しない・させない」職場体制の確立を目指し、取組を進める

▼文科省「チームとしての学校」や「主幹教諭」をはじめとする「新たな職」の設置など職場の管理強化に反対する取組を進める

▼道教委「指導が不適切である教員の指導改善研修」に反対し、制度の廃止を基本に各級段階の交渉を強化し、実態化させない取組を組織の総力を挙げて取り組む

▼民主的人事交流を実現するたたかいを進める

【二〇一八年春闘勝利、「学校職員人事評価制度」に反対し、実態化を許さないたたかい】

▼二〇一八年春闘は、「格差」是正を中心に「教育再生実行本部・会議」、中教審、「文科省教育改革」と対決し、公務員制度改悪・「総人件費削減」に反対するたたかいと一体的に、①「教職員賃金の削減」「給与適正化」反対、「給与制度の総合的見直し」撤回、すべての教職員の独自削減終了と実損回復②労働基本権回復③「学校職員人事評価制度」の撤廃、「給与の格付見直し」反対④義教制度改悪阻止・二分の一復元⑤超勤解消・勤務時間順守、各種休暇制度の拡充など労働時間の短縮⑥労働者の側に立った労働法制の実現⑦消費税廃止・所得減税・不公平税制の是正など抜本的な税制改革⑧年金・医療等社会保障制度の抜本的改革⑨雇用の回復⑩教育予算の大幅増・民主的教育改革実現⑪反戦・反核、憲法改悪反対、改悪教育基本法撤廃―などを重点に日政連議員を中心に院内闘争を強めるとともに、広範な労働者・市民と連携してたたかう

▼「学校職員人事評価制度」の撤廃を基本に、一方的な実施を許さず、実態化を阻止するため、組織の総力を挙げてたたかう

【「一一・一三通達」などの職場への定着、超勤・多忙化解消、労働時間短縮、諸権利定着・拡大、労働基本権確立、反弾圧のたたかい】

▼「協定書」破棄の実態化を許さず、職場の団結を基盤に各級段階の交渉を強化し、「一一・一三通達」などを職場に定着・順守させ、超勤を排除するたたかいを進める

▼超勤・多忙化解消を目指すとともに、勤務・教育条件改善のたたかいを進める

▼勤務時間の割り振りの決定に当たっては、勤務時間七時間四十五分、休憩時間四十五分の順守など勤務時間短縮を図る取組を進める

▼教職員の命と健康を守るため、労働条件・職場環境の改善を進める

▼「育児休業」「育児休暇(育児の時間)」「育児の短時間勤務」「部分休業」などを積極的に行使する。育児休業については、育児休業終了後の引継期間の新設・定数改善を要求するとともに、各休業・休暇の給与保障や現場復帰時点での不利益是正に取り組む。また、「子の看護休暇」「男性の育児特別休暇」「早出・遅出勤務制度」「介護休暇」「短期介護休暇」「介護時間」などを積極的に行使し、さらなる改善を要求し取組を進める

▼道教委「通報制度」撤廃を求め、「全道調査」などの攻撃を許さず、勤務条件の改善を進める

▼労働基本権確立、民主教育の確立を目指し、反弾圧、処分阻止・撤回、実損回復のたたかいを強力に進める

(関係団体 2018-03-12付)

その他の記事( 関係団体)

ほっかいどう学シンポジウム 学習内容や展開方策議論 小学生に教える意義を強調

ほっかいどう学ディスカション  自ら考え地域づくりに取組む担い手の育成・確保を目的に、第八期北海道総合開発計画に盛り込まれた「ほっかいどう学」。十四日に開かれた道開発協会(内田和男会長)主催のシンポジウムでは、教育関係者...

(2018-03-20)  全て読む

奥村会長(静内中)を再任 日高地区校長会が定期総会 学校の組織化目指し研修充実

日高地区校長会総会  【浦河発】日高地区校長会は三月上旬、新ひだか町内のホテルローレルで三十年度定期総会を開いた。管内の小・中学校長約四十人が出席。「日高管内の教育課題の解明・解消と職能向上を目指し、積極的に提...

(2018-03-20)  全て読む

札幌市中学校長会が記念誌発行 中学校教育70年の節目に

 札幌市中学校長会(土佐林仁会長)は、『札幌市中学校教育七十年』記念誌を発行した。  中学校教育七十年の節目に当たって、六十年の記念誌以降の同会の活動内容と、教育内容の変遷をまとめたもの。...

(2018-03-15)  全て読む

初等教育研究会札幌市算数支部 研究大会で授業公開、協議など 今後の学び考える機会に

初等教育研究会研究大会  初等教育研究会札幌市(算数)支部(松村聡支部長)は十日、札幌市立北九条小学校で第十七回研究大会を開いた。道内の教職員のほか、道外の関係者など約二百十人が参加。大会テーマ「新指導要領で授業の...

(2018-03-15)  全て読む

道P連が広報紙コンクール表彰式 3PTAに大賞の栄誉 全道150点から18点入賞

道P連広報誌コン  道PTA連合会(青田基会長)は九日、ホテルポールスター札幌で第三十五回全道PTA広報紙コンクール表彰式を挙行した。札幌市を除く道内の小・中学校から約百五十点の応募があり、十八点が入賞。大賞...

(2018-03-13)  全て読む

人格の完成目指す学校へ 信岡中央執行委員長あいさつ

北教組臨時大会・信岡委員長あいさつ  北教組の第百二十九回臨時大会における信岡聡中央執行委員長のあいさつの概要はつぎのとおり。           ◇          ◇          ◇  北教組は、昨年六月の定期...

(2018-03-12)  全て読む

北教組が第129回臨時大会開く 教育格差是正など決意 信岡委員長を再選

北教組臨時大会  北教組は六日、札幌市内の道教育会館で第百二十九回臨時大会を開いた。教育の国家統制への反対、教育格差是正、教職員の超勤・多忙化の解消などを盛り込んだ「当面闘争推進ならびにスローガン」を決定。...

(2018-03-12)  全て読む

札幌市小学校長会が3月総会開く 新会長に鈴木校長(東苗穂)選出 30年度活動の重点を確認

札幌市小学校長会総会・研修会  札幌市小学校長会は八日、ホテルライフォート札幌で三月総会・研修会を開いた。「学校経営の充実」など三十年度の活動の重点を示したほか、共同研究主題「未来を創造する札幌人を育成する豊かで確かな小...

(2018-03-12)  全て読む

第36回道高校数学コンテスト 最優秀賞に山本さん(釧路湖陵高) 表彰式挙行、生徒との懇談も―道算数数学教育会高校部会

 道算数数学教育会高校部会(部会長・嶋岡裕泰札幌稲雲高校長)は三日、札幌静修高校で第三十六回道高校数学コンテスト表彰式を行った。最優秀賞に当たる道教育長賞は、釧路湖陵高校二年の山本佳和さんが...

(2018-03-12)  全て読む

川村委員長を再任 道教組の新年度役員決まる

 道教組第三十一回定期大会では役員選挙を行い、川村安浩執行委員長を再任した。  新年度役員はつぎのとおり。     =敬称略= ▽執行委員長=川村安浩(空知教組) ▽執行副委員長=新保...

(2018-03-09)  全て読む