初等教育研究会札幌市算数支部　研究大会で授業公開、協議など　今後の学び考える機会に

（関係団体 2018-03-15付）

同校の田中教諭は、通話時間と料金の関係からどのプランがよいか考えさせる授業を展開

　初等教育研究会札幌市（算数）支部（松村聡支部長）は十日、札幌市立北九条小学校で第十七回研究大会を開いた。道内の教職員のほか、道外の関係者など約二百十人が参加。大会テーマ「新指導要領で授業の何が変わる？」のもと、授業公開や研究協議、講演を行った。

　開会式では、出葉充副支部長があいさつ。同会札幌支部の活動にふれたほか「これからの算数がどうあるべきかを考える機会となれば」と話した。

◆北九条小６年「比例の見方」

　研究提言に続き、北九条小の田中尚宏教諭が六年一組の算数「中学校への架け橋～比例の見方・考え方を働かせたデータの活用」を公開。本時の目標を「（携帯電話通話料金の）各プランを比較し、通話時間と料金の変化や対応の特徴について考える活動を通して、プラン選択の根拠を明らかにすることができる」と設定した。

　同校では、本年度の成果と課題を踏まえ、研究の視点を、①主体的な学びが生まれる学習課題②協働的な学習展開③学びが深まった子どもの姿が明確になっているか―の三点に据えて、次年度も研究に取り組む予定としている。

　本時で田中教諭は、“北君”が自分に合った携帯電話通話料金プランを検討していることを説明した上で、一ヵ月の携帯電話通話料金プラン「一分ごとに二十五円かかるＡプラン」「一分ごとに十円かかるＢプラン」「一分ごとに五十円かかるＣプラン」の三点を示した。また、Ｂプランの基本料金は五百円、Ｃプランは五百円分無料という条件のほか、研究の視点①の観点から、“北君”が一ヵ月間で三十分前後通話しているというあいまいな条件を提示。どのプランが得かを考えさせた。

　全体交流では「Ｃプランは高い」という児童の発表を取り上げ、研究の視点②の観点から、「Ｃプランは五百円分無料だから得ではないか」と問いかけた。「二十分までは得」「二十一分からＣプランよりＡプランのほうが安くなる」などＣプランが高くなる根拠を明確にさせた。

　また、研究の視点③の観点から、Ａ・Ｂの二プランについても再検証させた。「二十分までならＣプラン」「三十四分以上ならＢプラン」と児童が発表するなど、通話時間と料金の関係を明確にして、得になる根拠を考えられるようにした。

　授業後は研究協議に続いて、筑波大学附属小学校の夏坂哲志教諭が四年一組の「正方形の面積」を公開したほか、「新学習指導要領で授業の何が変わる？」と題して講演した。

(関係団体 2018-03-15付)