福島町の30年度教育行政執行方針 TTによる個別指導を 地域と連携した学校運営推進
(市町村 2018-03-14付)

福島町教委前田勝広
福島町教委・前田勝広教育長

 【函館発】福島町教委の前田勝広教育長は、九日に開会した定例町議会で三十年度教育行政執行方針を説明した。昨年十二月に指定した三校でのコミュニティ・スクール(CS)の実践を通して、地域と連携した学校運営を推進していく。小・中学校の教育においては、各学校における指導工夫改善やチーム・ティーチング(TT)による習熟度に応じた個別指導などの対応を進め、課題の発見と解決に向けて、主体的・対話的で深い学びの充実および授業と連動した家庭学習の定着化を図っていく。また、三十度からスタートする第二次子ども読書活動推進計画に基づき、子どもたちの読書習慣の定着を図る。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【生涯学習】

▼図書室・図書活動

 三十年度からスタートする第二次子ども読書活動推進計画に基づき、ゼロ歳から十八歳までの子どもを中心とし、図書ボランティアから支援を受けながら、読書習慣の定着化を目指していく。また、福祉センター図書室、吉岡総合センターおよび移動図書による図書貸し出しなどの強化を工夫し、より多くの町民が読書に親しむことのできる環境の充実に取り組んでいく。

【幼児教育・学校教育】

▼幼児教育

 幼児期の教育は、認定子ども園、幼稚園、家庭を通じて、自立心を育てる、遊びを通して多方面の知識を得ることへの興味と関心を誘う、ともに同じくらいの年齢の友達と遊びにおいて、仲よくできたり、けんかしたりして様々な人間関係を体験するという中で、自己主張と自己抑制の力が育ち、自主・協調の望ましい社会性の基礎を形成することにある。このため、引き続き、子ども・子育て支援事業計画に基づき、関係課や関係者と連携した幼児教育の充実に努める。

 福島幼稚園については、三十年度から、子ども・子育て支援法に基づく施設型給付の幼稚園として運営する予定。これに合わせて、従来の助成制度の見直しと幼稚園からの新たな要望内容も踏まえて、新しく補助要綱を制定し、引き続き支援を図っていく。

 また、認定こども園および幼稚園と小学校との円滑な連携に向けて、幼児と児童との交流や小学校への体験入学を継続していく。

▼小・中学校の教育 

 小・中学校の教育については、各学校長の学校経営方針のもと、次期学習指導要領の先行実施による授業などを基本に進めていく。

 一人ひとりの児童生徒に生きる力を育むためには、義務教育九年間を通した基礎的・基本的な知識や技能の習得、望ましい学習習慣および生活習慣を身に付けることが重要。そのため、各学校における指導の工夫改善やTTによる習熟度に応じた個別指導などの対応を進めるとともに、課題の発見と解決に向けて主体的・対話的で深く学ぶことの充実および授業と連動した家庭学習の定着化に各学校とともに取り組んでいく。

 少子化による吉岡小学校児童数の減少を考慮し、今後の学校の在り方について保護者などと協議を重ねてきたが、三十一年度から、新たに学校選択制を導入することを決定した。従来の学区の概念はなくなり、福島・吉岡地区に関係なく保護者および児童の考え方によって吉岡小学校、福島小学校のどちらでも希望する学校に入学できるようになった。三十年度は保護者などに対する新制度の周知期間とし、三十一年度から円滑に各小学校へ入学できよう準備を進めていく。

 地域全体が各学校の応援団となり、地域で子どもを育てる意識を高め、子どもたちが明るく、楽しく、元気よく成長できるような教育環境づくりを目的とするCSについては、昨年十二月に三校の指定を終えている。三十年度を協議会活動のスタートと位置付けて、各協議会および学校と連携を図り、地域とともにある学校づくりに取り組んでいく。

 二十一世紀にふさわしい学びと児童生徒が活力ある社会の形成者として、主体的に情報社会に参加できる教育を目指して、全児童生徒にタブレットを配置し、さらなる教育のICT化に取り組んでいく。

 特別な配慮や支援を必要とする子どもの把握ならびに保護者や関係者の認識を深めるため、教育支援委員会と七飯養護学校特別支援教育コーディネーターと連携しながら、子どもの実態に応じた授業などの支援をはじめ、特別支援教育の充実に取り組んでいく。

▼高校

 中学校を卒業する生徒数が年々減少していくことや、本年の地元中学校卒業生の福島商業高校への進学率が低いという状況を重く受け止めなければいけない。福島商業高および高校存続検討委員会とも連携の上、課題でもあった同校卒業生を対象とした大学等進学者に対する給付型奨学金の在り方について再検討を進める。

 また、東京農業大学との包括連携協定に基づき、引き続き、教育的支援を通じた人材育成を進めていく。

【社会教育、青少年の育成】

▼児童生徒

 望ましい生活習慣の体験とともに、自主的に学習する習慣を身に付けさせることを目的に学校・PTA・女性の会などと連携した通学合宿の拡充に取り組む。また、子どもたちの成長過程に応じた各種講座の開催とリーダーシップや表現力を育成する青少年の主張大会を継続する。

(市町村 2018-03-14付)

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