滝上町の３０年度教育行政執行方針　ＩＣＴ機器を授業に本格導入　学校運営協議会設置へ検討も

（市町村 2018-03-19付）

滝上町教委・山崎満弘教育長

　【網走発】滝上町教委の山崎満弘教育長は、十二日に開かれた第三回教育委員会で三十年度教育行政執行方針を説明した。指導の改善・充実に向け、子どもたちの興味・関心や意欲向上に効果的なＩＣＴ機器を取り入れた授業を本格的に実施していく方針を示した。また、各小・中学校学校評議員の合同会議を開き、学校運営協議会の設置に向けて検討を進めていく考えを表明した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育の推進

▽就学前教育・保育の総合的な提供　

　こども園では、就学前の幼児教育・保育の充実を図るとともに、保護者に対する子育ての支援、子育ての不安解消に対応した相談体制、親子の交流の場や未就園児の遊び場、子育て情報の提供など、子どもの健やかな成長を育むための環境の整備を進めていく。

　また、子どもの発達の状況や活動状況について、こども園から小学校へ円滑につなげるために、こども園と小学校の連携を図り、園児と小学校児童との交流、教職員などの相互理解を図り、適切に情報を共有するよう努めていく。

▽社会で生きる実践的な力の育成

　全国学力・学習状況調査や本町独自の学力検査の分析結果を踏まえ、各学校においては短期的・中長期的な計画のもと指導の改善・充実に努めていく。

　繰り返しの学習や理解の深化のため、道教委が作成したチャレンジテストの活用や、放課後や長期休業中などの学習サポート、家庭での学習習慣を身に付ける取組を推進していく。

　また、子どもたちの興味・関心や、意欲向上に効果的なＩＣＴ機器を取り入れた授業を本格的に実施していく。

　さらに、子どもたちの生活においてテレビ・ゲームの時間が長いなどの課題も見受けられることから、望ましい生活習慣の定着に関する取組も進めていく。

　特別支援教育については、特別支援教育支援員を本年度も全小・中学校に配置し、さらに中学校に学習支援員を配置し、適切な指導および支援に努めていく。

　また、障がいのある子どもへの早期からの相談支援のため、教育支援委員会の機能充実や近隣の特別支援学校、町の発達支援事業との連携・協議を進めていく。　

　子どもたちに、英語によるコミュニケーション能力を育成するため、外国語指導助手の活用を図り、幼少期から英語に慣れ親しませるとともに、児童生徒の外国語教育の充実に努める。

▽豊かな心と健やかな体の育成

　道徳教育をはじめとした様々な教育活動や体験活動の中で、ルールやマナーの指導を行い、豊かな人間性を育んでいく。

　学校、子どもおよび保護者からの様々な悩みや不安にきめ細かく対応するために、本年度も継続してスクールカウンセラーを招へいし、相談体制の充実に努める。　

　いじめや不登校などの対策については、各学校において日常的に子どもの様子を観察し、いじめアンケートの結果分析や教育相談体制の充実を図り、未然防止に努めるとともに、早期発見、早期対応に努める。　

　併せて、子どもたちをネットトラブルから守るため、学校における情報モラル教育の一層の充実を図るとともに、インターネットの安全・安心な利用に向け、家庭のルールづくりなどを促進する。

▽信頼される学校づくりの推進

　学校評議員制度を活用するとともに、学校評価を実施し、教育活動についての成果と課題を明らかにし、地域に開かれ信頼される学校づくりを推進していく。

　なお、本年度も各小・中学校学校評議員の合同会議を開催し、情報共有や今後の連携の在り方などを協議し学校運営協議会の導入に向けて検討していく。

　滝上高校は、二十九年度募集停止となったが、引き続き振興協議会を通じて、在校生への学力向上対策費、通学費、下宿費等の支援を行う。

　なお、滝上高の募集停止に伴い、滝上中学校を卒業し高校などへ進学する生徒について、道の補助対象外となる場合など、通学費や下宿費に対する経費の一部について、引き続き支援を行う。

(市町村 2018-03-19付)