秩父別町の30年度教育行政執行方針 漢検などの検定料助成 中学校老朽化対策へ耐力度調査
(市町村 2018-03-19付)

秩父別町教委西田康二
秩父別町教委・西田康二教育長

 【岩見沢発】秩父別町教委の西田康二教育長は八日、町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。学校教育では、児童生徒の学習意欲と学力の向上を図るため、本年度から漢字や英語、数学の検定受検に対し、検定料を助成していく。また、三十年度で築四十一年目を迎える秩父別中学校校舎については、老朽化が著しいため耐力度調査を実施することとした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育

 少子高齢化による生産年齢人口の減少、急速に進展するグローバル化と技術革新によって、社会構造や雇用環境は大きく変化しており、複雑で予想困難な厳しい時代を迎える中で、子どもたちは社会的・職業的に自立した人間として社会の変化に主体的に向き合い、また、他者とも積極的にかかわりながら生きていく、豊かな人間性や社会性を育むことが重要。 

 そのために、基礎的・基本的な知識および技能の習得と、それらを応用し活用するために必要な思考力、判断力、表現力などの育成に努め、さらに、主体的・対話的で深い学びの実現に向けたアクティブ・ラーニングの視点に立った授業の改善を推進していく。 

 また、学校は「子どもの夢と希望を育み実現する、明るい未来へ導く場所」であることを念頭に、小規模校の特性を生かした秩父別教育スタンダードの構築に努めていく。

 なお、中学校は本年度、普通学級の新入生が見込めないことから欠学年が生じ、道費負担教職員定数の基準により教員定数が三人減となるが、生徒個々の学力の維持と、さらなる向上を図るため、現在、在職中の教諭一人を町単独負担での教職員として採用・配置し、教育環境の充実と指導体制の強化を図っていく。

 本年度で築四十一年目を迎える中学校校舎は、経年劣化が著しく進んでいる。そのため、校舎の耐力度調査を実施し、国の補助事業を活用した改修の準備を進めていく。

 本年度から、児童生徒の学習意欲と学力の向上を図るため、漢字や英語、数学の検定受検に対し、検定料を助成していく。

 また、経済的に困窮している家庭に対し新入学準備金を三月に前倒しして支給し、すべての子どもたちが記念すべき入学式を迎えることができるよう環境の整備に努めていく。さらに、本年度も中学生の修学旅行にかかる経費の一部を助成し、保護者の負担軽減に努めていく。 

 外国語を通して多様な人々とのコミュニケーションを図ることができる基礎的な語学力を養成するため、新学習指導要領では、三十二年度から小学五・六年生の外国語教育を七十単位時間に増やして教科型に移行し、三・四年生は新たに三十五単位時間の外国語活動が設けられる。その移行期間として本年度から、ともに現行より十五単位時間を増やすなど、学習指導内容のレベルアップが求められている。 

 そのため、小学校教諭の英語研修はもとより、中学校の英語教諭による小学校への乗り入れ英語授業を継続実施し、併せて、外国語指導助手のさらなる活用を図っていく。 

 学習支援員は、授業中の習熟度に応じた個別指導や放課後学習などで、学力向上に寄与しており、本年度も小・中学校に配置する。

 いじめについては、どこの学校でも起こり得るという強い認識のもと、学校と緊密な連携を図りながら、いじめのない教育環境づくりに努めていく。

 学校給食においては、栄養を重視することはもとより、地場産の旬な食材を生かした特色ある給食を提供するとともに、食育を推進していく。なお、子育て支援の一環として、給食費の一部を助成し、子育て世帯の負担軽減を図っていく。

▼社会教育

 幼児・家庭教育について。 本年度も子育てサロンやブックスタートなど、発育に応じた様々な教育事業を町長部局および関係団体と連携して実施し、さらに、その事業を通して保護者が安心して子育てができる育児教育に取り組んでいく。

 青少年教育においては、放課後児童の交流の場であるちっぷっ子ふれあいスクールは、子どもの必要な居場所として、需要の高まりをみせていることから、さらに事業内容の充実を図っていく。

 また、長期の休み期間中に望ましい生活習慣の定着と、本町の歴史および文化などへの興味をはじめ、郷土愛を育む事業を進め、スポーツ少年団や青少年団体の活動と青少年リーダー研修会の参加についても、昨年度同様に支援をしていく。

(市町村 2018-03-19付)

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