知内町の30年度教育行政執行方針 知内高で地域創生学習 持続可能なCSへ町ぐるみ
(市町村 2018-03-19付)

知内町教委本間茂裕
知内町教委・本間茂裕教育長

 【函館発】知内町教委の本間茂裕教育長は、八日開会した定例町議会で三十年度教育行政執行方針を説明した。地域の担い手教育について、行政、産業界、大学と連携し、地域の担い手としての実践的な学びとして「地域創生学習」を知内高校で新たに実施していくことを表明した。コミュニティ・スクール(CS)については「活動の充実・発展に向け、引き続き、連絡会議を開催し、町ぐるみで持続可能な運営手法や地域連携について、研修・情報交換に努めていく」との考えを示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育の推進】

▼自立的な学習習慣と基礎・基本の定着

 子ども一人ひとりを見つめ、学び合い、学び直しを大切にする。自分で計画を立て、勉強に向かうことは、自分自身の未来を切り拓くことにほかならない。前後の授業や家庭学習につながる学びの連続性を生かした授業づくりや、あらためて読むこと・書くことの反復を大切にしながら、基礎・基本の定着に努めていく。

▼発達に応じたキャリア教育の取組

 子どもたち一人ひとりが抱く将来の夢や希望は、学びの原動力。働く人の話を聴く、現場を見学する、仕事を体験する。将来の自分が社会とどうかかわるのか、そのためにどう学ぶのか。幼児教育での心情・意欲・態度の育成に始まり、発達段階に応じた実践的なキャリア教育に取り組み、地域社会の教育力で子どもたちの学びに向かう力を育んでいく。

▼豊かな人間性と道徳教育

 日常の教育活動全体を通して、豊かな心を育てることに努め、新たな「特別の教科 道徳」では、自分ならどう考え、どう行動するのか、対話的な学びを通じて、聴く力や伝える力を育てていく。中高では、討論などの言語活動や集団カウンセリング活動を通じて、コミュニケーション能力や発信力のある社会人としての資質を育てていく。

▼新たな幼児教育の始まり

 新幼稚園教育要領が全面実施となり、新たな幼児教育が始まる。読み聞かせ活動や運動教室、様々な遊びを通じて一人ひとりの発達を促し、小学校との円滑な接続を図っていく。また、預かり保育の時間帯を拡大し、就労保護者のニーズに対応するほか、三十二年度の新園舎オープンに向け、三十年度は建替工事の設計段階に入る。幼保連携型認定こども園開設についても、引き続き検討する。

▼地域ぐるみの特別支援教育

 江差福祉会のFDセンターが今春、湯ノ里地区にオープンする。インクルーシブ教育の理念を踏まえ、すべての子どもたちの社会的自立を目指して、今後も保護者との信頼関係のもと、学校間連携に努めながら、適切な支援・指導に努めていく。

 また、引き続き支援員を各園・校に配置するほか、合理的配慮協力員を学校教育課に配置し、各園・学校のサポートや保護者相談、外部機関との連携を図る。▼心育てる読書活動の取組 ニーズに応える移動図書の運営に努め、子どもたちに人気のブックフェスティバル事業の一層の工夫改善や利用者の目線に立って、中央公民館の読書環境の整備に努めていく。

【学びを支える体制づくり】

▼地域の教育ネットワークを生かした取組

 町内の教職員のそれぞれの専門性を生かして課題の改善・解決に取り組んでいく。町学びの充実検討委員会では、町内一斉の家庭学習強調週間の設定など、小中高が連携した取組を進めている。また、中高合同の乗り入れ授業や部活動をはじめ、幼小中高間の幼児児童生徒、教員の連携交流やCSとの連携を促進していく。         

▼新たな課題と研修体制の推進 

 小・中学校では、新学習指導要領への移行期間が始まり、アクティブ・ラーニングを生かした授業づくりが進められている。ICT活用能力などの育成を見据え、今後もICT支援員配置事業を継続し、ハード・ソフト両面にわたるICT環境の計画的な整備に努める。

 また、時間増となる小学校外国語活動については、英語教育推進協議会や外国語指導助手と連携し、引き続き実践的な研修活動を進めていく。       

【地域とともにある学校づくり】

▼町ぐるみのCSの推進

 各学校運営協議会では、教育活動の充実や地域連携について熱心な協議が行われ、学習支援活動や環境整備事業が行われている。活動の充実・発展に向け、引き続きCS連絡会議を開催し、町ぐるみで持続可能なCSの運営手法や地域連携について、研修・情報交換に努めていく。

▼地域の担い手教育の推進 昨年初の中学生議会が開催され、地方自治・地方議会について体験的な学習が行われた。小学校では、子どもたちが地域の観光大使としてまちづくり活動を支えるための学習を進めている。知内高校では、行政、産業界、大学と連携し、地域の担い手としての実践的な学び「地域創生学習」が始まる。子どもたちが地域の特色や課題に目を向けての主体的な学習を応援していく。

(市町村 2018-03-19付)

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