歌志内市30年度教育行政執行方針 義務教育学校の設置検討 小中一貫教育課程を編成(市町村 2018-03-30付)
歌志内市教委・森塚勝敏教育長
【岩見沢発】歌志内市教委の森塚勝敏教育長は、三月上旬の市議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。小学校と中学校を小中一貫教育の歌志内市立小中学校と位置付け、義務教育九年間の教育課程を編成していく考えを表明。児童生徒を合わせた集団規模を確保し、活発な異学年交流などを図るために、義務教育学校の設置を検討していく。
教育行政執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育の充実
三十二年度から小学校、三十三年度から中学校において新学習指導要領が完全実施となる。プログラミング教育が必修化されることから歌志内小学校に人型ロボット二台を導入し、教育教材機器として活用した教育を先行実施していく。
新たに小学三・四年生から外国語活動、五・六年生では英語教育が加わる。本市では、すでに小学一年生から外国語活動を導入しているが、三十年度から正式に英語教育としてスタートし、小・中を通した教育を実施する。
校舎は離れていても、小中一貫教育を行う歌志内市立小中学校とし、義務教育九年間を修業するにふさわしい学力と社会性を育成することをねらった教育課程を編成していく。加えて、歌志内小では児童数の減少に伴い、二・三年生において複式学級の発生が懸念されているが、よりよい教育環境を確保するため、市費によって教職員一人を雇用することとし、これまでと同様に同学年での学級編制を維持していく。
今後、児童生徒数の推移などを勘案した場合、学校の小規模化がさらに進展することが予想される。魅力ある学校づくりを進める上で、児童生徒を合わせた集団規模を確保し、活発な異学年交流などを意図するためには、小学校・中学校を一つの学校とする義務教育学校の設置は極めて有力な選択肢であると考えられることから、保護者や市民とビジョンを共有し、理解と協力を得ながら、その実現に向け積極的に検討していく。
インクルーシブ教育の理念に基づいた一人ひとりのニーズに応じた支援や特別支援教育の充実、また、各学校で策定しているいじめ防止基本方針に基づいた細やかな取組など、子どもの人権・命の尊厳の視野に立ち、どんなに小さなことでも決して見逃さず、迅速・適切な対応をし、家庭・関係機関と密接な連携を図って最善を尽くしていく。
児童生徒の家庭が安心して子育てに集中できる環境を整えるため、給食食材費、補助教材費および高校等就学支援金などの助成、小・中学校の修学旅行費用を全額助成する制度を継続するとともに、就学援助においては、新入学児童生徒に対する入学前支給を実施し、各家庭の負担軽減に努めていく。
▼社会教育の充実
子どもが安心して過ごすことができるよう、巡視や見守り活動を続けるとともに、児童館をはじめとする放課後や休日の居場所づくり、コミュニティセンターでの公的学習塾、学校支援地域本部事業などの学校・家庭・地域連携協力事業を継続し、地域ぐるみによる子どもの教育を推進していく。このような取組を通じて、地域の温かいまなざしの中で、次世代を担う子どもたちが自らの力で未来を切りひらいていくことができるような社会の実現を目指していく。
成人・高齢者教育および社会教育施設における教育活動の推進については、成人の多くが地域の中心となり、地域を盛り上げる活動や行事および防犯活動に積極的に取り組むよう啓発していく。コミュニティセンターうたみんは、地域の拠点として、知識や技能、経験を生かす機会を設け、市民間・世代間の交流を促進する地域交流事業を継続し、高齢化の著しい本市においても、多くの市民が年齢層を超えて交流や社会参加を行い、それぞれが有する知識や技能を生かす機会などを促進していく。
図書館は、誰もが利用しやすい環境づくりを進めるために、蔵書の更新、テラス席を設置する。また、道立図書館などとの相互貸出やインターネットサービスの充実に努め、Wi―Fiが利用できる憩いの広場として、さらに、子どもの学習の場としても利用促進に努めていく。
▼芸術・文化・スポーツの充実
本市では、芥川賞作家の高橋揆一郎氏をはじめ、全道・全国に名を残す画家や書家を輩出し、これらの人々によって文化連盟が発足するなど、近年まで活発な芸術・文化活動が展開されてきた。一時期に比べ、人口や人材の減少によって、華やかに活躍する人は少なくなっているが、若い人に和太鼓の活動が継承されたり、和楽器演奏のサークルが誕生したりしているので、これらの活動を支援していく。
子どもから高齢者までの幅広い世代が参加できるスポーツやレクリエーションの機会を提供するなど、体を動かすことによる健康の保持・増進に努めていく。
(市町村 2018-03-30付)
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