様似町の３０年度教育行政執行方針　小中相互授業を本格実施　ＣＳ実現へ運営協議会設置

（市町村 2018-04-17付）

様似町教委・荒木輝明教育長

　【浦河発】様似町教委の荒木輝明教育長は、三月上旬の町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。小学校の授業に中学校の教員、中学校の授業に小学校の教員が指導に入る小中相互授業に本格的に取り組むほか、様似町型コミュニティ・スクール（ＣＳ）の実現に向け学校運営協議会を立ち上げる方針を示した。

　教育行政執行方針の概要はつぎのとおり。

▼幼児教育の推進

　幼児期における保育および教育は、子どもの健全な心身の発達過程に対応した保育環境のもと、自発的な活動の遊びを通し、心豊かな人間として生きていくための生きる力の基礎となる資質・能力を育み、健やかな発達を保障する中で学習能力の基本となる学びに向かう力を着実に付ける取組を進める。

　子どもも発達や学びの連続性を図るために、小学校との円滑な接続について、教師間の連携を密にするとともに、小学校での体験活動を充実させていく。特に、就学に向けた文字や数に対する興味・関心を高める取組として「もじ・かずタイム」を新たに取り入れ、三歳児から段階的に就学につながるよう推進していく。

　英会話にふれる活動については、昨年七月から新たにＪＥＴプログラムを通じて招致した国際交流員（ＣＩＲ）と外国語指導助手（ＡＬＴ）を配して、三歳児から五歳児までの各年齢に応じた楽しく学べる英会話活動を展開していく。

▼学校教育の推進

　学力の向上については、全国学力・学習状況調査と標準学力検査の結果を踏まえ、基礎・基本の習得や生活習慣の定着化が求められることから、きめ細かな学習指導を行うため、道教委の教員加配をはじめ授業改善推進チーム事業などを有効的に活用するとともに、引き続き各学校に町採用の臨時教員の配置に向けた連携を道教委と図り、複数の教員による少人数指導を柱にした学習指導体制の充実を図る。

　昨年四月から様似小学校と様似中学校を併設型の小中一貫校として位置付ける中で、教職員の合同研修と研究を重ねながら、小・中学校の九年間を見通した学習系統表を作成する中で学習のつまずきポイントの明確化を図り、小学校の授業に中学校の教員、もしくは中学校の授業に小学校の教員が指導に入る小中相互授業にも本格的に取り組むこととし、指導計画や指導方法の改善・充実が一層図られるよう推進する。

　また、夏冬の長期休業中における小中学生の学習サポート事業についても、高校生や大学生の学生ボランティアの協力をいただき取組を推進する。

　ＣＳについては、学校・家庭・地域が一体となって、よりよい様似町型ＣＳの実現に向けた学校運営協議会を立ち上げ推進していく。

　地域資源となるジオパークを活用した教育については、ことし十月に本町で開催される第九回日本ジオパーク全国大会をよい機会ととらえ、様似を知る学習として「ふるさとアポイ学」を推進するための専任教員を配置し、各学年に配慮した授業内容と継続性のある学習の体系化を図り推進していく。

　英語教育については、小学校においては、二人のＡＬＴを効果的に活用し、小・中学校での指導を通して英語力の向上を図るとともに、コミュニケーション能力や異文化への理解を深め、グローバル社会に生きる児童生徒の育成に努める。

　児童生徒指導については、「特別の教科　道徳」を活用する中で、規範意識や倫理観、生命の大切さや他人を思いやる心を育み、学校、家庭、地域、関係機関との連携によって、児童生徒の健全育成と意識の高揚を図っていく。

(市町村 2018-04-17付)