中札内村の30年度教育行政執行方針 常勤のALT配置へ 体系的な道徳教育を推進(市町村 2018-04-16付)
中札内村教委・上松丈夫教育長
【帯広発】中札内村教委の上松丈夫教育長は、三月上旬の村議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。新学習指導要領の移行期間における時数増に伴い、新たに常勤の外国語指導助手を配置して生きた英語によるコミュニケーション能力の向上に取り組むことを表明。このほか「村教育研究所が策定した小・中学校九年間の指導計画によって、体系的な道徳教育を推進する」との考えを示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育の推進
▽新しい時代を切り開く力の育成
確かな学力の向上を図るため、保育園、小・中学校が連携しながら子どもの学習状況を的確に把握した指導を行うとともに、家庭学習の定着、ノーテレビデー・ノーゲームデーなどに取り組む。
社会の変化に対応する力を育成する教育では、夢や目標に向かって生きていこうとするたくましい力を身に付け、自己肯定感を高める取組や事業所の協力を得て、社会的・職業的自立に向けたキャリア教育を推進する。
外国語教育では、小学校の外国語活動と授業の時数を拡大し、非常勤の外国人英語講師に加え、新たに常勤の外国語指導助手を配置し、生きた英語によるコミュニケーション能力の向上に取り組む。
また、小中学生、高校生の英語検定の受験を促進するため、新たに検定料の助成を実施する。
特別支援教育の推進では、保・小・中が連携し、特別支援学校である中札内高等養護学校や南十勝こども発達支援センターの協力を得ながら、教育支援委員会で情報共有と適切な支援について協議し、保護者の理解を得て、きめ細かな指導と一貫した支援を行う。また、学校特別支援員を配置し、児童生徒の学校生活・学習活動をサポートする。
高校教育支援では、高校に通学するために経済的支援が必要な世帯に対し、新たに通学費および下宿代の一部を助成する。
▽豊かな心と健やかな身体の育成
地域の素材を活用し、豊かな人間性と感性を育む教育では、学校支援ボランティアや地域住民の支援によって、郷土を愛し、ふるさとを大切にする教育や豊かな人間性と社会性を養う交流・体験事業に取り組む。
いじめや不登校を発生させないため、子どもの変化に気づき、教職員が子ども一人ひとりと向き合い、組織的かつ速やかに対応する。
スクールカウンセラーによる教育相談や、いじめの実態調査や学校対応状況の把握など、緊張感をもって積極的に責務を果たしていく。
また、本年度から道徳が特別の教科になることに合わせて、村教育研究所が策定した小・中学校九年間の指導計画によって、体系的な道徳教育を推進する。
中学校では、三十一年度からの道徳の教科化に向け、道教委から文部科学省の道徳教育推進校事業を受託し、創意工夫を生かした実践研究を行う。
健やかな身体の成長を促す教育では体力の向上を目指し、新体力テストは全学年全種目を実施し経年変化を見取り、授業改善、部活動やスポーツ少年団活動の支援と基本的な生活習慣や正しい食生活の確立に努める。
▽信頼される学校づくり
開かれた学校づくりでは、地域参観日の開催や学校だよりの全戸配布などによって、地域住民との積極的な情報共有を行う。
特色ある学校づくりでは、地域の特性を生かし、自然や伝統文化、芸術活動など、学校ごとの特色を生かした活動が実践されるよう学校と連携し支援を行う。
学校力の向上を図る学校づくりでは、全教職員が学校経営方針、重点目標を共有し、学校評価に基づく組織的な学校改善を推進するとともに、教職員の専門性や実践的指導力向上を図るため、更別村と共同設置している指導主事の活用、校内研修や長期休業中の教職員研修の充実、各種研修事業への参加を促す。
▽地域全体で子どもを守り育てる体制づくり
地域で子どもたちを育てる環境づくり、学社融合による教育活動の推進では、学校と保護者、地域が目標や課題を共有し、本村の環境を生かして、学校支援ボランティアの登録拡大と活用、地域の人が学校を支える地域協働型学校づくり協議会(学校運営協議会=コミュニティ・スクール)の活動、小中連携から小中一貫教育の取組を推進する。また、学校とPTA、子ども会、教育関係者などとの連携によって長期休業中の体験活動などを実施する。
▼社会教育、文化、芸術の振興
地域協働型学校づくり協議会による「共育の日」関連事業の実践によって、地域の教育力を結集し、地域全体で子どもの育ちを支える環境づくりを進める。
子どもたちの各種体験学習や世代間交流、文化の異なる国内外の地域との交流を通して、新たな自己の可能性の発見や自立心、責任感、人を思いやる気持ちなどの健全な心身の育成を図るため、ジュニアアウトドアスクールなどの体験活動事業と南砺市、川越市の子どもたちとの交流事業を実施する。
生涯学習では、講座の開催と社会教育団体や村民グループの自主活動の支援など、生涯学習活動を促進する。また、更別村と連携して、互いの生涯学習やスポーツなどの講座等への参加を促進するための情報提供に努める。
▼スポーツの振興
誰もがスポーツを気軽に、楽しく親しみ、スポーツを通じた交流ができる環境が創出できるよう、スポーツ団体の育成・支援やスポーツの機会の提供、総合型地域スポーツクラブ「ピータンスポーツクラブ」の活動支援に努め、生涯スポーツを振興する。
(市町村 2018-04-16付)
その他の記事( 市町村)
札幌市立小学校 新1年生の給食スタート 感謝込め口いっぱいに
札幌市立小学校二百校で十二日、一斉に新一年生の給食が始まった。二条小学校(大牧眞一校長)では、三学級百三人の新一年生が初めての学校給食を口いっぱいに頬張っていた。 この日の献立は、牛乳...(2018-04-17) 全て読む
浦臼町の30年度教育行政執行方針 CS導入でよりよい学校へ 小学校に町独自の教諭配置
【岩見沢発】浦臼町教委の浅岡哲男教育長は、三月上旬の町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。コミュニティ・スクール(CS)を導入して地域住民や保護者などが学校運営に積極的に参画す...(2018-04-17) 全て読む
和寒町の30年度教育行政執行方針 子育てファイルを活用 英語力向上推進プラン立ち上げ
【旭川発】和寒町教委の沓澤昭一教育長は、三月上旬の町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。子どもの誕生から支援する個別の支援計画和寒版子育てファイル『すとーりー』の活用を促進。ま...(2018-04-17) 全て読む
様似町の30年度教育行政執行方針 小中相互授業を本格実施 CS実現へ運営協議会設置
【浦河発】様似町教委の荒木輝明教育長は、三月上旬の町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。小学校の授業に中学校の教員、中学校の授業に小学校の教員が指導に入る小中相互授業に本格的に...(2018-04-17) 全て読む
札幌市教委オリパラ教育研究推進校 6月から全75校で実施 応募締切は今月23日
札幌市教委は、本年度のオリンピック・パラリンピック教育推進事業の研究推進校を全校種合わせて七十五校指定する予定だ。オリパラに関する学習を通して〝ふるさと札幌〟を愛する心などの育成を図るもの...(2018-04-16) 全て読む
札幌市教委のサタデースクール事業 本年度は12校増え39校で 地域で子育て環境醸成
札幌市教委は本年度、サッポロサタデースクール事業を三十九校で実施する。地域の人材・企業の豊かな社会資源を活用するプログラムを、土曜日を中心に学校施設などで行うもの。前年度より十二校の増加と...(2018-04-13) 全て読む
増毛町の30年度教育行政執行方針 小学生対象に英語塾開設 チーム力発揮できる体制整備
【留萌発】増毛町教委の佐藤敏治教育長は、三月上旬の第一回町議会定例会で教育行政執行方針を説明した。限られた授業時数の中で教育効果を高めるべく、各教科などの関連性を図った教育内容を組み立て、...(2018-04-13) 全て読む
南富良野町30年度教育行政執行方針 小学校外国語全面実施時の時数確保 南富良野小中にCS導入
【旭川発】南富良野町教委の岩渕秀一教育長は、三月上旬の第一回町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。三十二年度から全面実施の小学校における英語の教科に対応するため、三十年度からの...(2018-04-13) 全て読む
中富良野町の30年度教育行政執行方針 中富良野小でCS導入 新たに外国語支援員配置
【旭川発】中富良野町教委の中島光明教育長は、九日開会の第三回町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。新学習指導要領への移行に向けた取組として、新たに外国語支援員を配置するほか、教...(2018-04-13) 全て読む
礼文町30年度教育行政執行方針 礼文高入学者全国からの募集検討 小学校へALT担当職員派遣
【稚内発】礼文町教委の岩城修教育長は三月上旬、第一回町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。礼文高校の支援について「これからの高校づくりに関する指針」に基づき、全国からの入学者募...(2018-04-12) 全て読む