苫前町30年度教育行政執行方針 開かれた学校づくり推進へ 小・中連携で乗り入れ授業拡充(市町村 2018-04-25付)
苫前町教委・池田文敏教育長
【留萌発】苫前町教委の池田文敏教育長は、三月上旬の第一回町議会定例会で教育行政執行方針を説明した。昨年設置したコミュニティ・スクールを通し、地域住民と一体となって開かれた学校づくりを推進するほか、小・中連携では乗り入れ授業の拡充に努め、専門性を生かした授業強化に取り組む。また、小学校における英語学習環境の整備を推進するべく、ALTの増員を図る。
教育行政執行方針の概要はつぎのとおり。
▼社会の信頼に応える学校づくりの推進
▽創意と活力ある学校づくりの推進
学校が主体性をもって、創意工夫に満ちた教育を進めるためには、校長の強い指導力と明確な方針のもと、教職員が一体となって学校づくりを行う必要がある。
活力ある開かれた学校づくりを進めるため、昨年六月に町内小・中学校四校によるコミュニティ・スクールを設立した。本町の児童生徒の健やかな成長を願い、学校と保護者や地域住民が一丸となって知恵を出しあい、よりよい学校づくりの推進体制の確立向上を目指す。
また、小・中連携では、中学校教員が小学校で行う乗り入れ授業の拡充に努め、専門性を生かした授業強化に取り組んでいく。
特別支援教育については、障がいのある子どもたち一人ひとりの教育課題に応じた支援を進めるため、校内支援体制の充実を図る。
今後も専門機関と連携した研修事業や、特別支援学校や道教委による巡回相談事業を活用し、きめ細かな教育支援に努める。
▽揺るぎない信頼性を高める体制の確立
学校教育の充実のためには、子どもに対する愛情や専門家としての力量、高い倫理観など総合的な人間力を備えた教員が必要となる。
このことから、転入教職員を対象とした町内視察を実施するほか、町教育研究協議会への支援を行い、指定校の公開授業、自主公開授業などの学力向上に向けた研究を支援し、資質やモチベーションの向上を図る。
近年、教員の長時間労働が問題となっており、中央教育審議会特別部会がまとめた学校における働き方改革にかかる緊急提言の中では「校長および教育委員会は学校において勤務時間を意識した働き方を進めること」と提言している。
それを受け、本年度はタイムレコーダー設置による教職員の勤務実態の適正把握に取り組むとともに、校務支援システムの導入によって業務の見直しを図り、児童生徒に向き合う時間をつくるなど、学校職員の業務負担の軽減に努める。
▼自立し社会で生きる実践的な力の育成
▽確かな学力を育む教育の充実
一つの授業に複数の教員が指導に当たるチーム・ティーチングは、学習意欲の向上につながるきっかけとなるものとして非常に有効な手法であり、習熟度別指導と併せ、全学校で継続して取り組む。
苫前・古丹別の両地区に配置している学校教育支援員については、着実に成果が表われていることから、引き続き配置するものとし、特別な配慮が必要な児童生徒への支援を中心に、分かりやすい授業づくりを目指す。
また、放課後や長期休業中の学習をサポートするため、各学校において補助的な学習機会を設けるほか、小学校と連携し、子どもたちの家庭学習の定着、学力・体力の向上を目的とした「子ども朝活事業」を実施する。
▽主体的に対応する力を育む教育の推進
子どもが自ら学ぶ楽しさを感じながら、社会で生きる力を身に付けるためには、コミュニケーション能力や表現力の育成が重要となる。
そのため、学校と地域が連携した取組によって、望ましい勤労観や職業観を育み、将来の進路の参考となるような実践的なキャリア教育の充実を図る。
社会のグローバル化はもちろんのこと、三十二年に開催される東京五輪によって、国際理解や英語の必要性はますます加速している。このための学習環境の整備が急務となっている。
小学校では、英語の教科化に向け担任とALTが国際理解や積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を目指す。このような情勢に対応するため、ALTを二名に増員し、より質の高い授業づくりを実現する。
中学校では実践的な外国語教育を充実し、社会において真に必要な能力を身に付けるための基礎づくりとする。
さらに、中学生の英語力・学習意欲の向上を図るために英検検定料の助成を進める。
▽地域総ぐるみで推進する魅力ある商業高校への支援
苫前商業高校は、職業高校としての特質を最大限活用し、地域と連携したキャリア教育が推進できる体制を支援する。
生徒数の確保については大変厳しい状況にあるが、引き続き同校後援会と連携の上、札幌や旭川、稚内の中学校訪問を行い、学校の魅力や優位性を広くアピールしていく。
また、町外からの入学生徒に対応するため、若者交流センターの管理運営を適切に行い、受け入れ環境の充実を図る。
(市町村 2018-04-25付)
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