豊富町30年度教育行政執行方針 幌延町からの通学生送迎 食育推進へマナー給食など
(市町村 2018-04-25付)

豊富町小野寺英治
豊富町教委・小野寺英治教育長

【稚内発】豊富町教委の小野寺英治教育長は、三月上旬の第一回町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を発表した。地域で唯一の高校である豊富高校の間口確保に向け、従来の通学費助成に加えて幌延町からの通学生の送迎を実施すると表明。子どもたちの食生活を健全で豊かなものとするため、町独自のマナー給食やバイキング給食を通して食育の推進を図っていく考えを示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

     ◇

▼生きる力を支える確かな学力の定着

 保護者と連携してスマホやゲームの使用時間を児童生徒が自ら考え、取り組むことを実践し、生活習慣・学習習慣の確立を目指す。

 特別支援教育の推進については、教育支援シートを保育園児の特別な配慮が必要な子から作成し、個に応じた適切な教育を行う支援体制を強化するとともに、適切な学級編制や校種間の連携を進めていく。

▼生きる力を支える豊かな心と健やかな体の育成

 読書活動の推進、体験的な活動の充実を通して豊かな心を育んでいく。健やかな身体づくりでは、持久走の取組や冬季スポーツを通した運動能力の向上と食育や健康教育を推進し、生涯にわたってスポーツを豊かに実践する指導の充実や環境の整備を図っていく。

 いじめや不登校の未然防止対策として、町いじめ防止基本方針によって、関係団体と情報を共有しながら早期発見・早期対応に引き続き取り組み、学校が一体となった対応を強化していく。

 学校給食では、町独自のマナー給食やバイキング給食を通して、子どもたちの食生活を健全かつ豊かなものにできるよう食育を推進する。引き続き衛生管理を徹底し、安全で安心な地場産食材を積極的に使用するなど、栄養と安全面に配慮した学校給食を提供し、近年の食物アレルギーのある児童生徒の増加に伴い、学校における食物アレルギー対応の手引きを基本として対応する。

▼期待され、信頼される学校づくりの推進

 家庭・学校・地域が常に連携して、学校づくりに取り組むことを基本とし、コミュニティ・スクールによって、地域とともに学校運営の改善と充実を図る。学校種間の円滑な接続と連携を推進し、出前授業などによって中一ギャップなどのつまずきをなくす対策を推進する。

 へき地・小規模のよさを生かした教育や社会に開かれた教育課程の実現、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善と授業力向上、育成すべき資質・能力を培うことのできる授業研究を中心とした教員の指導力向上、湯治留学体験や移住による転校など、町の実態に即した創意と活力のある学校づくりを推進する。

 豊富高については、地域で唯一の高校教育の場として重要な機能を果たしており、地域経済に及ぼす影響にも大きなものがあることから、生徒目線での魅力ある高校とはどのようなことかを解明し、町としてどのようなことをすべきかを研究しながら、新年度から幌延町からの通学生の送迎を実施し、従来の通学費助成などの対策を継続して実施する。

 さらに広く情報発信を進めながら、間口確保と存続に向け全力で取り組んでいく。道教委が策定する新たな方針で、地域キャンパス校の名称が地域連携特例校と変更され、人数要件も二十人未満から十人未満へと引き下げられる予定であるが、この人数要件に甘んじることなく、一人でも多くの入学者の確保に取り組んでいく。

▼未来の豊富をつくる人づくり・地域文化の創造

 犯罪の抑止力として効果が大きいスクールガードの立哨が継続できるよう、スクールガードの増員に向けて取り組み、引き続き地域で力強く子どもを守るため町民の協力を得ながら、登下校などの立哨、巡回などに力を入れていく。

 学校支援地域本部事業を継続実施するほか、放課後などにおける児童の安全な居場所づくりのため、地域総ぐるみで活動の充実に努める。

 家庭教育は、人間形成の基礎を培う上で重要な役割を担っている。また、学力向上には家庭での学習習慣の取組が不可欠。これらの取組を引き続き一層進めるため、家庭教育支援チームによって、すべての親に対し子育て支援や相談、講話など家庭教育支援の活動を推進する。

(市町村 2018-04-25付)

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