全道代表高校長研で道教委所管事項説明① 34年度以降の教育課程準備 予定授業時数実施を確実に
(道・道教委 2018-05-01付)

 道教委主催の三十年度第一回全道代表高校長研究協議会(四月十二日、道庁別館)では、各課等担当者が所管事項を説明した。高校教育課所管事項では、高校学習指導要領の改訂を踏まえ、三十四年度以降の教育課程編成に向けた準備を要請。年度当初に予定した授業時数の確実な実施、政治的教養を育む教育の一層の充実、生徒の英語力向上に向けた取組の充実などを求めた。

 説明概要はつぎのとおり。

《高校教育課①》

【新高校学習指導要領】

 三十年三月三十日付で、高校学習指導要領の全部を改正する告示などが公示された。改正の趣旨、留意事項について、十分な理解を図られたい。

【公立高校入学者選抜】

▼三十年度入学者選抜

 三十年度公立高校入学者選抜は、英語における正答表のミスや、社会における問題の削除があり、迷惑をかけたことをおわびする。一方、入学者選抜にかかる事務手続などについては、大きなトラブルもなく、円滑に実施していただき、感謝申し上げる。

▼三十年度入学者選抜の概要(第二次募集合格発表時)

 募集人員は、全日制が三万三千九百四十人、定時制が二千九十人、合計三万六千三十人。入学予定者数(第二次募集の合格発表時)は全日制三万二百二十一人、定時制一千六人、合計三万一千二百二十七人。

 定員に対する充足率は、全日制が八九・〇%、定時制が四八・一%。全定合わせて前年度より一・二ポイント減の八六・七%となった。

▼学力検査結果の口頭による開示

 開示件数は、前年度より六十七件多い、七千四百五十六件。

 開示実施率は、前年度より一・二ポイント増の二八・七二%。

▼三十一年度入学者選抜における学校裁量にかかる事項

 学校裁量にかかる事項の調査は、三十年三月二十九日付教高第二三七九号によって依頼した。本年度から、道外からの出願の受け入れを希望する学科にかかる項目を追加した。調査結果については、道外からの出願の受け入れを実施する学校を含め、六月中旬を目途に公表する予定。

 各学校においては、入学者選抜改善の趣旨を踏まえ、学校裁量にかかる事項の一層の改善を図り、学校の特色を生かした選抜を行っていただきたい。

【国旗・国歌の実施】

 今春の卒業式においても、式次第や進行などは適切に実施されており、各学校の取組に感謝申し上げる。

 入学式などにおける国旗の掲揚および国歌の斉唱については、学習指導要領および二十九年七月三十一日付教義第八一六号通知に基づき、今後も、適切に実施していただきたい。

【教育課程の編成・実施】

▼教育課程の編成・実施

 三十年二月五日付教高第一九六一号通知に基づき、教育課程等の点検を確実に行っていただきたい。本年度も、指導主事による学校教育指導の中で、各学校の状況を把握させていただく。

 新高校学習指導要領が三十四年度から年次進行で実施される。「学習指導要領改訂に伴う教育課程編成スケジュール」を作成したので、これを参考として、各学校において三十四年度以降の教育課程編成に向けて準備していただきたい。

▼授業時数の確保

 一単位当たりの実施すべき各教科・科目の標準の授業時数は、学習指導要領において三十五単位時間と明確に示されており、公立の教育機関としてこの基準を順守するのは当然。各学校においては、定期的に授業の実施状況を確認し、年度当初に予定した授業時数を確実に実施していただきたい。

▼教科書採択

 教科書の選定に当たっては、対外的に説明責任を果たすことができるよう教科書選定委員会において、教科書採択に関する基本方針および教科書採択に関する観点などに基づき適切に実施するとともに、資料を整備・保存していただきたい。

 三十一年度に使用する教科書の選定に当たっては、教育長の採択後に教科書の変更や追加がないよう、十分に確認していただきたい。

▼道高校教育課程改善会議協力員

 『高校教育課程編成・実施の手引』の作成などに協力いただく副校長、教頭および教諭については、道高校教育課程改善会議協力員として年度当初に依頼する。本年度から、各学科に共通する各教科においても協力員の依頼を検討する予定。

▼政治的教養を育む教育の一層の充実

▽政治的教養を育む教育の一層の充実

 各学校においては、生徒が政治参加の重要性や選挙の意義について、より理解を深めるとともに、有権者として自らの判断で権利を行使することができるよう、引き続き、学校における指導の充実を図ることが必要である。

 各学校においては、作成した指導計画に基づき、国が作成した副教材の効果的な活用や、選挙管理委員会や地域の関係機関などと連携した取組を進めるほか、道議会事務局が作成している高校生向け議会広報紙『みんなの道議会』を公民科の授業などで活用するなどして、政治的教養を育む教育の一層の充実を図っていただきたい。

 高校教育課のWebページで紹介している他校の取組事例なども参考とするとともに、各学校の効果的な取組事例を学校Webページに積極的に掲載していただきたい。

▽政治的中立性の確保

 二十八年八月二十九日付事務連絡「高校等における政治的教養の教育について」のとおり、学校は、教育基本法第一四条第二項に基づき、政治的中立性の確保などが求められる。

 各学校においては、政治的教養を育む教育が適切に行われるよう、教職員に対し、指導を徹底していただきたい。

▼北方領土の学習の充実

▽教員の研修の充実等

 二十九年四月二十八日付教義第一八九号通知「北方領土問題に関する研修や事業等の周知について」に基づき、北方領土対策協会などが行う研修や事業への教員などの参加について、本年度も配慮いただきたい。

 また、各学校において、同協会のWebページに掲載されているつぎの動画などを活用していただきたい。

・動画「北方領土エリカちゃん」

・教材『北方領土学習教材集』

▽ポスターコンテストなどへの協力

 「北方領土の日」ポスターコンテスト、「北方領土を考える」高校生弁論大会について、生徒に対し応募を働きかけるとともに、こうした事業の周知を通して、北方領土問題への関心を高めさせるなど、北方領土に関する学習の充実を図っていただきたい。

▽アニメ映画「ジョバンニの島」の活用

 北方領土における実話をもとに制作された映画「ジョバンニの島」は、北方領土に関する生徒の興味を高め、理解を深める上で有効な素材である。

 この映画については、二十六年十二月二十五日付教義第一四八五号通知「北方領土を舞台にした映画“ジョバンニの島”の活用等について」のとおり、芸術鑑賞会などでの上映の検討や、図書館用DVDおよび原作図書の配置などに配慮いただきたい。

▼生徒の英語力向上に向けた取組

 道教委では、高校卒業段階で英検準二級以上を取得している生徒、または同程度の力を有していると考えられる生徒の割合を五〇%以上、英検準一級以上などを取得している高校の英語教員の割合を七五%以上とすることを目標としている。

 二十九年度の英語教育実施状況調査(札幌市立高校を除く公立高校)では、高校卒業段階の英検準二級以上を取得している生徒、または同程度の力を有していると考えられる生徒の割合は、昨年十二月の調査において、前年度の三四・五%からは増加したものの、依然として低く三六・九%という状況である。

 生徒の英語によるコミュニケーション能力の向上に向けては、英語による言語活動の充実によって授業を実際のコミュニケーションの場面とすること、自校におけるパフォーマンステストを実施すること、英検などの外部検定試験の活用を図ることなどによって、生徒の英語力をより客観的に把握し、把握した生徒の英語力を踏まえて生徒の英語によるコミュニケーション能力の育成を図っていただきたい。

 また、英検準一級以上を取得している高校の英語教員の割合は、昨年十二月の調査において、前年度の四七・〇%から五〇・七%に増加した。

 英検準一級以上等を取得している高校の英語教員の割合の向上に向けては、各試験団体による英語教員を対象とした特別受験制度を活用し、積極的に受験していただくよう指導助言いただきたい。

【各種事業】

▼道高校学力向上実践事業

▽教材作成

 教材作成については、昨年度、推進校および協力校において精力的に進めていただいた。

 生徒用と教師用の二種類の教材のほか、新たに教師用の指導案例と小テスト用問題を作成し、四月中に高校教育課のWebページに掲載する予定。

 各学校には、教員や生徒の積極的な利活用をお願いするとともに、より効果的な教材となるよう、スクールネットの当該ページの掲示板などに意見を寄せていただきたい。

▽学力テスト

 本年二月十五日から三月末日までの間に、二百二十七校(全日制の道立高校百九十五校、市町村立学校十六校、定時制の道立高校九校、市町村立高校七校、生徒数二万七千四百三十七人)で実施した。

 結果については、全道分を集計し六月中を目途に送付予定。

 各学校においては、本結果をもとに、生徒の学習内容の定着状況を把握し、授業改善に役立てていただきたい。

▽道高校学習状況等調査

 結果については、全道分を集計し六月中をめどに送付する予定。

 今後、各学校においては、全道の集計結果などを活用し、自校の調査結果を分析・活用して、学力向上の取組の充実を図っていただきたい。

 また、保護者に成績表を送付する際に本資料を同封するなどして、学校の取組に対して一層の理解と協力が得られるよう努めていただきたい。

▽授業実践講座

 つぎの各講座の実施にかかわり、会場の提供や講師となるスペシャリストの派遣について、協力をお願いする。

①教科指導講座

・期日=七~十一月の期間の一日間

・会場=全道二十会場(道内四ブロックごとに五教科を開催)

・内容=主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善に関する実践的な教科指導力の向上を図る研究授業や研究協議、ワークショップなど

②進学指導講座

・期日=七~十一月の期間の一日間

・会場=全道六会場(国語、数学、英語について各二会場で開催)

・内容=大学進学希望者の進路実現を図る教科指導の在り方に関する研究協議など

③ICT活用講座

・期日=七~十一月の期間の一日間

・会場=全道二会場

・内容=ICTを活用した効果的な教科指導に関する研究協議など

▽ハイレベル学習セミナー

 生徒の参加ならびに講師の派遣などについて、配慮いただきたい。

①中央セミナー

・期日=三十一年一月八~十一日(三泊四日)

・会場=ネイパル深川

・対象=選抜性の高い大学への進学を目指す道立高校一年生および中等教育学校四回生

・ねらい=進路実現に向けた学力の向上と進学意欲の高揚を図る

②地区セミナー

 四月九日付教高第四四号通知「道高校学力向上実践事業ハイレベル学習セミナー“地区セミナー”について」によって、三十年度地区セミナーを開催する学校(推進校)を募集する。

 中央セミナーへの参加が困難な地域に所在する学校にあっては、推進校として地区セミナーを開催する、または推進校の取組に積極的に参加するなどしていただきたい。

・期日=五月~三十一年三月(一日×三回)

・会場=道内四会場(推進校)

・対象=選抜性の高い大学への進学を目指す道立高校生徒および中等教育学校生徒

▽学習サポート

 学習の定着や学習意欲が不十分な生徒の学習意欲・学力向上を図ることを目的として、希望する道立高校に、放課後の補習などのための学習支援員を配置する予定。

▼文部科学省「教科等の本質的な学びを踏まえた主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点からの学習・指導方法の改善の推進事業」

 文科省が三十~三十一年度に実施する本事業に、夕張高校、静内高校、遠別農業高校、帯広柏葉高校を拠点校として計画書を提出。

 本事業の採択予定は小・中・高校を合わせて全国で七件程度であり、五月中には採択結果が判明する予定。

 道教委では、本事業の採択結果にかかわらず、前年度までの事業を引き継ぎ、各管内に主体的・対話的で深い学びの視点からの学習・指導方法の改善に取り組む学校を指定して、各学校におけるカリキュラム・マネジメントの確立を支援することとしている。

▼地域医療を支える人づくりプロジェクト事業

▽医進類型指定校等連絡協議会

 本年度の医進類型指定校等連絡協議会は六月七日に開催する予定。指定校および協力校においては、関係の職員の出席について、配慮いただきたい。

▽メディカル・キャンプ・セミナー

 八月七~十日、ネイパル深川、札幌医科大学および旭川医科大学を会場に実施する予定。

 内容などについては、今後、各医育大学および関係機関などと調整し、決定次第知らせる。各学校においては、教員の派遣および生徒(二年生)の参加について、配慮いただきたい。

▽高校生メディカル講座および地域医療体験事業

 医進類型指定校のない管内においては、協力校を指定して、高校生メディカル講座および地域医療体験事業を実施する。

 これらの取組については、指定校および協力校において、高校教育課や教育局と連携し、医育大学や総合振興局、道医師会などの協力を得て、内容の充実を図っていただきたい。

 また、医学部への進学を目指す生徒が在籍する学校においては、生徒の参加について、配慮いただきたい。

▼スーパーグローバルハイスクール事業

 昨年十一月、指定校・アソシエイトの高校生が初めて一堂に会する二〇一七年度スーパーグローバルハイスクール(SGH)全国高校生フォーラムが横浜で開催され、全国の百十六校が自校の取組を発表した。登別明日中等教育学校が参加校の生徒の投票による上位四校に選ばれ、生徒投票賞を受賞した。

 指定校の取組や成果などについては、道教委主催の成果発表会を実施するほか、各種研修会を通じて提供する。各学校においては、授業改善などに積極的に活用していただきたい。

▼U―18未来フォーラム

 拠点校八校において、海外の高校などとの定期的な交流を通して、英語による発表や日本文化の紹介など言語活動にかかる指導方法や交流に関する実践研究を実施。

 二十九年度は、拠点校のネット通信環境を改善するため、Wi―Fi機器を設置する予算を計上。五校でWi―Fiを設置済み。

 本年度は、これまでの取組と成果を普及するため、全道フォーラムを開催する予定であり、各学校においては、教員の積極的な参加について配慮いただきたい。

▼高校英語力向上事業

 道立高校などの生徒の英語力の向上に向けて、学科の特性などに応じて英語の活用場面を想定した三タイプの学習プログラムの開発を通じた英語の授業の改善充実を図る取組を実施する。

 昨年度からの継続校は二校、新規校は八校を指定する予定。また、指定校ごとに、指定校と同一の大学科を設置する学校の英語担当教員を構成員とするプロジェクトチームを編成して、指定校の取組を支援する。

▼グローバル人材育成キャンプ(新規)

 本道のグローバル化の推進に資するため、国際社会に対応できる英語力や国際理解能力を備えた人材の育成を図ることをねらいとして、道南、道東、道北、道央など四地域でネイパルなどを会場とし、高校生を対象とするグローバル人材育成キャンプを実施する。

 定員は各会場三十人程度で、夏季休業または冬季休業中の三日間とし、六月ころから募集を開始する予定。

 各学校においては、生徒の参加はもとより、外国語担当教諭やALTの派遣についても特段の配慮をお願いする。

▼高校生留学フェア・道グローバル語り部事業(新規)

 生徒の海外留学や海外進学への意欲を高めるため、前年度まで道内五会場で行われていた留学フェアに代わり、道グローバル語り部事業を道立高校など十八校で開催する。

 札幌会場のみで行われていた海外大学進学・留学セミナーについては、十一月に開催する予定。

▼高大連携による「Hokkaido Study Abroad Program」(新規)

 道内大学と連携し、留学生と道立高校生を相互に派遣し合い、北海道にいながら擬似的に留学を体験できる機会を創出し、交流を通じて生徒の英語力のスキルアップを図るとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を育成する。

 詳細が決定次第知らせるので、各学校においては、生徒の参加および大学生の受入れについて配慮いただきたい。

 

【修学旅行の協議】

 修学旅行の実施に当たっては、生徒の安全を確保することが重要であることから、特別な配慮を必要とする生徒が在籍し、旅行中に個別に対応する必要があるため、配分基準教員数を超えた人数を要望する場合などには、早めに教育局を通じて高校教育課と協議願いたい。

【特別支援教育】

▼高校における特別支援教育支援員配置事業

 昨年度実施した教育上特別な支援を必要としている生徒の状況および支援の状況の把握についての調査結果によって各学校の状況を把握し、本年度は四月、十三校に支援員を配置した。このあと、六月に実施する一年生を対象とする調査結果によって各学校の状況を把握し、予算の範囲内で支援員を追加配置することも検討する。

▼通級による指導

 三十年三月二十六日付事務連絡によって「道立高校等における通級による指導(生徒・保護者向けリーフレット)」を送付した。各学校において、生徒や保護者へ説明する際に活用していただきたい。

 三十年度は、国の事業の指定を受けていた北見北斗高校、上士幌高校、本別高校、大樹高校の四校で通級による指導を実施する。

▼日ごろからの適切な学習指導

 教育上特別な支援を必要としている生徒に対しては、日ごろからチーム・ティーチングや個別指導などによるきめ細かな学習指導に努めるとともに、必要に応じて補習を行うなど、生徒の実態に即した様々な方策を講じていただきたい。

 単位の認定に当たっては、障がいのあるなしにかかわらず、授業における生徒の取組状況や課題の提出状況、補習の出席状況など、個々の生徒の学習状況を十分に考慮しながら、多面的に評価していただきたい。

【キャリア教育】

▼インターンシップなどの体験的な学習の充実

 二十九年度のインターンシップ実施状況調査では、三年間に一回以上インターンシップを経験した生徒の割合は六五・六%となっており、前年度と比べて一・四ポイント増加した。

 本年三月に決定した道教育推進計画では、キャリア教育の充実にかかわり、在学中に自己の在り方、生き方を考え、主体的に進路を選択できる力を育成するため、インターンシップなどの体験的な学習活動を経験した生徒の割合を、三十四年までに一〇〇%とするよう指標を設定した。各学校においては、一人ひとりの社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を育てるため、体験的学習活動の充実を図っていただきたい。

▼道ふるさと・みらい創生推進事業

 本事業は、知事部局と道教委が連携し、本道の基幹産業などへの関心を高めるインターンシップや、本道産業や地域を支える人材の育成に向けて、高校生が自ら考え提案する事業などで構成しており、これらの取組を通して、道立高校における産業教育やキャリア教育の充実を図るもの。

 このうち、インターンシップについては、今後、関係の知事部局が実施する実習内容をまとめて通知するので、多くの生徒に学習機会を提供するよう努めていただきたい。また、高校OPENプロジェクトについては、地域課題の解決に取り組む中で、生徒のキャリア発達を促すこととしていることから、多くの学校に応募いただきたい。

 本事業にかかわらず、地域から学校のキャリア教育に対する支援の申し出がある場合においては、教育課程に位置付けて取り組むなど、生徒が地域の一員であるとの意識を高めることができるよう、前向きに検討していただきたい。

 【就職指導①】

▼三十年三月公立高校卒業者の就職決定状況(三月末現在、道教委調査)

 就職希望生徒数は、前年同期比三百二人減の八千二百九十二人、就職決定生徒数は、三百三十一人減の八千九十九人、就職未決定生徒数は、二十九人減の百九十三人。就職決定率は、〇・四ポイント減の九七・七%となった。

 就職内定状況などに関する調査は、これまで九月以降、毎月末に実施してきたが、雇用情勢が安定していることを受けて調査を減らし九月末、十月末、十二月末、三十一年三月末に実施する予定。

▼就職未決定のまま卒業した生徒に対する指導

 三月の調査によると、就職未決定のまま卒業した生徒は二・三%であり、昨年度と比較すると〇・四ポイント増加した。

 各学校においては、就職が未決定のまま卒業した生徒の状況を把握し、国や道が行う就職支援策を情報提供したり、ハローワークやジョブカフェ北海道が行う就職相談などの活用を働きかけたりするなどして、就職支援に努めていただきたい。

▼キャリアプランニングスーパーバイザーの活用

 昨年度、新規学卒者就職対策推進事業実施要項を一部改正し、進路相談員の職名をキャリアプランニングスーパーバイザーに変更した。また、勤務の内容について、管内のインターンシップ受入先の開拓を追加した。

 今後も、生徒の適性に応じたキャリアカウンセリングなどに、キャリアプランニングスーパーバイザーを積極的に活用いただきたい。

▼職場への定着

 昨年度の道労働局の調査によると、道内新規高卒者が卒業後から三年間に離職する割合は四六・九%となっており、四年連続して減少傾向にある。その要因は一概には言えないが、高校就職促進マッチング事業やじもと×しごと発見フェアなどを活用した職種・職業へのマッチングが定着してきたほか、各学校における生徒一人ひとりに対するきめ細かな進路指導の充実が功を奏したものと考えられる。

 各学校においては、職場への定着に向け、引き続き、自分の能力・適性、職業に対する理解の深化やコミュニケーション能力の育成を図るため、入学当初から計画的に進路相談を実施するとともに、キャリア教育の視点に立った就職指導の改善・充実に努めていただきたい。

▼就職指導の改善に関する研究

 昨年度、就職指導の改善に関する研究実施要項を一部改正し、早期離職の改善に向けた企業などとの連携方策等について研究課題として取り組むこととした。

 三十年度の研究指定校には、美唄尚栄高校、苫小牧工業高校、旭川農業高校、留萌高校、稚内高校、訓子府高校の六校を指定し、就職支援教員を配置。

 研究指定校と同じ管内の学校は、依頼に応じて調査などへの協力をお願いする。

▼三十一年三月新規高校卒業者の就職に関する事項

 三十一年三月新規高校卒業者の就職に関して、本年一月末に開催された道高校就職問題検討会議において申し合わせが行われ、三十年二月二十一日付教高第二〇六九号によって通知。申し合わせの変更点としては、ハローワークが行う新規高卒者就職面接会で応募する場合は、期間にとらわれず一人二社以上の応募・推薦を可能とした。

 三十年三月新規高校卒業予定者の就職のための推薦および選考開始期日などについては、教育委員会公報によって近日中に通知する予定。

 昨年度、渡島管内において、就職選考応募受付期日前に選考が終了していた事例があり、文部科学省に報告。こうした場合は、地域のハローワークとも連携を図り、適正に対応いただきたい。

(道・道教委 2018-05-01付)

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