２７日に丘珠縄文遺跡学習館など開館　縄文晩期の暮らし体験　札幌市埋蔵文化財センター

（市町村 2018-05-08付）

縄文体験活動が可能なほか、遺跡出土品などを展示する

　札幌市埋蔵文化財センターは今月二十七日、サッポロさとらんどの園内に丘珠縄文遺跡の体験学習館と展示室をオープンする。火起こしなどの縄文体験活動ができるほか、遺跡の出土品などを展示する。今後、団体での利用受付について開始時期を検討することとしている。

　丘珠縄文遺跡は、平成四年、サッポロさとらんどの造成前の試掘調査で発見された。市内最大級の縄文晩期（約二千三百年前）の遺跡で、土器・石器が約二千九百点出土。狩猟や採集などを目的とした季節的な生業活動が繰り返されていたことが分かっており、続縄文文化、擦文文化へと続く札幌低地での具体的な暮らしぶりの原形を示している。

　市では、札幌の縄文文化の魅力を発信するため、遺跡の整備計画の方向性を示した「仮称・丘珠縄文遺跡公園整備基本構想」を二十六年に策定。縄文文化への学びの導入として、ガイダンス施設を設置することなどを掲げ、本年度のオープンに向けて整備を進めてきた。

　施設の建築工事などが完了したため、今月二十七日、サッポロさとらんどの園内に体験学習館と展示室をオープンする。

　体験学習館は、展示コーナーや体験ヤードなどを設置。無料の火起こし体験や有料の土器・勾玉づくりなどの縄文文化体験ができるほか、遺跡発掘調査で出土した遺物の水洗いなどを行う。収容人数は約八十人となっている。

　展示室は、さとらんどセンターの二階に設置。遺跡の出土品を展示するほか、企画展などを行い、情報を発信していくこととしている。

　二十七日のオープン当日には、午前十時三十分から体験学習館でオープニング式典を行う。秋元克広札幌市長らのテープカットを予定しているほか、丘珠獅子舞が披露される。午前十一時から一般に施設を開放し、体験学習館では、土器の復元や火起こしなどの体験を実施する。

　入場は無料。

　今後、勾玉づくりなど、体験学習館における有料体験活動や団体利用の受付については、広報やホームページを通して案内する予定だ。

(市町村 2018-05-08付)