札特協 栗原会長あいさつ概要 連携深め共生社会実現(関係団体 2018-05-18付)
札特協三十年度定期総会・研修会開会式における、栗原靖会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
◇ ◇ ◇
本年度、市では特別支援学級が新たに小学校十七校に十八学級、中学校九校に十学級、計二十六校・二十八学級が開設された。
札特協の設置校の会員である校長は、小学校が百八十六人、中学校が八十五人となり、未設置校の会員は小学校十四人、中学校十八人となっている。
二十九年度の市内特別支援学級在籍児童生徒数は、小・中学校を合わせて二千六百八十三人。前年度に比べて百十三人増えている。また、小学校に十二校、中学校に四校設置されている通級指導教室に通う小・中学生は二十九年度には九百人となり、こちらも前年度より六十四人増えている。
市で少子化が進んでいることを考えると、特別支援教育に対するニーズは依然として高いことがこれらの数値に表れているように感じる。本会としても、札幌市教委、関係機関と一層連携して本年度も会務を推進していかなければという思いを新たにしている。
さて、三十年度の総会・研修会にかかわり、二つ述べたいと思う。
一つ目は、「心のバリアフリーの実現」について。
文部科学省に心のバリアフリー学習推進会議という有識者会議が設けられている。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催を契機に共生社会の実現を目指して、関係閣僚会議で「ユニバーサルデザイン2020行動計画」を決定したことに基づき設けられた会議。ことし二月二日には「学校における交流および共同学習の推進について~“心のバリアフリー”の実現に向けて」と題する報告が公表された。
そのポイントは三点ある。第一は交流および共同学習の推進。第二は障がいのある人との交流の促進。第三は関係団体などとのネットワーク形成の促進。すでに、障害者基本法や現行の学習指導要領の総則の中でも、交流および共同学習の実施については義務付けられているが、一層の推進が求められていると言える。
この心のバリアフリー学習推進会議の報告を受け、文科省は二月八日に通知「障害のある幼児児童生徒と障害のない幼児児童生徒の交流および共同学習等の推進について」を発出し、各学校での交流および共同学習の推進を促している。
我々校長・園長のリーダーシップのもと、学校や園全体で計画的・組織的に取り組み、教職員全体で交流および共同学習の目的や内容をあらためて確認・共有し、共生社会の実現に寄与していきたいと思う。
二つ目は、新学習指導要領について。
小学校の新学習指導要領を例にすると、特別支援教育については、総則において「特別な配慮を必要とする児童への指導」として約一ページにわたって四項目が示され、特別支援学級や通級指導教室の指導、個別の教育支援計画、個別の指導計画の重要性について述べられている。
市ではこれまでも、障がいのある児童などに長期的な視点をもって関係機関と連携した継続的な指導・支援の充実を図るため、個別の教育支援計画の作成と活用を推進してきた。
また、各教科などの指導に当たっては、個々の児童の実態を的確に把握した上で、個別の指導計画の作成と活用を推進している。そして、昨年一月には「サポートファイルさっぽろ」を本市における個別の教育支援計画の基本様式に定め、一層の作成と活用を推進してきている。
小学校においては、新学習指導要領の先行実施に伴い、個別の教育支援計画と個別の指導計画にかかわって、通常の学級に在籍する児童には「作成し、活用することに努めること」が、特別支援学級に在籍する児童と通級による指導を受ける児童には「作成し、効果的に活用すること」が義務付けられた。
本年度からは確実な作成と活用を進めなければならない。通級指導を受ける児童にかかわる作成は、在籍校が通級指導校と連携しながら行うこととなっている。
札特協で行っている現況調査では、昨年までの個別の教育支援計画の作成率は小・中学校とも七割程度にとどまっている。各学校においては、校長がリーダーシップを発揮し、周知と理解を図り、確実な作成と活用を進めることが重要。特別な教育的支援を必要とする一人ひとりの児童生徒の成長を支えていきたい。
札特協は本年度も、札幌市教委と情報交流会などを通して連携するとともに、各校長会・園長会との連携を図りながら、例年と同じく研修会や幼保小授業公開交流事業などを行う。本年度も市の特別支援教育の充実と推進に努めるので、支援・協力をお願いする。
(関係団体 2018-05-18付)
その他の記事( 関係団体)
チーム道小推進に向け地区幹事増 道小理事研 本間会長あいさつ
十五日に開かれた道小学校長会三十年度第一回理事研修会における本間達志会長のあいさつ概要はつぎのとおり。 ◇ ◇ ◇ 第一回の理...(2018-05-18) 全て読む
30年度当初期限付教諭配置実態調査 定数欠は6校増え42校 道小が地区校長会の情報収集
道小学校長会(本間達志会長)は、三十年度当初の期限付教諭配置に関する実態調査結果をまとめた。四月十六日現在、未配置となっている学校と延べ人数は、定数欠一人の学校が前年度より四校四人増の三十...(2018-05-18) 全て読む
公立小・中・特女性管理職会が総会 新会長は村上校長(札幌市西野第二小) 8月に小樽市で研究大会
道公立小・中・特別支援学校女性管理職会は十二日、ホテルライフォート札幌で三十年度総会を開いた。八月に小樽市内で第四十四回研究大会後志大会を開催するなど、本年度の事業計画を決定。役員改選では...(2018-05-18) 全て読む
道中理が常任理事会等開く 10月旭川市で研究大会 新会長は小路校長(札幌市中島中)
道中学校理科教育研究会(=道中理)は十二日、ホテルライフォート札幌で三十年度常任理事会・理事会・事務局総会を開いた。十月に旭川市で開催する第五十七回道中学校理科教育研究会旭川大会に向けて準...(2018-05-18) 全て読む
道へき・複教育研究連盟が定期総会 9月に全道研究後志大会 創立70周年記念誌の作成も
道へき地・複式教育研究連盟は十一日、ホテルライフォート札幌で三十年度定期総会を開いた。九月に開く第六十七回全道へき地複式教育研究大会後志大会と全道へき地複式教育研究大会空知プレ大会に向けて...(2018-05-18) 全て読む
札特協が30年度定期総会開く 8月に道特協と合同研 役員改選 栗原会長を再任
札幌市特別支援学級設置学校長協会(=札特協)は十日、市内ちえりあで三十年度定期総会・研修会を開いた。八月に道特別支援学級設置学校長協会と合同研修会を開くなど、本年度の活動計画を決定。役員改...(2018-05-18) 全て読む
新会長に川上氏(えりも町教育長) 日高管内教委連が総会開く
【浦河発】日高管内教育委員会連絡協議会は四月下旬、日高合同庁舎で三十年度総会を開いた。管内七町の教育委員会、日高教育局から二十三人が出席。三十年度事業計画や予算を決めたほか、役員改選では...(2018-05-18) 全て読む
渡島管内11市町小・中校長会役員 5市町の会長6人交代
【函館発】渡島管内各市町校長会の三十年度役員がまとまった。函館市小学校長会と中学校長会など、五市町で会長六人が交代した。 本年度の役員はつぎのとおり。=敬称略= ▼函館市小学校 ▽...(2018-05-17) 全て読む
渡島管内11市町小・中教頭会の役員 函館市小・中などで新会長
【函館発】渡島管内各市町教頭会の三十年度役員がまとまった。函館市小学校および中学校をはじめ七市町で会長八人が交代している。 本年度の役員はつぎのとおり。=敬称略= ▼函館市小学校 ...(2018-05-17) 全て読む
道高校長協会各部会が総会等開く―定通部会 有朋・蓑島校長を新部会長に 新たな教育の在り方検討 10月に生徒生活体験発表大会
道高校長協会定通部会は八日、ホテルライフォート札幌で総会・研究協議会を開いた。活動方針に「北海道における新たな定通教育の在り方を検討する」を設定。十月に札幌市で道高校定時制通信制生徒生活体...(2018-05-17) 全て読む