札特協 栗原会長あいさつ概要 連携深め共生社会実現
(関係団体 2018-05-18付)

 札特協三十年度定期総会・研修会開会式における、栗原靖会長のあいさつ概要はつぎのとおり。

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 本年度、市では特別支援学級が新たに小学校十七校に十八学級、中学校九校に十学級、計二十六校・二十八学級が開設された。

 札特協の設置校の会員である校長は、小学校が百八十六人、中学校が八十五人となり、未設置校の会員は小学校十四人、中学校十八人となっている。

 二十九年度の市内特別支援学級在籍児童生徒数は、小・中学校を合わせて二千六百八十三人。前年度に比べて百十三人増えている。また、小学校に十二校、中学校に四校設置されている通級指導教室に通う小・中学生は二十九年度には九百人となり、こちらも前年度より六十四人増えている。

 市で少子化が進んでいることを考えると、特別支援教育に対するニーズは依然として高いことがこれらの数値に表れているように感じる。本会としても、札幌市教委、関係機関と一層連携して本年度も会務を推進していかなければという思いを新たにしている。

 さて、三十年度の総会・研修会にかかわり、二つ述べたいと思う。

 一つ目は、「心のバリアフリーの実現」について。

 文部科学省に心のバリアフリー学習推進会議という有識者会議が設けられている。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催を契機に共生社会の実現を目指して、関係閣僚会議で「ユニバーサルデザイン2020行動計画」を決定したことに基づき設けられた会議。ことし二月二日には「学校における交流および共同学習の推進について~“心のバリアフリー”の実現に向けて」と題する報告が公表された。

 そのポイントは三点ある。第一は交流および共同学習の推進。第二は障がいのある人との交流の促進。第三は関係団体などとのネットワーク形成の促進。すでに、障害者基本法や現行の学習指導要領の総則の中でも、交流および共同学習の実施については義務付けられているが、一層の推進が求められていると言える。

 この心のバリアフリー学習推進会議の報告を受け、文科省は二月八日に通知「障害のある幼児児童生徒と障害のない幼児児童生徒の交流および共同学習等の推進について」を発出し、各学校での交流および共同学習の推進を促している。

 我々校長・園長のリーダーシップのもと、学校や園全体で計画的・組織的に取り組み、教職員全体で交流および共同学習の目的や内容をあらためて確認・共有し、共生社会の実現に寄与していきたいと思う。

 二つ目は、新学習指導要領について。

 小学校の新学習指導要領を例にすると、特別支援教育については、総則において「特別な配慮を必要とする児童への指導」として約一ページにわたって四項目が示され、特別支援学級や通級指導教室の指導、個別の教育支援計画、個別の指導計画の重要性について述べられている。

 市ではこれまでも、障がいのある児童などに長期的な視点をもって関係機関と連携した継続的な指導・支援の充実を図るため、個別の教育支援計画の作成と活用を推進してきた。

 また、各教科などの指導に当たっては、個々の児童の実態を的確に把握した上で、個別の指導計画の作成と活用を推進している。そして、昨年一月には「サポートファイルさっぽろ」を本市における個別の教育支援計画の基本様式に定め、一層の作成と活用を推進してきている。

 小学校においては、新学習指導要領の先行実施に伴い、個別の教育支援計画と個別の指導計画にかかわって、通常の学級に在籍する児童には「作成し、活用することに努めること」が、特別支援学級に在籍する児童と通級による指導を受ける児童には「作成し、効果的に活用すること」が義務付けられた。

 本年度からは確実な作成と活用を進めなければならない。通級指導を受ける児童にかかわる作成は、在籍校が通級指導校と連携しながら行うこととなっている。

 札特協で行っている現況調査では、昨年までの個別の教育支援計画の作成率は小・中学校とも七割程度にとどまっている。各学校においては、校長がリーダーシップを発揮し、周知と理解を図り、確実な作成と活用を進めることが重要。特別な教育的支援を必要とする一人ひとりの児童生徒の成長を支えていきたい。

 札特協は本年度も、札幌市教委と情報交流会などを通して連携するとともに、各校長会・園長会との連携を図りながら、例年と同じく研修会や幼保小授業公開交流事業などを行う。本年度も市の特別支援教育の充実と推進に努めるので、支援・協力をお願いする。

(関係団体 2018-05-18付)

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