小中一貫カリキュラム作成研開く―道教委 系統性等の重要さ学ぶ 早稲田大・小林教授講演など
(道・道教委 2018-05-25付)

小中一貫教育支援カリキュラム、小林
小林教授は、授業実践の蓄積・共有によるカリキュラム作成のアプローチを説いた

 道教委は二十三日、札幌市内の道自治労会館で小中一貫教育支援事業カリキュラム作成全道研修会を開いた。早稲田大学教育学部の小林宏己教授が「小中一貫したカリキュラムの編成・実施について」と題し、カリキュラム作成の手法や連携・一貫教育への期待と課題について講演。参加者は実践発表、協議を通して、今後の小中一貫教育の推進方策に向けて考えを深めた。

 小中一貫教育支援事業の趣旨、内容などの共通理解を図るとともに、カリキュラム作成への理解を深め、指定地域における今後の取組を明確にすることがねらい。事業指定地域の市町教委担当者、指定校の校長やカリキュラム作成担当者など約百四十人が参加した。

 はじめに、池野敦義務教育課長があいさつ。事業の指定地域・指定校の関係者に対し、義務教育段階における目指す子ども像の共有、系統性・連続性を確保した教育課程の充実、小中一貫教育推進のための体制整備など、事業成果の積極的な発信に期待した。

 事業説明のあと、江差町立江差北中学校、江差町立江差北小学校、北広島市立東部中学校、斜里町立知床ウトロ学校の教員が、九年間を通じたカリキュラム作成の実践を発表した。

 午後からは、早稲田大学教育学部の小林教授が「小中一貫したカリキュラムの編成・実施について」と題して講演した。

 小林教授は、学校種を超えた教員間の相互理解の形成、異年齢集団との交流による児童生徒の関係性・社会性の構築など、連携、一貫教育のメリットを提示。

 カリキュラム作成のアプローチは、学習指導要領に基づく年間・単元の指導計画を立案した上での授業改善が重要とし「リキュラム作成とは、授業の経験の総体に教育的価値を積み上げ、反省的に考える行為全体のこと」「子どもたちの成長過程に即した授業づくり、子どもの発達に即した形にリフォームすることが基本」と説いた。

 また「活発に授業を見せ合う文化にならなければ、学校の垣根を超えることはできない」とし、教員間で授業の相互理解を深める交流の重要性を指摘。創造的実践を相互に公開、共有するシステムの構築を説いた。

 学習・生活規律に関しては、小中で統一または発達段階に応じて見通しをもって身に付けさせるよう指導するべきとし、小中一貫教育の取組を保護者に周知して協力を得ること、連携、一貫教育の先には必然的に地域との連携が含まれることを説いた。

 このあと、今後の小中一貫したカリキュラムの編成・実施について協議した。

(道・道教委 2018-05-25付)

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