道内29年度公務災害状況(札幌市除く)―道教委まとめ 前年度比50件増の355件 リーフレット等で再発防止
(道・道教委 2018-05-24付)

傷病別認定件数(グラフ)
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 道教委は、札幌市を除く道内の二十九年度公務災害状況をまとめた。授業、部活動指導、学校行事など、教育活動中に発生した公務災害の発生件数は三百五十五件。前年度より五十件の増となった。このうち、動作の反動や無理な動作によるものが八十六件、転倒が六十六件、飛来・落下が四十七件など。職場環境を把握して対策を講じることや、少しの注意を払うことで防げたケースも多く、道教委は、リーフレット『公務(通勤)災害を未然に防止するために』の活用や再発防止、職員の健康管理に取り組むことなどを呼びかけている。

 今回から、札幌市教委所管分を除いて集計。二十九年度における札幌市を除く道内の公務災害の発生件数は三百五十五件で、前年度より五十件増加した。

 校種別では、小学校が百四十五件、中学校が六十四件、高校が七十六件、特別支援学校小・中学部が二十六件、特別支援学校高等部が四十件、中等教育学校が一件、事務局が三件となっている。

 管内別にみると、石狩が七十一件、空知が四十三件、十勝が四十件、上川が二十九件など。

 状況別では、通常職務での発生が百五十二件と最も多く、体育授業が六十七件、部活動指導が四十五件、学校行事が三十四件、出張・研修が十九件、中・昼休みが十六件、その他二十二件だった。

 体育授業では、マット運動の模範演技をした際に頸部に負荷がかかり負傷したケース、走行の手本指導時に大腿部に負荷がかかり負傷したケースなどがあった。

 傷病部位別では、下肢が百二十八件、上肢が九十二件、頭部が六十三件、複合部位が三十六件、胴体が二十九件、頚部七件などとなっている。

 事故の型別でみると、動作の反動や無理な動作によるものが八十六件、転倒が六十六件、飛来・落下が四十七件、激突が三十五件などとなった。

 傷病別では、打撲・挫傷が九十四件、骨折が八十六件、創傷(擦過傷含む)が五十件、靱帯・腱断裂が四十五件、捻挫(腰痛除く)が三十件など。

 第三者による加害事案は、前年度比三件減の八件。障がい特性のある児童生徒の加害行為による負傷などがあった。

 月別では、一・二・六・十一月に多く発生している。

 年代別では、四十代以上の被災職員が六七%を占めており、男女ともに四十代が最も多い。

 道教委が作成したリーフレット『公務(通勤)災害を未然に防止するために』では、日ごろから公務災害防止の意識を学校全体でもつこと、職員の健康管理面に留意した無理のない校内体制の確立に努めること、けが防止対策の見直し・改善に取り組むことなどを挙げている。

 道教委は、職場環境を十分に把握し、あらかじめ対策を講じることや、少しの注意を払うことで防げたケースが多いと分析している。

 各教育局、道立学校、札幌市を除く市町村教委、学校に対してリーフレットの活用や、事故の原因分析と再発防止、職員の健康管理に取り組むなど、事故の未然防止、安全に対する意識啓発を呼びかけている。

(道・道教委 2018-05-24付)

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