周辺地区題材の探究的学習試行―市立札幌藻岩高　まちづくり策を考案へ　観光や経済など６テーマ

（学校 2018-05-31付）

　市立札幌藻岩高校（阿部孝則校長）は、本年度から総合的な学習の時間に“周辺地区を題材にした探究的な学習”を試行的に開始した。同校がある南区の魅力や課題について探究し、持続可能なまちづくりに向けた解決策や取組を考案するもの。対象は二年生三百二十人で、協働して解決策を見いだす力の育成などを目指す。

同校は、十八年度から環境教育に重点を置いた教育活動を展開。一年生が総合的な学習の時間に、北海道大学の教授らの指導のもと一日研究体験を行う“北大環境教育講座”を受講し、探究的な学習を行ってきた。

　ここ数年、同講座での探究的な学びを「つぎのステップ（つぎの学年）に生かせないか」といった視点で検討。本年度から試行的に“地域を題材とした探究的な学習”を開始することとした。

　生徒が地域社会や、地域で働く人々とかかわることで社会への関心を高めることを目指すほか、多様な価値観や生き方にふれてもらうことがねらい。

　取組の対象は二年生三百二十人。今後、区のまちづくりに携わる人々の講演を聞いたあと、藻岩、真駒内、石山、藤野、藻岩下の五つの地区および「健康・スポーツ」「観光」「自然環境」「安全」「福祉・子育て」「経済」の六つのテーマを選択し、クラス内で五人程度のグループを編成する。

　テーマごとの講演を聞き、グループで課題の方向性などをまとめ、五つの地区でフィールドワークを実施。地域住民の声などを聞くことで、現状を把握し、課題を掘り下げることとしている。

　十二月には、取組の協力者を招き、生徒たちが考案した課題解決に向けたアイデアを発表することとしている。

　本年度の活動を通して、生徒の「地域の課題を発見する力」「課題を明確化する力」「情報を収集・整理する力」「協働して解決策を見いだす力」の育成を図る。

　また、本年度の成果や課題を検証した上で、来年度の実施について検討することとしている。

(学校 2018-05-31付)