道教育大附属釧路小・中がセミナー 小中連携のポイント理解 釧路教育局と交流会も(学校 2018-06-08付)
熱心に協議する参加者
【釧路発】道教育大学附属釧路小学校(内山隆校長)と附属釧路中学校(早勢裕明校長)は五月三十一日、授業力向上セミナーを開いた。管内小・中学校の教員や学生など八十人が参加し、授業公開や研究協議を通して小中連携のポイントなど理解を深めた。また、この日は釧路教育局との交流会を兼ね、教育局から武山昇義務教育指導監や義務教育指導班指導主事五人が参加。研究の方向性や授業改善の在り方など実践的な交流を行った。
セミナーは、本年度から年間を通して開催。附属小・中学校で開く校内授業研究会や管内教育研究団体と共催する授業研究会も加えて広く周知し、管内教育の底上げを図ることをねらいとする。
また、教育局との交流会は、十月に予定されている附属小・中学校の合同教育研究会に向けて各教科の主張を明確にし、研究推進の方向性をより確かにすることを目的に毎年開いている。
授業公開では、小中連携の視点から小・中学校で同じ教科を公開。社会科分科会では、「社会事象の意味を主体的に学び、社会認識を深めることができる児童・生徒の育成」を教科主題に、附属釧路小の中村有佐教諭が五年生「自然条件と人々のくらし」を、附属釧路中の網野歩教諭が三年生「世界の多極化と日本」を公開した。
図画工作・美術科分科会では、「創造活動の価値を見いだすことができる児童・生徒の育成」を教科主題に、附属釧路小の登藤珠美教諭が四年生「暗い場所で~光から生まれた、すてきな影の生き物」を、附属釧路中の更科結希教諭が三年生「Visual Illusion~異空間の中に入り込む」を、それぞれ公開した。
研究協議では、小学校から中学校へ一貫して主体的な学びをつなぐための個の確立と個の内面化を促す指導の工夫について、参加者から多くの質問や意見が出され活発な協議が行われた。
助言者を務めた釧路教育局義務教育指導班の原健一指導主事と菅野裕介指導主事は、具体的な授業場面を示して意図的・計画的な指導の大切さについてふれ、「これからも教科特性を生かした小中連携のポイントを具体化してほしい」と期待した。
セミナー終了後、附属小・中学校の教員を対象に武山義務教育指導監が「附属小・中学校に期待すること」と題して講演。武山義務教育指導監は、附属学校の役割についてふれ「道教委と連携して北海道教育の発展に寄与することが大切。そのためにも理論と実践の整合性を図り、研究成果を児童・生徒の学びで評価することが必要」と求めた。
また「公立学校の教員の授業力向上のためにも、教科教育の専門家として憧れの存在になってほしい」と激励した。
次回のセミナーは、二十八日・二十九日、付属小・中学校で開く。釧路算数数学教育研究会との共催。明星大学・細水保宏教授を講師に招く予定。
(学校 2018-06-08付)
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