紋別市教委が文科省委託学校図書館利活用調査研究　南丘小を指定し取組推進　学力向上と課題解決へ

（関係団体 2018-06-22付）

　【網走発】紋別市教委は、文部科学省が本年度から開始する「学校図書館ガイドラインを踏まえた学校図書館の利活用にかかる調査研究」の委託を受けた。南丘小学校を研究指定校とし、学校図書館の活用を通して学力向上や学校課題の解決に資する取組を推進していく。

　文科省が二十八年十一月に策定した学校図書館ガイドラインを踏まえ、学校図書館の活用が十分ではない学校における活性化や、学校が抱える課題の改善に効果的な利活用の方策を検討する際に参考となる取組事例、学校図書館の利用によって改善されたことを示す様々なデータを得るために行うもの。委託期間は三十一年三月三十一日までの二年間。

　学校図書館の活用が十分ではない学校に対して、活用を促進し、活用を通じた学校の課題の改善に資する取組に関する調査研究を行う「取組開発型」、日常的に学校図書館を活用している学校において、従前からの取組をさらに強化し、ほかの地域や学校の参考となる先進的な取組に関する調査研究を行う「取組拡充型」のいずれかを選択して事業を進めることとなっている。

　紋別市教委では、取組開発型で、南丘小を研究指定校とし、学校図書館を活用した学力向上策について調査研究を進める。

　事業の推進に当たっては、齋藤房生教育長や南丘小の橋本雄一郎校長をはじめ、市教委職員、南丘小教職員、道立図書館司書、オホーツク教育局指導主事などで組織する事業委員会を設置。今後、具体的な事業計画などについて検討していく。

　校内体制については、学校図書館、パソコン室、研修室、校内ＬＡＮなど、教育情報に関する施設・設備、ネットワークを総括する「ＭＭＣ（南丘小メディアセンター）」構想を推進。学校における知のインフラとして、児童の読書・学習活動および教師の指導・研修のための言語環境・ＩＣＴ環境を整備、効果的に配置し、それらを相互に機能させることで教育活動展開を全体的に活性化し、教育活動の効率化・高度化を図り、学力向上をはじめとする学校課題の解決に資するようにする。

　そのもとで、教務部、文化部、研修部がそれぞれ活動していく。

　教務部は実物投影機・大型テレビやネットワーク整備に関することなどのＩＣＴ活用・視聴覚活動、文化部は日常の学校図書館運営や市立図書館との連携に関することなど、研修部は学校課題・研修テーマを踏まえた選書や職員図書および研修室の利活用に関する職員研修などについて取り扱う。

　事業成果の評価については、「児童が学校図書館・公共図書館を利用した回数」「児童、教職員が一ヵ月に読んだ本の冊数」などの学校図書館関係の指標、「学力状況」「忘れ物や宿題忘れの件数」などの学校の課題に対する指標に基づいて行う。三十一年二月の第二回事業委員会で成果報告を行ったあと、報告書を作成する予定。

　今後は、七月に第一回事業委員会を開き、具体的な事業計画や組織、役割分担などを確認する。また、九月中旬には公開研修会を開催。学校司書とのチーム・ティーチングによる示範授業などを行う予定となっている。

(関係団体 2018-06-22付)