８０人が授業参観で研鑚　北見市教委が指導力向上研修会　道教大・早勢教授の講演も

（市町村 2018-07-05付）

山本教諭の算数科授業公開などを行った

　【網走発】北見市教委は六月二十六日から二日間、東相内小学校と東相内中学校で指導力向上研修会「算数・数学科の授業づくり」を開いた。市内や近隣市町村から小・中学校の教諭など、二日間合わせて約八十人が参加。授業公開や道教育大学釧路校の早勢裕明教授の講演などを通して、指導力の向上に向けて研鑚を積んだ。

　市内の小・中学校における学力向上を図るため、教員の指導力向上を目指すことが目的。一日目は東相内小、二日目は東相内中で行われた。

　そのうち、一日目は東相内小六年生の授業を公開した。山本勝弘教諭が算数科「速さ」を指導。本時の目標を「速さの比べ方を理解する（時間と道のりの二つの量が関係している場合について、単位量当たりの考えをもとに速さを数値化することができる）」と設定した。

　山本教諭は、みかさん、えりさん、ゆうたさんの三人の図書館までの道のりと時間をまとめた表を提示。前時で時間が同じ場合、道のりが同じ場合の速さを比較したことを振り返ったあと、道のりも時間も違う「えりさんとゆうたさんの速さを比べよう」と発問した。

　速さの求め方を個人思考したあと、グループで交流。全体交流では、交流した友達の意見を発表させることで、全体の理解を深めさせた。

　児童の発表のうち、はじめに「道のりを最小公倍数でそろえる」という意見を取り上げ、時間か道のりのどちらかをそろえるという共通の考え方に気づかせた。

　それを踏まえ、「時間÷道のり」「道のり÷時間」でそれぞれの時間と道のりを導き出し、「速さは、一分間当たりに進む道のりや、一㌔㍍進むのにかかる時間で比べることができる」とまとめた。

　このあと、早勢教授が「これからの算数科の授業づくりのポイント」と題して講演。

　山本教諭の授業について、導入の流れがスムーズだった点や、結果をはっきりさせてから理由を考えさせる流れなど「無駄がなく、本時で押さえなければならないねらいを外さない授業だった」と評価した。

　算数・数学科における「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けては、「新しいことをするのではなく、今までやってきたことをしっかりとやることが大事」と強調。

　本時の目標を子どもの具体的な姿で明確にすることの重要性を説明した上で、「導入の場面で、〝本当？〟〝どっち？〟などと問い返し、〝説明しよう〟〝調べよう〟〝みつけよう〟などの課題を子どもが必要感をもてるよう引き出す」「誤答や途中までを意図的に取り上げ、みんなで考え合うようにする」などの方法を示した。

(市町村 2018-07-05付)