道教育大附属札幌中が研究大会 3ヵ年研究の成果 15授業で公開 “自律”“共栄”に向かう学びを 地域の良さ広める取組を検討(学校 2018-08-01付)
1年総合的な学習の時間では、柏教諭が生徒に対してアイデアを多面的に検討できるように授業を展開した
道教育大学附属札幌中学校(佐々木貴子校長)は七月二十六日、同校で三十年度教育研究大会を開いた。研究主題「自己を拓き、協創する生徒の育成」のもと、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、英語、総合的な学習の時間の十五授業を公開。積み重ねてきた実践の成果を披露した。
二十八年度から三ヵ年計画で研究を進めている同校は、研究主題を「自己を拓き、協創する生徒の育成」と設定。
三年次目の研究の重点に「“自律”と“共栄”に向かう学びの実践」「“学び舎”の創造の提案」「研究仮説の検証」の三点を据えて、研究を進めている。
この日は、一次、二次を合わせて十五の授業を公開。このうち、一年B組の総合的な学習の時間「あいの里地域のためにできることを考えよう」(柏敬太教諭、生徒数三六人)は二時間扱いの二時間目。本時の目標を「あいの里地域と自分たちのかかわりにおいて、課題の改善に必要な取組について、具体性を高めるとともに、多面的に検討することができる」と設定した。
これまで生徒は、地名の由来となった藍の栽培を広める活動などを地域の人たちが協力して行っていることを学習。その中で「私たちはあいの里地域にどのようにかかわることができるだろうか」との課題を設定し、地域の良さを広めたり、地域の課題を改善したりするためのアイデアを考えてきた。
はじめに柏教諭は、地域住民からのメッセージを紹介。地域の自然を守るため、生徒に望むことについてのメッセージを通して、本時の学びの方向付けを行った。
続いて、前時で生徒が考えた地域の課題を解決するためのアイデア「啓発活動を行う」を学級全体で共有。柏教諭は、その具体化に当たって必要なことを問いかけた。生徒の発表から「なぜ」「何のために」「誰に対して」など、必要な視点について板書することで、生徒が自らのアイデアの具体化に当たって必要な視点に気づくように取り組んだ。
続いて、生徒にアイデアを具体的な取組とするための考えを深めさせたほか、グループで意見を交換。
また、具体化したアイデアの実施に向けて、柏教諭が考えた“課題のある取組”を発表した。取組について、「してもらうよりも自分ですることが大切」「誰に対して行うものなのか」など生徒の指摘から、アイデアの実施に当たって考えるべき視点として、「自分たちが行う活動になっているか」「何のために・誰に対してなどのつながりが適切か」「実行できるのかを事前に確かめる」を提示。よりよい取組を検討することができるようにした。
このあと、グループ内で考えた具体化したアイデアについて発表したほか、実施に向け、意見を交換した。
(学校 2018-08-01付)
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