内田洋行が道150年事業企画 遠隔会議システム使い交流授業 札幌市立屯田北小学校と旭川市立陵雲小学校 150年シンボルマーク作成で協働活動
(学校 2018-08-03付)

 ICTと教育がコラボ―。㈱内田洋行(東京、大久保昇社長)と、札幌市立屯田北小学校(永井敬仁校長)、旭川市立陵雲小学校(岡崎良昭校長)は七月二十四日、二校を会場に北海道百五十年遠隔交流授業を行った。北海道百五十年事業の一環として、二校の児童が百五十年にちなんだシンボルを協働で作成する活動を展開。遠隔会議システムを通して百五十㌔㍍離れた二校の絆を深めた。

 北海道百五十年事業実行委員会管轄事業「北海道百五十年事業」の協賛・パートナー企業となっている内田洋行は、これからの北海道の発展に向け、道民・子どもたちが北海道の歴史・魅力を振り返り、北海道に対する知識・愛着を高めることが重要と考え、遠隔交流授業を企画。札幌市立屯田北小と旭川市立陵雲小の二校で遠隔交流授業を行うこととなった。授業の実施に当たっては、道社会科教育連盟(=道社連)が助言などを行った。

 屯田北小の六年一組(宮越博之教諭、児童数二九人)は、社会科を中心に計九時間、陵雲小の六年二組(樋口奨教諭、児童数四二人)は、総合的な学習の時間を中心的に計八時間で授業を計画。北海道百五十年にちなんだシンボルを屯田北小と陵雲小の児童が協働で作成する活動を通して「北海道のよさに関する知識や資料を読み取る力を身につけさせる」「収集・分析をした情報を基に、自分たちの考えを他者に適切に伝える力を育む」「他者と協働して主体的に学ぼうとする態度や北海道への愛情の素地を養う」の三点を育成することとした。

 二校とも北海道版道徳教材『きた ものがたり』などの資料を活用して、アイヌの人々や松浦武四郎が成し遂げてきた偉業やその歴史について学習。また、前時に行った学級活動では、遠隔会議システムを通して、クイズ大会などを行い、交流を深めてきた。

 この日、屯田小は九時間扱いの八時間目、陵雲小は八時間扱いの七時間目として、ともに総合的な学習の時間で遠隔交流授業を行った。

 どちらも目標を「屯田北小と陵雲小の六年生児童は百五十年を記念するシンボルについて、遠隔会議システムを活用して説明し合うことを通して、他校のキャラクターの良さを選定の観点に基づいて考え、根拠をもって投票できるようにする」と設定した。

 内田洋行は、両校に遠隔会議システムのほか、発表者・クラス全体撮影用カメラや確認用モニターなどを設置した。

 授業では、宮越教諭と樋口教諭が指導に当たったほか、それぞれが発表や質疑応答などの進行のサポートに当たった。

 宮越教諭が北海道百五十年シンボル選抜総選挙を行うことや、各学校の一位のキャラクターがクリアファイルにデザインされることを確認。屯田北小の三グループが、親友のさけ君に乗って移動するヒグマの「ほぐー」や、屯田兵の五角形の星のほか、アイヌの模様を入れたキタキツネの「ツネ吉」など、陵雲小の四グループが五稜郭を形取った「ドリームスター」や、いくらに北海道の魅力が一粒一粒描かれている「いくらびっと」など、それぞれが考えたキャラクターを発表した。

 質疑応答では、屯田北小の児童が陵雲小の「いくらびっと」について「いくらがこぼれたらどうなるのか」と質問。陵雲小の児童は「北海道の新たな魅力を取り入れます」と答えるなど、活発に交流した。

 続いて、子どもたちはお互いの学校で良いと思ったキャラクターに投票したほか、投票したキャラクターとその理由について発表。屯田北小の「ツネ吉」に投票した陵雲小の児童は「歴史ある屯田兵やアイヌなど、北海道の百五十年の歴史が詰まっていると思った」と、陵雲小の「いくらびっと」に投票した屯田北小の児童は「イクラ一つ一つに北海道の食べ物などを書いていたから」などと説明した。

 このあと、投票結果を発表。

 投票の結果、屯田北小の「ツネ吉」と陵雲小の「いくらびっと」を北海道命名百五十年を記念するシンボルとすることとした。

 今回の遠隔交流授業について二校の児童は「たくさん交流できて良かった」「全く知らない人と喋れてとても楽しかった」「百五十㌔㍍離れているのに一緒に授業ができたことは貴重な体験」などと感想を述べていた。

 授業の支援に携わった道社連の新保元康委員長は、遠隔会議システムについて「離れた所にいる子ども同士が対話的に学ぶことができる」と話したほか、学校間で会議を行う際に使用することで移動時間の短縮など、働き方改革につながることにも言及した。

(学校 2018-08-03付)

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