道造形教育連盟が岩見沢で全道研究大会 〝おもい〟をつなげ 美術教育の専門性高め
(関係団体 2018-08-14付)

全道造形教育研究大会岩見沢大会
橋本教諭は、夕張メロンの魅力が伝わるパッケージについてグループで交流しながら考えさせた

 【岩見沢発】第六十八回全道造形教育研究大会空知岩見沢大会が七月下旬、岩見沢市立光陵中学校を主会場に開かれた。大会テーマ「まなざしを共有し、おもいをつなげる造形教育~おもう・さぐる・つながる・つなげる」のもと、公開授業や分科会を実施。日ごろの実践を交流し、美術教育の専門性を高め合った。

 道造形教育連盟(森長弘美会長)では、研究主題を「“わたし”を創る~今を生きる、共に生きる造形教育」と設定。研究内容に、①“今”“わたし”が生きる造形活動の在り方とは②“わたし”が高まる“共に生きる”造形活動の在り方とは―を据え、子どもたちに未来をより良く生きる力を育成することを目指している。

 光陵中で行われた開会式では、森長会長があいさつ。今回の学習指導要領改訂のポイントを挙げた上で、AIによって今ある職業の半数が消えると言われる中、造形的な職業はなくなることがないとの見方もあることを紹介。「造形教育に求められている大きな役割を感じ、大会の成果をこれからの取組や実践に生かして」と呼びかけた。

 つぎに、空知教育局の竹林亨局長、岩見沢市教委の三角光二教育長が祝辞。竹林局長は「先生たちが一堂に会し、美術教育の専門性を高めることは意義深く、大きな期待を寄せている」、三角教育長は「造形教育を通して子どもを理解することは、今後さらに重視されるべきで、教師の深い学びとなるのでは」などと述べ、大会の成果に期待を寄せた。

 このあと、光陵中や岩見沢市絵画ホールを会場に幼・小・中・高の七授業を公開。うち、夕張市立夕張中学校の橋本幸枝教諭は、二年生「見えるかな~パッケージのデザイン」を指導した。

 生徒は、夕張市の特産品「夕張メロン」の魅力を伝えるパッケージの制作に向けて構想を練ってきた。橋本教諭は、七時間扱いの四時間目となる本時のねらいを「相互に表現の工夫を感じ取り、自分の価値観をもって意見や感想を発表する」「資料を選択・活用し、仲間の意見を参考にしながら色や形を工夫して構成し、制作する」とした。

 橋本教諭は、アイデアスケッチなど前時までに使った資料を提示し、本時の学習についてイメージを膨らませてからパッケージの試作に移行。アイデアを一つに絞らなくてもよいことを伝え、柔軟な発想を促した。

 続いて、グループ内でアイデアを交流。その際、「メロンの魅力を伝えるために工夫していることを言えたらよりいいね」と必要な視点を示し、交流の見通しをもたせた。

 また、魅力が一層伝わるパッケージにするにはどうすればよいかを考え、アドバイスし合うよう指示。代表グループの発表内容を共有し、アイデアが明確になっていることを確認して次時につなげた。

 授業公開後は、題材提案型ワークショップや分科会、子どもの作品を語る会を開催。実践交流を通して研鑚を積んだ。

(関係団体 2018-08-14付)

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