北特研全道研究大会小樽大会開く　豊かに生活できる子を　３００人参加し実践講座など

（関係団体 2018-08-13付）

研究大会では、適切な指導・支援に向けて資質の向上を図った

　【小樽発】第四十回道特別支援教育研究協議会全道研究大会小樽大会兼小樽高等支援学校校内研修会が七月三十日から二日間、同校で開かれた。全日本特別支援教育研究連盟（＝全特連、松矢勝宏理事長）、道特別支援教育研究協議会（＝北特研、松浦孝寿会長）が主催。研究主題「夢や志をもち、社会の一員として地域とかかわり、自分らしく豊かに生活できる児童生徒を育てるために」のもと、全道か参加した会員、教育関係者、福祉施設職員など約三百人が実践講座や講演、研究部会を通して適切な指導・支援に向け資質の向上を図った。

　初日の開会式では、主催者を代表して全特連の大井靖副理事長があいさつ。新学習指導要領について、「これからの社会は情報化、グローバル化、第四次産業革命など、予測できない激しい変化がすべての子どもに影響し、そのような社会において主体的に生きるために必要な力を育むことが目的」と強調。その上で「特別支援教育を必要とするすべての子どもたちの生きる力の育成という観点を基軸に、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの構築のための特別支援教育の推進に沿って具体化していきたい」と述べた。

　また、北特研の松浦会長（小樽高等支援学校長）は、研究大会の目的や内容などにふれ「学びの連結性を深めた教育課程の在り方や学び合い、学び続ける精神が求められる」と述べ、研究大会での活発な協議、交流に期待を寄せた。

　来賓では、道教委の磯貝隆之学校教育局特別支援教育担当局長が登壇。特別支援学校に在籍する児童生徒が増加傾向にあることにふれ「子ども一人ひとりの個性や考え方など多様性に応じた適切な指導などが強く求められる」と指摘。「大会の成果を各地域・学校にもち帰って今後の教育に生かしてほしい」と呼びかけた。

　このあと、教育実践講座＝として、特別支援教育および知的障害教育の今日的課題などを中心に設定したアクティブ・ラーニングやＩＣＴの活用など選択講義六講座を開講。午後からは教育実践講座＝として、「教科別の指導」「生活単元学習や作業学習」「寄宿舎の取組」について十八コーナーを設定し、情報を交換した。最後に、旭川市旭山動物園の坂東元園長が「動物の子育てから学ぶこと」と題し講演した。

　二日目は、ワークショップ形式による十部会を開き、課題解決の方策について話し合った。また、あきる野市障がい者就労・支援センターあすくの原智彦センター長が「特別支援学校における就労支援～就労支援機関からみた在学中の学びについて」をテーマに講演。東京都における特別支援学校の進路状況や教育内容の変遷について紹介。また、成人期の就労支援からみた学齢期に必要な学習内容についてふれ、成人期における生涯学習の必要性について話した。

(関係団体 2018-08-13付)