第４８回全国性教育研究大会―全性研と北性研　課題共有し連携を　発達段階に即した実践目指し

（関係団体 2018-08-13付）

全国から約３７０人が参加した

　全国性教育研究団体連絡協議会（＝全性連、三浦康男理事長）、道性教育研究会（＝北性研、蛯名嘉津夫会長）は九日から二日間、ホテルライフォート札幌で第四十八回全国性教育研究大会・第四十七回道性教育研究大会札幌大会を開いた。基本テーマ「“生きる力”を育む性教育を目指して～学校と関係機関が課題を共有し、連携した性教育の実践」のもと、基調講演や各分科会、課題別講座などを実施。全国から約三百七十人が参加し、関係機関との交流の深化、発達段階に即した性教育の実践に向けて研鑚を積んだ。

　九日の全体会では、開会行事を挙行。あいさつに立った全性連の三浦理事長は、二日間で、性に関する関係機関の担当者など様々な立場から発表や講演などが行われることにふれ「大会での成果を学校現場にもって帰っていただければありがたい」と期待した。

　大会実行委員長を務める北性研の蛯名会長は、子どもが複雑化する課題に適切に対処する力を育むため、学校と関係機関が幅広く連携を深める必要性を強調。大会を通し、道における性教育の実践を全国の参加者と交流することなどで「性教育の確かな取組が各地に広がることを心より願っている」と話した。

　続いて、文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課の横嶋剛健康教育調査官、道教委の村上明寛学校教育監、札幌市教委の山根直樹教育次長が祝辞。うち、横嶋健康教育調査官は、新学習指導要領において健康教育にかかる記述を充実させたことにふれ「その周知徹底を図りながら健康教育の推進に努めていく」と話したほか、大会の成功を祈念した。

　つぎに、北性研の井上隆司事務局次長と札幌市性教育研究会の今井一紀事務局次長が開催地報告。また、ちば思春期研究会の赤澤宏治理事が次期開催地報告を行った。

　基調講演に移り、横嶋健康教育調査官が登壇。「学校における性に関する指導の充実」と題して講演した。新学習指導要領において、新たに示された性に関する指導についての記述などを紹介。学校全体で性に関する指導を推進することや、それぞれの校種に合った指導を体系的・系統的に行うことの重要性を強調した。

　また、指導に当たっては「発達の段階を踏まえる」「学校全体で共通理解を図る」「保護者の理解を得る」ことなどを意識するよう求めた。

　このあと、道文教大学人間科学部作業療法学科の池田官司教授が「性別違和の理解」と題して記念講演。性別違和を訴える児童生徒に対応する際の留意点として「受け入れる」「現実的に対応する」ことなどを挙げたほか、学校における特別な配慮の例などを紹介した。

　十日は分科会を実施。小・中・高・特別支援学校における性教育の実践などについて担当者が発表した。また、課題別講座を行い、助産師や医師などが関係機関における取組や専門知識などについて説明した。

(関係団体 2018-08-13付)