理科教育充実セミナー初開催―上川局独自事業 意味ある問いで学びを 道教育大・山中准教授が講義(道・道教委 2018-09-27付)
山中准教授が理科の授業づくりなどについて、ポイントを紹介しながら講義した
【旭川発】上川教育局は九月中旬の二日間、旭川市内のときわ市民ホールで独自事業「理科教育充実セミナー」を開いた。初開催となったセミナーは、初日が中学校教員、二日目が小学校教員を対象に実施。管内の小学校教員三十人、中学校教員十八人が参加。道教育大学旭川校の山中謙司准教授が講義を行い、これからの理科の授業づくりの視点として、「意味のある問いで学びの文脈を創る」など三点を挙げた。
ことし四月の全国学力・学習状況調査は、三年ぶりに理科を加えた三教科で実施された。
七月に公表された結果を受け止め、上川菅内のさらなる理科教育の充実を図るため、上川局が独自に企画したもの。国立教育政策研究所教科調査官を務めた経歴をもつ、道教育大旭川校の山中准教授が講師を務めた。
初日、中学校教員十八人が受講。
山中准教授が「中学校の理科指導の充実に向けて」と題して講義。中学校の理科指導の充実に向けて、新学習指導要領の改訂の趣旨や授業づくりなどに関し、学習指導要領のポイントを踏まえながら解説するとともに、全国学力・学習状況調査の結果からみえる課題などを示した。
また、これからの理科の授業づくりの視点として、①意味のある問いで学びの文脈を創る②子どもの多様な考えを引き出す③考えを深めるために対話を導入する―の三点を挙げた。
それを踏まえ、「問題に対する子どもの生活経験や既有知識を推定するためにも、考えるための材料を見極めて提供して」「資質・能力を口頭で教授しても、実際に使わせることは難しい。何の役に立つのか自覚できるよう具体的な活動を」などと求めた。
さらに、全校体制で授業改善に取り組むポイントについて、全教職員で調査問題の趣旨を確認することや、調査結果を分析して子どもたちの実態把握に努め、課題解決に向けた年間の見通しを立てることなどを要請した。
最後に、「子どもが主体の問題解決ができ、見方・考え方を働かせられるよう資質・能力の育成をお願いしたい」と呼びかけた。
二日目は、小学校教員三十人が参加。山中准教授の講義を通して、小学校における理科教育の充実に向けた授業づくりなどについて研鑚を積んだ。
(道・道教委 2018-09-27付)
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