小中連携・一貫教育モデル協議会 札幌市教委が第2回会合 連携と一貫の違い学ぶ 京都教育大・初田教授が講演
(市町村 2018-09-27付)

市教委小中一貫協議会第二回会議
40人が小中一貫教育の在り方について理解を深めた

 札幌市教委は二十一日、STV北二条ビルで第二回小中連携・一貫教育モデル研究推進協議会を開いた。京都教育大学の初田幸隆教授が「小中一貫教育を進めるために~連携から一貫へ」と題して講演。参加した教育関係者約四十人は、講演を通して小中一貫教育の在り方について理解を深めた。

 協議会は、モデル研究校が相互の情報交換や研修を通して、研究の成果・課題を明らかにし、市における小中一貫教育の方向性を定める上で参考とするために設置したもの。

 はじめに檜田英樹学校教育部長があいさつ。

 市教委の小中連携の取組にふれたほか、講演を通して小中一貫について研鑚を深め、札幌スタイルの小中一貫を進められるかについて議論を重ねていくことを求めた。

 続いて、京都教育大の初田教授が「小中一貫教育を進めるために~連携から一貫へ」と題して講演。人口減少や人工知能の発達など、現代社会の状況にふれたほか、新学習指導要領の方向性について説明した。

 小・中学校の文化の違いについては「小学校では担任一人が学級の授業を行うことから教科等横断的な授業が容易」と説明。また、小学校では発達の特性などをもとに個に応じた指導を、中学校では発達の特性などについて理解があっても社会の規範を意識した指導を実施しているという小・中学校の文化の違いによって子どもがギャップを感じることを強調した。

 小中一貫教育が求められる背景としては、十九年の学校教育法の改正において小・中学校共通の義務教育の目標規定が新設されたことのほか、中一ギャップの解消や学校現場の課題の多様化・複雑化を挙げた。

 小中一貫教育の効果については「教職員間で互いの良さを取り入れる意識が高まった」「基礎学力保障の必要性に対する意識が高まった」「教員の指導方法の改善意欲が高まった」などと説明した。

 また、小中連携教育と小中一貫教育の違いについて確認。小中連携教育は「小・中学校が互いに情報交換や交流を行うことを通じて、小学校教育から中学校教育への円滑な接続を目指す様々な教育」と、小中一貫教育は「小・中学校が目指す子ども像を共有し、九年間を通じた教育課程を編成し、系統的な教育を目指す教育」とそれぞれを説明した。

 小中一貫した教育課程の編成に向けた取組として、①教科等の系統性・連続性を踏まえた学習指導②教育課程の特例の活用③教科等を横断した学習指導に関する工夫④生徒指導・生活指導に関する工夫⑤評価に関する工夫―の五点を提示。①について、一~九学年までの系統的な指導計画の作成や教科横断的な学習計画の作成などについて紹介した。

 また、⑤については、九年間の学びや育ちを見取るため、ポートフォリオのデータ化のほか、校務支援システムなどを活用したデータ管理の取組について説明した。

(市町村 2018-09-27付)

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