幕別町複式教育研究大会開く　交流場面生かし授業構築　糠内小が算数授業を公開

（学校 2018-10-11付）

　【帯広発】幕別町複式教育研究会（合掌浩孝会長）は九月下旬、幕別町立糠内小学校（猪股宏亮校長）で三十年度幕別町複式教育研究大会を開いた。大会テーマは「主体的・創造的に学び、豊かな心でたくましく、ふるさとを拓く子どもの育成～へき地・複式教育の特性を生かし、児童生徒一人一人に未来に生きる力を育む学校・学級経営と学習指導の充実を目指して」。糠内小の低・中・高学年の算数授業を公開。交流場面を生かした授業づくりに取り組んだ研究実践の成果を披露した。

　幕別町には複式校が四校あり、毎年持ち回りで研究大会を開いている。

　本年度会場校の糠内小は、研究主題に「思いを伝え合い、学びを深める子どもの育成～交流場面を生かした授業作りを通して」を設定。研究仮説として、①思いを伝え合う視点から、間接指導での一人学びを充実させることで、自分の意見をもち、相手に考えを伝え合うことができる②学びを深める視点から、内容に合った交流場面の設定や交流方法・手段を充実させることによって、学びを深めることができる―の二点を設定し、三ヵ年計画の二年次研究に取り組んでいる。

　公開した中学年の算数授業のうち、三年生（児童数四人）の「かけ算の筆算」は十六時間扱いの十一時間目。本時の目標は「三つの数の乗法が一つの式に表せることを知り、情報の結合法則について理解する」。

　四年生（児童数三人）の算数「わり算の筆算」は十五時間扱いの六時間目。目標は「二位数÷二位数の筆算で、除数の切り捨てや切り上げを選んで、仮商を立てて計算することができる」。松村健史教諭、小野関朗教諭が複式授業を展開した。

　授業では、三年生に問題「一個七十五円のお菓子が一箱に五個ずつ入っている。二箱買うと代金はいくらか」を示し、三つの数のかけ算の方法を考えることを確認。この間、四年生は、算数ドリルなどに取り組んだ。

　三年生は一人学びに移り、図などを使いながら考えをまとめ、ホワイトボードに解法を記入した。

　一方、四年生に問題「色紙が八十七枚ある。一人に二十五枚ずつ配ると何人に配れて何枚余るか」を示し、仮の商を立てて割り算の筆算をすることを確認。一人学びに移り、自分の考えをワークシートにまとめた。

　三年生は、ペアになって自分が考えた解法を発表し合ったあと、全体で交流。三つの数のかけ算では、順番を入れ替えて計算しても結果は同じことを理解した。四年生も発表に移り、計算例をタブレット端末に取り込み、モニターで提示して解法を発表。仮の商が二十でも三十でも計算できることを確認し、仮の商の立て方を理解した。

　授業後は、分科会協議を行った。

(学校 2018-10-11付)