【解説】２９年度体力・運動能力調査結果

（解説 2018-10-12付）

　スポーツ庁は七日、二十九年度体力・運動能力調査の結果を発表した。幼児期の外遊びの実施頻度が高いほど、小学生の運動・スポーツの実施頻度、新体力テストの合計点ともに高いことが判明。幼児期の外遊びの習慣が運動習慣の基礎を培い、体力の向上につながると指摘している。

　国民の体力・運動能力の現状を明らかにすることが目的。

　一回目（十年度調査）と十回目（十九年度調査）の結果と比較した結果、男性は多くの年齢で運動・スポーツの実施頻度が向上。女性は小学生と五十歳以上の年齢で実施頻度が上がり、それ以外の年齢では低い。また、運動・スポーツの実施頻度が高いほど、体力年齢が暦年齢より若い人の割合が高い傾向にある。

　入学前の外遊びの実施状況と現在（十歳）の運動・スポーツ実施状況との関係をみると、外遊びの実施頻度が高いほど、現在の運動・スポーツの実施率が高いことが分かった。入学前に週六日以上、外遊びをしており、現在「ほとんど毎日」運動していると回答した割合は、男子七九・四％、女子五五・〇％。外遊びが週一日以下だった場合、男子三五・五％、女子二五・〇％にとどまった。

　入学前に週六日以上外遊びをしていた群の新体力テストの合計点は、男子が五八・六点、女子が五八・七点。いずれも、週一日以下の群とでは六点程度の差があり、幼児期の外遊びの実施頻度が高いほど、新体力テストの合計点も高い。

　青少年期（十三～十九歳）に新たに追加した「達成意欲」に関する質問と運動習慣、体力・運動能力の関係についての分析では、「なんでも最後までやりとげたいと思う」の質問に「とてもそう思う」と回答したほど、体力合計点、運動・スポーツの実施頻度が高くなっている。

(解説 2018-10-12付)