【解説】いじめ対策事例集　文科省

（解説 2018-10-09付）

　文部科学省は、いじめ対策にかかる事例集をまとめた。各教育委員会や学校から寄せられたいじめの防止、早期発見、対処など、学校現場における優れた取組事例を記載。文科省では、各教委・学校に対して、事例集を効果的に活用し、いじめ対策の一層の充実に取り組むよう呼びかけている。

　事例集は、①いじめの定義・認知②学校のいじめ防止基本方針③学校いじめ対策組織④いじめの未然防止にかかる取組⑤いじめの早期発見⑥いじめへの対処⑦いじめの重大事態―の七章立てで構成。各教委や学校等から募集した多くの事例の中から、いじめの防止、早期発見および対処などの点で特に優れていると判断したものや学校現場において教訓となると判断した事例を掲載している。また、事例ごとに文科省のコメントを付記し、着眼点を整理している。

　うち、いじめの未然防止に関する事例では、いじめ防止に向けて児童生徒が主体となって進める取組を紹介。自作のゆるキャラでいじめ防止を呼びかける「ゆるキャラ活動」や、休み時間に予告なしで音楽を流し、全員で踊ることでいじめの減少をねらった「フラッシュモブ」などの取組事例を紹介した。

　また、インターネット上のいじめの防止に関する啓発活動を進める取組事例を掲載。学校と家庭の連携によってスマホ・ネットのルールに関するリーフレットを作成し、子どもたちに対する正しい活用方法の啓発を図る取組を紹介している。

　文科省では「各教委、学校において、現にいじめに苦しんでいる子どもたちのために、また、悲惨な事件を二度と繰り返さないために、本事例集を効果的に活用し、いじめ対策の一層の充実に取り組んでほしい」と呼びかけている。

(解説 2018-10-09付)