【解説】デジタル教科書活用検討会議

（解説 2018-10-04付）

　文部科学省が設置するデジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン検討会議では、有識者による検討内容をまとめたガイドラインの作成に向けて準備が進められている。学校・教育委員会などが学習者用デジタル教科書の導入を検討、使用する際の参考となるよう、現在進めている実践事例の調査研究結果なども踏まえ、効果的な活用の在り方や導入時の留意点などを提示。年内の作成を目指し準備を進めている。

　九月に開かれた第二回会議で示した骨子案では、学習用デジタル教科書の制度概要、効果的な活用の在り方、留意すべき点を示している。

　デジタル教科書・教材の主な機能の例では、教科書の紙面の拡大表示、紙面への書き込みや内容の保存・表示などを分類。

　活用方法の例では、学習の目的を明確にした上で、それを実現する道具の一つとして使用することが重要とした。

　紙の教科書を基本とし、様々な補助教材を用いて学校教育を行う中で、デジタル教科書をどのように効果的に組み込んでいくかの観点が重要とし、「ＩＣＴ活用指導力など教師の指導力によって、効果的に活用できるかどうかが左右される可能性がある」と指摘している。

　また、個別学習、協働学習、一斉学習における活用方法を例示。学習者用デジタル教科書の活用を検討する場合、障がいを理由とする差別の解消に関する法律の趣旨なども踏まえ、児童生徒のニーズを適切に把握する重要性を挙げている。

　指導上の留意点では、読み書きや実験などの実体験がおろそかになることは避けること、児童生徒が授業と関係のない内容を閲覧して授業に集中しないことがないようにすることなどを示している。

(解説 2018-10-04付)