第６６回研究協議会北海道大会　グローバル人材育成を　全国工業高校長協会が札幌で

（関係団体 2018-10-15付）

未来を創造する工業教育を目指して研鑚を積んだ

　全国工業高校長協会（佐々木哲理事長）主催、道工業高校長会（猪股康行理事長）主管の第六十六回研究協議会北海道大会が十一日から二日間、ホテルライフォート札幌で開かれた。大会テーマ「世界にはばたき未来を創造する工業教育」のもと、研究協議や講話などを実施。全国の工業科設置高校長ら約二百五十人が参加し、工業教育の充実に向けて研鑚を積んだ。開会式で佐々木理事長は「地域産業の担い手となる人材、グローバルに活躍する人材の育成に力を注いで」と呼びかけた。

　全国の工業科設置高校の校長が一堂に会し、当面する高校における工業教育の諸課題について研究協議を行い、国内の工業教育の改善、振興を図るもの。道内での開催は九年ぶりとなる。

　開会式では、全国工業高校長協会の佐々木理事長、大会長を務める猪股理事長があいさつ。佐々木理事長は、技術の進歩に伴い必要となる知識・技能が高度化するとともに、産業界の多くの職種で技術者が不足している現状から、工業高校が担う役割がさらに重要になっていくと指摘。「創意工夫と自治体関係部局との連携によって、地域産業の担い手となる人材、グローバルに活躍する人材の育成に力を注いでほしい」と呼びかけた。

　来賓では、文部科学省初等中等教育局の髙見太也産業教育振興室長、道教委の佐藤嘉大教育長が祝辞。うち、佐藤教育長は、これからの時代に求められる課題解決の能力や豊かな人間性を育て、地元への愛着や誇りを育む人材が急務とし、研究大会の成果に期待を寄せた。

　続いて、文科省初等中等教育局産業教育振興室教科調査官、国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官の持田雄一氏が「高校学習指導要領の改訂と工業教育」と題して講話。二〇二二年度から実施となる高校の新学習指導要領における職業に関する教科の改訂のポイントを示したほか、来年度から始まる移行措置の内容や基本的方針、高大接続改革の今後の見通しを解説した。

　研究協議では、調査研究部が工業高校における学校経営や卒業生の進路動向などに関する調査結果を報告。高校生ものづくりコンテスト全国大会など協会事業に関する説明や意見交換を行った。

　二日目は、北海道科学大学の苫米地司理事長が「科学的志向の育成」をテーマに講演したほか、全国の各地区の工業高校から優れた教育実践についての発表、協議が行われた。

(関係団体 2018-10-15付)