第70回全連小研究協議会北海道大会で講演・シンポジウム
(関係団体 2018-10-11付)

全連小望月課長
これから求められる人材育成や新学習指導要領について説明した

 【函館発】全国連合小学校長会(種村明頼会長)が四日から二日間開いた第七十回全国連合小学校長会研究協議会北海道大会・第六十一回北海道小学校長会教育研究大会函館大会(九日付1面既報)では、初日に文部科学省の望月禎教育課程課長の講話と各分科会での意見協議、二日目にはスキージャンパーの葛西紀明氏、北海道テレビ放送の佐藤麻実氏、道PTA連合会顧問の青田基氏を招いてのシンポジウムが行われた。これらを通して参加者は、学校経営力の向上や校長としての資質・能力向上に努めた。

◆Society5.0における学びとは 文科省・望月課長が講演

四日の開会式終了後、望月課長が登壇。Society5.0における学びの在り方や新学習指導要領の円滑な実施などに向けての留意点や求められる子どもの将来像を解説した。

 望月課長は冒頭、Society5.0における学びの在り方と求められる人材像について解説。共通して求められる力では、①文章や情報を正確に読み解き対話する力②科学的思考・吟味し活用する力③価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力―の三つを挙げた。

 また、新たな社会をけん引する人材像では「技術革新や価値創造の源となる飛躍知を発見・創造する人材」「技術革新と社会課題をつなげ、プラットフォームを創造する人材」を挙げ、今後は「公正に個別最適化された学びを実現する多様な学習の機会と場の提供」「基礎的読解力、数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用力をすべての児童生徒が習得」「分離分断からの脱却」の三つに対応した政策を進めていく方向性を示した。

 新学習指導要領の実施に向けては「昔とは違い教師個々による対応ではなく、学校全体での対応を進めてほしい」と呼びかけたほか、外国語教育の充実やプログラミング教育の本格実施に向けて計画的な準備を進めるよう求めた。

 このほか、教員の働き方改革にもふれ、勤務時間管理の徹底や教職員の働き方に関する意識改革の推進を促した。

 最後に「これまで学んできたことを子どもたちにつなげ、その子どもが大人になって、またつなげていくということが求められている」と述べた上で「新しいものを取り入れ、試しながら教育充実につなげていくとともに、カリキュラム・マネジメントや外国語活動の対応を進め、未来を生きる子どもの育成を進めてほしい」と呼びかけた。

◆子どもが夢もてる道を 3テーマでシンポジウム

 五日に行われたシンポジウムでは、㈱土屋ホーム所属でスキージャンパーの葛西氏、北海道テレビ放送の佐藤氏、道PTA連合会顧問の青田氏の三人が登壇。テーマ「ふるさと・挑戦・未来創造」のもと、「ふるさと」「挑戦」「未来創造」の各パートごとに自身の経験談などを交えながら、未来ある子どもたちの成長を支える校長へメッセージを送った。

 ふるさとの文化を理解し尊重する態度の育成を通して人間性を育むとともに、先行き不透明な社会を生き抜いていく状況でも未来への夢や希望に挑戦していく意欲をもちながら、新しい社会を創り出していく力を身に付けた子どもの成長を目指していることから、「ふるさと・挑戦・未来創造」をテーマに設定した。

 シンポジウムは「ふるさと」「挑戦」「未来創造」の順で進行した。

 「ふるさと」のパートでは、三人が自己紹介を交えながら、自身の出身地での思い出や家族、家庭における子どもとのふれ合いについて話した。

 「挑戦」のパートでは、三人がこれまでに挑戦してきたことを紹介。

 青田氏は、自身の経営する会社の経営方法・方針に関して話した。

 佐藤氏は、小さいころからの夢だったアナウンサーになるため、学生時代に全国各地の放送局で就職活動した経験や入社後の番組制作へ取り組む姿勢など、自身の挑戦してきた経験を振り返った。

 葛西氏は、高校生から日本代表として世界を相手に戦ってきたエピソードやジャンプフォームの改善、五輪でのメダル獲得など、多くのことに挑戦してきたエピソードを振り返った上で「今は、四年後の五輪に五十歳で出場することに挑戦している。校長先生たちも子どもたちの将来に道をつくる挑戦をしてほしい」と期待を寄せた。

 「未来創造」のパートでは、三人が現在取り組んでいることなどについて紹介。

 その中で葛西氏は「子どもたちには、対人でのコミュニケーションなどを大事にしてほしい」と述べた上で「未来創造のためには夢をもつこと、校長先生には子どもが夢をもてるような道をつくってあげてほしい」とエールを送り、今後の学校運営・経営のさらなる充実に期待した。

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全連小シンポジウム
3人のシンポジストが自身の経験談を交えながら意見を述べた

(関係団体 2018-10-11付)

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