札幌市学校体育研究連盟が研究大会 深い学び生む方法を提案 授業公開、研究協議など(関係団体 2018-10-16付)
新学習指導要領に対応した授業を実施するため研鑽を深めた
札幌市学校体育研究連盟(=札体研、渡辺寛志委員長)は十日、札幌市立北九条小学校(北圭一校長)で第二十八回研究大会を開催した。研究主題「分かる・伸びる・関わる体育活動の充実~主体的・対話的で深い学びを生む体育学習」のもと、同校三年生の授業公開、研究協議などを実施。積み重ねてきた研究の成果とともに、新しい学習指導要領を背景とし、新しい体育授業の在り方などを提案した。
札体研は、本年度から新しい研究主題「分かる・伸びる・関わる体育活動の充実~主体的・対話的で深い学びを生む体育学習」を設定。研究の視点に、「深い学びを生むための教材化と学習過程」「深い学びを生むための教師のかかわりと評価」の二点を掲げ研究活動を推進してきた。
研究大会では、授業公開後の開会式であいさつに立った渡辺委員長が小・中学校とも新学習指導要領の移行期間となっていることにふれた上で「研究主題とともに学習指導要領に備え、授業を構築してきた。子どもたちが“感じる”という主体的なことを大切にし、“気づく”という対話的な活動を高めるということに教師がどうかかわっていくかについて、きたんのない意見をお願いしたい」と語った。
続いて、島津伸宏小学校一―四ブロック運営委員長が「新しい研究主題に向け、新しい授業像を新たな試みとして提案したいという熱い思いを受け、公開授業に臨んだ」と語り「きょうの授業が一つのきっかけとなって、深い学びとはどういうものなのかを考え、発信していきたい」とあいさつした。
研究討議では、北九条小の村上雅之教諭が公開した授業について説明。参加者からは「グループだけではなく、お互いに見合ったりする交流があればよかったのではないか」などの意見が挙がるなど、積極的な討議が行われた。
◆北九条小3年マット運動 運動の“感じ”を味わう
札幌市学校体育研究連盟の第二十八回研究大会では、札幌市立北九条小学校三年二組マット運動「マットの世界を味わおう」(村上雅之教諭、生徒数三〇人)の授業を公開した。
同授業は、六時間扱いの四時間目。前時までに児童たちは前転・後転などの回転系の運動を体験。テーマ「くるんの感じを味わおう」のもと、回転する感覚を体感してる。
本時は「ピョーンを感じよう」をテーマに、手をマットについて足を跳ね上げる川跳びから腕立て横飛び越し、側方倒立回転につながる感覚「ピョーン」を感じる取組を行った。
目標は、①手で体を支えていろいろな姿勢で逆立ちしたり移動したりすることを通して、体の動かし方や場によって「動きの感じ」が変わることに気づくことができる②運動の仕方や運動する場を変えたり友達と「動きの感じ」を伝えたりすることを通して、より自分の味わいたい「動きの感じ」を味わおうと、体の動かし方を変えたり場を選んだりすることができる―の二点とした。
また、この授業は札体研の研究主題「主体的・対話的で深い学びを生む体育学習」の実現に向けた新しい授業として構築。感覚的アプローチを通して運動した「感じ」と体の動きの「気づき」の関連付けを行い、単元を通して技能を高めていくとともに、楽しさを中核に運動する面白さを感じることが、生涯にわたって運動に親しむ態度の育成につながると位置付けている。
村上教諭は前時までの振り返りを行ったあと、「どうしたらピョーンを感じられるかな」と問題を提起。児童たちは「ジャンプしたら感じる」などと見通しを話し合った。そのあと、それぞれグループに分かれて、マットや跳び箱、段ボールでつくったブロックなどを利用して川跳びなどを行った。子どもたちは様々な教材を話し合いながら工夫して使用。足を高く跳ね上げたり、安全マットの上で手をついてジャンプをしたりして「ピョーン」の感覚をつかんでいた。
授業のまとめとして村上教諭は、体の動かし方を変えたり、用具や場を変えたりして「ピョーン」を感じることができることを気づかせた。児童たちは、自ら感じた「ピョーン」について意見交換しながら、それぞれ工夫した点などを学習カードに記入した。
授業後の研究討議では、「感じを味わうという授業は新鮮だった」「子どもたちの用具の使い方など事前に指示しているのか」「感じという部分では良かったが、気づきというところはどうだったのか」などの質問や意見が続出し、積極的な意見交換が行われた。
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村上教諭が、研究主題に迫る新しい授業の在り方を紹介した
(関係団体 2018-10-16付)
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