中学4教科で全国以上 30年度学力・学習状況調査結果 帯広市教委(市町村 2018-10-30付)
【帯広発】帯広市教委は、三十年度全国学力・学習状況調査の結果を第一次報告書にまとめ公表した。教科に関する調査結果をみると、小学校の平均正答率は、五教科ともに全国平均を下回ったものの、その差はいずれも縮まった。中学校は、国語Aなど四教科で全国平均を上回った。市教委は「授業改善や指導の成果が表れた。その背景を調査し、確固たるものを全市に広げていきたい」と話している。
本年度の調査は、小学校二十六校の一千二百七十七人、中学校十四校の一千二百六十一人について実施。
結果をみると、小学校は、五教科すべてで全国平均を下回ったが、二十九年度(理科については二十七年度)と比較すると五教科ともに全国との差が縮まった。
中学校は、国語A、国語B、数学B、理科の四教科で全国平均を上回った。
各教科における全国平均を上回った学校数は、小学校が国語Aで十四校(前年度比五校増)、国語Bで十三校(同四校増)、算数Aで十三校(同七校増)、算数Bで十一校(同七校増)、理科で十四校(二十七年度比四校増)と、五教科とも増加。
中学校が国語Aで八校(前年度比四校増)、国語Bで八校(同二校増)、数学Aで十校(同三校増)、数学Bで十校(同四校増)、理科で七校(二十七年度比増減なし)となり、理科を除く四教科で増加した。
各教科における各領域等の平均正答率をみると、小学校は、国語Aが学習指導要領の領域等「書くこと」、評価の観点「書く能力」で全国平均を上回った。一方、問題形式「短答式」で全国平均を大きく下回った。
国語Bがすべての区分で全国平均を下回ったものの、学習指導要領の領域等「書くこと」、評価の観点「書く能力」、問題形式「選択式」で全国平均をやや下回った。
算数Aが学習指導要領の領域「量と測定」で全国平均を上回った。算数Bが学習指導要領の領域「図形」、評価の観点「数量や図形についての知識・理解」で全国平均を上回ったが、問題形式「記述式」で下回った。
理科が枠組み「主として“知識”に関する問題」、学習指導要領の区分等のB区分に当たる「生命」「地球」、評価の観点「自然事象への関心・意欲・態度」「自然事象についての知識・理解」、問題形式「短答式」「記述式」で全国平均を上回った。
中学校では、国語Aが学習指導要領の領域等や評価の観点、問題形式のすべての区分で全国平均を上回った。国語Bが学習指導要領の領域等「話すこと・聞くこと」、評価の観点「話す・聞く能力」で全国平均を大きく上回った。一方で、学習指導要領の領域等「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」、評価の観点「言語についての知識・理解・技能」で全国平均を下回った。
数学Aが学習指導要領の領域等「関数」、評価の観点「数学的な技能」で全国平均を上回り、数学Bが学習指導要領の領域等「関数」、問題形式「選択式」で全国平均を大きく上回った。一方、問題形式「記述式」で全国平均を下回った。
理科が評価の観点「自然事象についての知識・理解」、問題形式「短答式」で全国平均を上回った一方、評価の観点「自然事象への関心・意欲・態度」で全国平均を下回った。
質問紙調査では、学習規律(私語をしない、話をしている人の方を向いて聞く、聞き手に向かって話す、授業開始のチャイムを守る)の維持の徹底を「よく行った」学校の割合が小学校八八・五%(全国六一・八%)、中学校八五・七%(同六八・三%)で、小・中学校ともに全国平均を大幅に上回った。
結果を受けて、市教委では「授業改善や指導の成果が結果となって表れたものと考えられる。背景にある部分を第二次報告書に向けて調査し、確固たるものを全市に広げていきたい」と話している。
また、学習規律の維持の徹底については、中学校区をもとにした“エリアファミリー”において、小・中学校で統一的に取り組む学校が増えていることにふれ、効果が上がっていると分析し、「きめ細かな指導を定着させていきたい」との考えを示した。
(市町村 2018-10-30付)
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