〝がんの語り手〟派遣へ 市立学校で講演など実施―札幌市 本年度試行し実施体制検討 保健福祉局と市教委
(市町村 2018-10-29付)

 札幌市保健福祉局と札幌市教委は、本年度から試行的に“がんの語り手”を市立学校に派遣する取組を開始する予定。がん経験者などによる講演などを学校で行うもの。児童生徒が、がんに関する正しい知識を身に付け、自他の健康と命の大切さへの理解を深めることなどを目指す。今後、語り手の積極的活用が図られるよう、学校などから語り手の派遣要望があった際に円滑に対応できる仕組みづくりを両者で検討していく。

文部科学省が設置した有識者による検討会は、「学校におけるがん教育の在り方」について報告書を作成。日本人の死亡原因一位であるがんについて、子どもたちが関心をもち、正しく理解し、適切な態度や行動を取ることができるようにすることを求めている。

 市では、がんの予防や早期発見・早期治療、がん患者およびその家族への支援などを含めた総合的ながん対策を進めることを目的として、二十九年度にがん対策推進プランを策定。施策には、がん教育推進支援などを掲げている。

 市教委では、こうした状況を踏まえ、研究開発事業において、本年度新たにがん教育の在り方に関する研究を開始。がんに対する正しい知識や命の大切さに対する理解等を深化し、がん予防や早期発見につながるよう、生活習慣を見直して改善に資することについて研究を進めている。

 また、市保健福祉局では、推進プランを受け、二十九年度からがん経験者派遣体制構築事業を実施。がん患者・経験者やその家族などを対象に、がんの経験談を講演できる“がんの語り手”を養成するもの。これまでに二十三人の語り手を養成している。

 保健福祉局と市教委では、がん教育の推進に向け、がん経験者の講演などを円滑に実施する体制の整備を進めている。児童生徒などが、がんに関する正しい知識を身に付け、がんに向き合う人への共感的理解や、自他の健康と命の大切さへの理解を深めることを目指す。

 本年度は、試行的に語り手を市立学校に派遣する予定。効果的な活用方法や、派遣要請に円滑な対応ができる体制を検討する。

 また、語り手の積極活用が図られるよう、教員に向けて語り手を招いた授業などについて周知を図ることとしている。

(市町村 2018-10-29付)

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