道教委が全国学力調査結果を分析 授業改善の取組に成果 改善効果はまだ不十分(道・道教委 2018-11-07付)
道教委がまとめた「三十年度全国学力・学習状況調査」では、調査結果の分析や検証を踏まえ、本道の成果と課題を提起した。「主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善」など四つの観点で成果と課題を整理。主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善の取組が進められていることなどの成果がみられた一方で、知識・技能などを活用する力を問う問題の平均正答率が全国を下回っていることから、授業改善の効果が十分でないことなどを指摘している。
概要はつぎのとおり。
▼主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善
▽「授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組むことができている」「習得・活用および探究の学習過程を見通した指導方法の改善および工夫をした」学校の割合は、全国平均を大きく上回っており、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善の取組が進められている。
▽一方、「授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいた」児童生徒の割合が全国平均を下回っていることや、知識・技能等を活用する力を問う問題の平均正答率が全国を下回っていることから、授業改善の効果が十分ではない状況がみられる。
▽各学校では、これまでの主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を一層効果的に行うため、知識を相互に関連付けて理解したり、問題を見いだして解決策を考えたりする過程を重視し、児童生徒の思考力・判断力・表現力等を高めることができる指導方法の工夫改善に努めることが大切。
▼検証改善サイクルの確立
▽「調査等に基づき、教育課程を編成、実施、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立している」「全国調査の自校の分析結果について、学校全体で教育活動を改善するために活用している」学校の割合は、全国平均を大きく上回っており「検証改善サイクルの確立」の取組が進められている。
▽一方、検証改善サイクルの確立に関する項目において「よく行った」と回答している学校においても教科の平均正答率が全国平均より下回っており、教科に関する調査の結果には、検証改善サイクルの効果が十分に現れていない状況がみられる。
▽各学校では、これまでの検証改善サイクルの確立に関する取組を一層効果的に行うため、全教職員の協働による組織的な取組に努めることが大切。
▼小学校と中学校が連携した取組の充実
▽「全国調査の分析結果について、近隣等の中(小)学校と成果や課題を共有した」学校の割合は全国平均を大きく上回っており、小中連携した調査結果の活用の取組が進められている。
▽一方、「近隣等の中(小)学校と、教育課程の接続など、教育課程に関する共通の取組を行った」「近隣等の中(小)学校と、合同して研修を行った」学校の割合は、全国平均を大きく下回っていることから、小学校と中学校が連携した学力向上の取組が十分ではない状況がみられる。
▽各学校では、小・中学校が連携した取組を一層効果的に行うため、調査結果の活用はもとより教育課程の接続や合同研修などの取組に努めることが大切。
▼望ましい生活習慣の確立
▽「家で、自分で計画を立てて勉強している」「授業の予習・復習をしている」児童生徒の割合は、全国を上回っており、家庭での学習習慣の定着に向けた取組が進められている。
▽一方、「普段一日一時間以上勉強する」児童生徒の割合は、全国を下回っていることや、「家でテレビ・ビデオ・DVDを見たりゲームやインターネットをしたりしている」児童生徒の割合は、全国を上回っていることから、望ましい生活習慣の確立が十分ではない状況がみられる。
▽各学校では、望ましい生活習慣の確立に向けた取組を一層効果的に行うため、家庭や地域、教育委員会などとの連携を一層強めた取組に努めることが大切。
(道・道教委 2018-11-07付)
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