全国学力調査の結果報告書―道教委まとめ 石狩管内6教科で全国平均以上 組織的な授業改善と連携を(道・道教委 2018-11-07付)
道教委は、三十年度全国学力・学習状況調査の『北海道版結果報告書』をまとめ、六日の道議会文教委員会で報告した。管内別の状況では、小学校の国語Aで四管内、中学校の国語Aと理科で各三管内が全国平均以上となり、石狩管内では小学校国語A、中学校の全教科の計六教科で全国平均以上を達成。質問紙調査では、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業に取り組んでいると回答した児童生徒や学校ほど、平均正答率が高い傾向にあることが分かった。道教委では、校長のリーダーシップによる組織的な授業改善、学校と家庭が連携した望ましい生活習慣の確立に向けた取組を推進する考えを示した。
道教委は本年度調査結果に関し、全国の平均正答率との差が中学校国語A、理科で上回り、中学校国語Bで同じになるとともに、小学校国語A、中学校数学Bで差が縮まるなどの状況を発表した。
その後、結果を詳細に分析した全道・管内・市町村の状況や、同意を得た百七十五市町村の状況と学力向上策、本道の学力向上関連事業の成果・課題と改善に向けた取組を『北海道版結果報告書』にまとめ、六日の道議会文教委員会で報告した。
▼全道の状況
報告書では、児童生徒質問紙と学力のクロス分析を掲載。児童生徒間で話し合う活動を通して考えを深めたり、広げたりすることができているかとの質問に「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と肯定的な回答をした児童生徒ほど、否定的な回答をした児童生徒より平均正答率が高い。学校質問紙調査における学力とのクロス分析でも、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善に取り組んでいると回答した学校ほど、正答率は高い傾向にあることが分かった。
また、家庭学習の習慣が定着していると回答した児童生徒、算数(数学)の問題で「すべての書く問題で最後まで解答を書こうと努力した」と回答した児童生徒は、そうでない児童生徒と比べて教科の平均正答率が高い傾向にある。
▼管内の状況
管内別の分析をみると、教科別では小学校の国語Aで石狩、胆振、上川、留萌の四管内で全国平均以上となった。
中学では、国語Aで石狩、上川、十勝、渡島、釧路、胆振の六管内、国語Bで石狩と十勝の二管内、数学Aで石狩管内、数学Bで石狩と十勝の二管内、理科で石狩、十勝、上川、留萌、空知、渡島、檜山の七管内で全国平均以上となった。
管内別では、石狩管内で六教科(小学校国語A、中学校のすべての教科)、十勝管内で四教科(中学校の国語A、国語B、数学B、理科)、上川管内で三教科(小学校の国語A、中学校の国語A、理科)で全国平均以上となるなど、前年度より全国平均以上の教科数が増加した。
▼市町村の状況
市町村の規模別状況では、「大都市・中核市」が小学校国語A、中学校のすべての教科で全国を上回った。
「その他の市」では、小・中学校のすべての教科で全国を下回っているものの、前回調査と比べ、小学校の国語A、理科、中学校の国語A、国語B、数学B、理科で全国との差が縮まった。
「町村」では、中学校国語A・Bで差が縮まり、中学校理科で全国平均を上回り、それ以外のすべての教科で全国を下回った。
道教委では、学校の検証改善サイクルを確立する取組の成果が調査結果に十分に現れていないこと、ゲームなどをしている児童生徒の割合が全国よりも高いなどの課題を挙げ、校長のリーダーシップによる組織的な授業改善、学校と家庭が連携した望ましい生活習慣の確立に向けた取組を推進する考えを示した。
◆推進に理解と支援を 佐藤教育長がコメント
道教委の佐藤嘉大教育長は六日、『三十年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書』公表に当たり、つぎのとおりコメントを発表した。
◇ ◇ ◇
本道の状況は、中学校の国語Aと理科で全国の平均正答率を上回り、他の教科においても、正答数の少ない子どもの割合が減少するなど、改善の傾向がみられる。
一方、学校が検証改善サイクルの確立に取り組んでいるものの教科に関する調査結果にその効果が十分に現れていない、ゲームなどをしている児童生徒の割合が全国よりも高いなどの状況がみられることから、校長のリーダーシップによる組織的な授業改善や、学校と家庭が連携した望ましい生活習慣の確立に向けた取組を一層充実させる必要があると考えている。
道教委では、本道のすべての子どもたちが、社会で自立するために必要な学力をしっかりと身に付けることができるよう、学校、家庭、地域、行政が一体となって、北海道の将来を担う子どもの姿を共有し、学力向上に向けた取組を一層推進していく。
教育関係者や保護者の方々はもとより、広く道民の皆さんには、本道教育の推進に向け、引き続き深い理解と支援をいただくよう、よろしくお願い申し上げる。
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(道・道教委 2018-11-07付)
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