英語教育課程研究協議会開く　２９人が授業充実目指す　国研指定校の稚内高

（学校 2018-11-07付）

木村教諭は、どちらのスーツケースが優れているか考え表現させる活動を展開した

　【稚内発】稚内高校（元紺谷尊広校長）は十月中旬、同校で国立教育政策研究所の教育課程研究指定校事業にかかる研究協議会を開いた。道内の高校や市内の小・中学校などから英語教諭ら二十九人が参加したほか、文部科学省初等中等教育局教育課程課の下山田芳子教科調査官を助言者に迎え、研究授業や研究協議などを通して授業の改善・充実に向けて研鑚を積んだ

　同校は本年度から、国研教育課程研究指定校として外国語（英語）の実践研究を進めている。

　研究主題として、①三年間を見通し全教員で取り組む英語五領域の指導と評価の在り方②新学習指導要領を見据えた指導と評価の在り方③英語教育にかかる小中高連携―の三点を掲げ、生徒の実態を踏まえた「主体的・対話的で深い学び」を推進する学習過程を取り入れた系統的かつ段階的な指導方法などを研究している。

　開会式に続いて、一年Ａ組「コミュニケーション英語Ⅰ」（成ヶ澤千絵教諭、生徒数四〇人）と二年Ａ組「コミュニケーション英語Ⅱ」（木村建太教諭、生徒数三八人）の研究授業を行った。

　うち、「コミュニケーション英語Ⅱ」における本時の目標は、①新しいスーツケースがなぜ優れているのか考え、意見を他者と伝え合うことができる②ハンドアウトに記載の質問を素早く理解し、情報を精査しながら聞き取ることができる―の二点。

　授業でははじめに、英単語の発音練習とペアによる英単語の言い換え（Ｐａｒａｐｈｒａｓｉｎｇ）クイズを実施。

　続いて、木村教諭が黒板に、従来のものと新しいものの二種類のスーツケースの写真を掲示し、どちらが優れているかペア同士で意見を出し合った。生徒たちは「新しい方がかわいい」など、それぞれ理由を英語で説明した。

　このあと、リスニングの問題文を音読し聞き取る情報を予測させた上で、スーツケースに関するリスニングを実施。

　また、エクストラクエスチョンとして、リスニング本文が聞き手に一番伝えたかったことは何か考えさせ、「単語や文法だけでなく、話の要点を理解することも非常に大切なこと」と伝えた。

　最後に、生徒自らが本時の授業から学んだことを振り返り、プリントに記入した。

　授業後は研究協議のほか、丸山啓教諭が研究主題にかかる同校の研究の進ちょく状況について報告。下山田教科調査官は「主体的な学びを実現させるためには、授業において生徒に見通しを付けさせて、どの程度達成できたか振り返りをさせることが大切」「思考力・表現力・判断力を養うには、まず場面を設定して、どんな表現を使えば良いか生徒自身に考えさせた上で表現に必要な材料を提示してあげるような授業が望ましい」と助言した。

(学校 2018-11-07付)