31年度新設学科の教育課程―釧路鶴野支援 道内初「情報ものづくり科」 ICT活用し製作・販売 (学校 2018-11-05付)
【釧路発】釧路鶴野支援学校(櫻田拓也校長)に三十一年度から新設される学科の教育課程が明らかになった。現在、職業学科三学科の高等部に、新たに職業学科二学科と普通科一学科を設置。職業学科の「情報ものづくり科」は全道初の学科で、ICTを活用して、木工や金属加工品の製作、販売活動などに取り組む。各科とも「釧路で働く」をテーマに、釧路の人材や資源を活用して特色ある教育活動を展開しながら、現場実習や職業体験、ボランティア活動を行うなど地域に根ざした自立と社会参加につなげていく。
幼・小・中学部の聴覚障がい教育部門と、高等部の知的障がい教育部門を置く同校。道教委の公立特別支援学校配置計画で、三十一年度から高等部の三学級増が示された。
高等部では現在、「環境・流通サポート科」「福祉サービス科」「生産技術科」の三つの職業学科が設置されているが、三十一年度からは「情報ものづくり科」「食品デザイン科」の二つの職業学科と「普通科」が新たに加わる。
うち、全道初の情報ものづくり科では、ICTを活用して製品の設計、プレゼンテーション、木工や金属を素材に木工や金属の製品加工、販売活動を行う。主な題材は、ベンチ、家具などの木工や金属を素材とした製品。
食品デザイン科では、地元食材を活用した食品開発・製造・加工・販売を行う。
主な題材は、せんべい、おかき、すり身などの加工品で、食品衛生や栄養についても学ぶ。
普通科は、将来の職業自立や社会自立を目指し、国語、数学などの教科等の学習を中心としながら、幅広く知識や技能を学び、将来の自立に必要な知識と技能の習得を目指す学科で、道内で三校目の設置となる。
基本構想として「多様に学ぶ 釧路を学ぶ 体験する」を掲げ、「職業」と「総合的な学習の時間」を学習の中心に据えている。具体的には、職場見学やインターンシップ、地域資源や人材の活用、地域でのボランティア活動などを積極的に取り入れ、釧路地域の産業の特徴や様々な職業について学ぶとともに、教科別の指導で学んだ内容を地域で実際に活用しながら体験的に学ぶ学習活動を充実させる。
学習に当たっては、事前の調べ学習や事後の振り返り学習を通して、生徒自身が学習の目的や成果、課題を自分自身で理解できるように指導する。
このほか、コミュニケーションについての学習や、生徒自らが挑戦したいことを考えて学ぶ時間などの設定も計画している。
職業学科、普通科ともに、生徒の自己理解・自己選択・自己決定を重視した教育を進め、「地域で自立し、働き続ける力を育てる」ことを目指す。
現在校舎を建造中で、食品デザイン科で使用する厨房、外部の人を招く食事スペース、情報ものづくり科で使用する木工・金属加工室、設計室、さらに、普通教室、多目的室などを設ける。
新設する三科を含め全六科とも定員は八人。
十一月下旬に道教委が募集要項を公示し、来年一月下旬に入学者選考検査、二月中旬に合格者を発表する。
齋藤利文教頭は「一人ひとりの生徒が地域社会へスムーズに移行できるように、今後の釧路の状況を予測し、釧路の自然や歴史、風土、釧路の人材や資源を活用した教育課程の編成を進めたい」と生徒の自立と、社会参加を目指していく考え。
(学校 2018-11-05付)
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