札幌市中学校教頭会が全日研修会　より良い経営へ情報共有　教育課程部など６部が提言

（関係団体 2018-11-08付）

特別支援教育部や生徒指導部など６部が研究提言を行った

　札幌市中学校教頭会（鈴木克明会長）は五日、ホテルライフォート札幌で三十年度全日研修会を開いた。研究主題「豊かな人間性と創造性を育み未来を拓く学校教育」のもと、教育課程部・特別支援教育部・生徒指導部・進路指導部・教育環境整備部・法規法令部の六部が研究内容について提言したほか、グループ討議や講話を実施。教頭として資質や職能の向上を図った。

　開会式で、あいさつに立った鈴木会長は、教頭の職務について、学校を子どもにとって安全・安心な居場所とすることと強調。その実現は、全教職員で成し遂げるべきものと指摘した上で「教職員の心身の健康に配慮しながら、働きやすく働きがいのある職場とする必要がある」と話し、研修会で学んだことをあしたからの実践に生かすよう求めた。

　続いて、教育課程部・特別支援教育部・生徒指導部・進路指導部・教育環境整備部・法規法令部の六部が研究内容について提言。このうち、教育課程部では、札幌中学校の井上博文教頭が「望ましい人間関係形成能力の育成に焦点化した学校改善と教頭の役割」について、研究の概要や学校での取組などを説明した。

　井上教頭は、生徒のコミュニケーション能力を培うことをねらいに、総合的な学習の時間や国語、道徳の教科等横断的な学習で学年全体討論会を開いていることを説明。様々な取組を通して、生徒の自尊感情が高まるなど、安心して生活できる学校風土が形成されたことを示した。

　また、協働する教職員集団をつくるため、経験や勘ではなく理論に基づいて提案ができるリーダーシップが求められていることを示した。

　続いて、特別支援教育部では光陽中学校の尾崎英弥教頭が「通常の学級に在籍する発達障がいの可能性のある特別な教育的支援を必要とする生徒の現状」について提言。尾崎教頭は、同校の特別支援教育の体制や生徒の特性に応じた支援について説明した。

　また、通常の学級の中での特別な教育的支援を必要とする生徒に対してインクルーシブ教育を志向する重要性を強調。「今後は我々も特別な支援を必要とする生徒に関する知識や方法を学習し、研修する必要がある」と話した。

　午後からはグループ討議を実施したほか、全体会では札幌市中学校長会の蛯名嘉津夫会長が「教頭先生に期待すること」と題して講話した。

(関係団体 2018-11-08付)